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安倍総理の暗殺事件をきっかけに書かれた本。
カルトに関する簡単な解説が最初にあって、生長の家→日本会議、統一教会について、その思想と教団の変遷を丁寧に解説した上で、それらが政治、特に自民党に入り込んでいったかを分析している。
最後は、政教分離の考え方の基本を確認した上で、日本においてそこがほとんど理解されないことを指摘し、それを改めてろ理解した上で、投票しよう、制度を改革しようという話かな?
生長の家と統一協会については、初めてちゃんとした解説を読んだ気がした。
最後の政教分離のところでは、アメリカにおける政教分離が説明され、それとの比較において、日本の問題が指摘されるわけだが、この辺りはやや疑問が残ったかな?
アメリカ以外の国、例えばヨーロッパであれば、キリスト教民主主義の政党があるし、党名にキリスト教が入った政党がある。国によっては国教があるところもあるわけで、そういうのも含めて、政教分離というのをどう考えるのかはもう少し考えたい。
個人的には、ある宗教の価値観をベースにした政党があること自体は特に悪いことではないかと直感的には思う。問題なのは、宗教のトップが裏で誰に投票すべきかを決定して、それに信者に強く要請すること。そして、これは宗教に限らず、なんらかの組織票的な誰かがどこかで決定したものに、そのまま従うということが問題であると思う。
要するに、誰かが決めたことに個人が何も考えずに従うこと。政教分離というより、そっちの方が重要な気がしている。
あと、カルトについては、なにを持ってカルトとするかは難しいが、なんらかの定語に基づき、それを禁止する、正確には、信教そのものではなく、ある種の活動を法的に禁止することが大事だと思う。これは政教分離の話しとは別の話しと思う。
いずれにせよ、自分で考えて、投票するということの重要性を改めて感じた。