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2023年4月21日読了。
P34
夢は叶いそうになると
恐怖に変わることを知った。
P45
自分が面白いと思うこと以外は
やりたくないんだな。
一日は二四時間しかない。
それなのに今は観るモノが多すぎる。
いくら時間があっても足りない。
そんな中、作品を観てもらうには
自分の面白いと感じるものを信じるしか
ないと思ってね
P65
先人の詩文の発想·形式などを踏襲しながら、
独自の作品を作り上げるってことです
P66
役者の度肝を抜くようなホンを作って、
「演じるなんて、こんなもんでいいや」と
冷めている俳優を本気にさせたいんです。
それには、こっちが本気で環境を
用意しなきゃいけない。
物作りに潜む狂気を、この先、
ドラマに携わる人たちへ残したいんです
P84
センスっていうのは、既製のおしゃれな服を
選ぶことではなく、あるもので賄い、
自分に合わせた着こなしをする術って
ことなんです。
★これしかなかったら、
その中でどう発展させていくか。
まさに創造の原点ですよね。
★P118
大事なのは、脚本で何が起きているかじゃなく、
読んだ人の心で何が起きたかだ
P121
悲しさが癒えた後に淋しさが現れる。
悲しさは一瞬、淋しさは永遠なのだ。
P137
人と比べる人は人のせいにもするのよね。
人のせいにするのは、言い訳と悪口を
考えなきゃならないから、実は面倒臭いことよ。
そういうのコスパが悪いって言うの
★P141
「センスがいい」なんて言い方は、
相手をどう褒めていいかわからないから、
センスって言葉で誤魔化してるのよ。
★P148
希林はもっと人間をよく見なさいと言った。
脚本家の都合で物語を進めるのではなく、
人の心に潜む恐怖とおかしみを同居させなさい
と言った。
P153
老婆という絵画にぴったりの額縁ではない、
違和感のある額縁を用意する感性、勘、本質の
捉え方が、寺内きんというキャラクターを生んだ。
P155
あんたの言う「自信」っていうのはさ」と
前置きし希林は語った。
「テレビ局の派手な雰囲気に慣れ、
俳優同士で群れて、バラエティ番組にも
出るようになって、その対応にも慣れてきて、
人気者の友達も増え、居心地のいい群れの中で
いい気になってくる。
それを自信と勘違いするの。
自分の心の中を、いやしさとか、さもしさが
食い始めたなって気づいた時に、
その群れから離れないと自分を見失うのよ」
★P173
自分の人生とは向き合った方がいいわよ、
とくに嫌なことと。
一般の人にとっては、不幸なことは思い出しても
嫌な思い出でしかないけど、作品を作る人に
とっては、それはそれは尊い価値のあるものなの
★P197
人生なんて人と比べても仕方がないの。
もったいないわ、この運命を面白いと思わないと。
どう思われようが平気な顔して生きればいいのよ。
傷ついたことも含めて面白がる、
それが脚本家ってものよ。
★P213
人生に起きたエピソードは
その人のアングルによって、
どんな話にも変化させられる。
創作の原点はここにある。
P219
自分にとって「家族のために働くこと」が
大義だと思ってきたが、
それは家族を想ってのことではなく、
自分にはやりたいことを貫く自信が
なかったからだ。
★P222
自分の人生で起きた出来事、妬み、傷、淋しさは
創作するための貴重な資源だと感じた。
★P237
この先、年を重ねる度、
喪失感は増えていくだろう。
それは負の感情だけではなく
創作し続けるための糧である。
淋しさとは自分との対話であり、
その対話が創作なのだ。
P249
「たった一回の過ちで戻ってこられない
世の中は間違っているわね。
さあ、もう一度世間に戻るのよ」
と希林は言った。
★P254
「おごらず、人と比べず、面白がって、
平気に生きればいい」