投稿元:
レビューを見る
「海のあお通信」というタイトルで宮崎日日新聞に連載されたエッセイだそうです。
俵さんは2016年から石垣島から宮崎へ転居をされ、今は仙台に住んでいらっしゃるそうです。
各エッセイのタイトルが短歌になっています。
○明太子キャビアからすみいくら数の子とび子みんな大好き
では
伊勢志摩サミットで宮崎のキャビアが使われたことを記念して、限定千個6グラム入りのを1980円で販売されたキャビアを興奮して10個以上申し込んだ話。
私は実はキャビアって○十年間生きてきて食べたことが一回もない気がするのですが、美味しいんだろうなと思いました。
○球場のビールはうまし何でもない日のはずだったサラダ記念日
では
『サラダ記念日』出版30年記念にサラダをテーマにした短歌を募集したそうです。971首寄せられた歌から選ばれた歌がどれも素敵で、自分の作った歌のダメな点が改めてわかりました。その中の一首「もしあればちょっぴり嬉しいクルトンな女でいたい君の前では 高塚美衣」。私の作る歌には「クルトンな女」という比喩表現が全くないのだと思いました。これからは「クルトンな女」を探していこうと思いました。
○本の中の人なる我が飛び入りし『ブンとフン』的に驚かれたり
では
県立図書館での高校生が薦める本の催しに参加されたこと。
○アボカドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン
では
宮崎空港で「ひなたプリンセス」という名の1個2500円のアボカドを買ったこと。
とは言っても俵さんはお高いものばかりではなく
○桜花早や咲き初めてコシのないうどん優しき宮崎の春
では
1食500円のうどんも食されています。
○平面とぬいぐるみの差はなくて絵本のくまに子は話おり
では
酒井駒子さんの『よるくま クリスマスのまえのよる』について語られ。
○日向夏くるくるむいてとぎれなく長くまあるく一人を想う
では
日向夏ポスト(宮崎駅前にあるそうです)にかけて思春期で寮生活を送っている息子さんに毎日葉書を書いている話。「もしイヤだったら、やめるから言ってね」という俵さんの言葉に息子さんは「全然、イヤじゃないよ。みんなも楽しみにしてるから」との返事。俵さんのような文才のある方からの葉書だったら、それは楽しみになるだろうと思いました。
投稿元:
レビューを見る
俵万智さんの宮崎での日々が活き活きと書かれていて、宮崎に行きたくなり、短歌への興味もわきました。
また、たまに出てくる息子さんのお母さんに対する言葉がとても良いなぁと思いました。
投稿元:
レビューを見る
新聞連載記事(エッセイ)をまとめたものだが、タイトルの前に著者の短歌が掲出さるており、歌集のようでもあった。
歌を読み、エッセイを読む。そしてまた歌を読み返す。
宮崎の地を愛していることが、ストレートに伝わる、読んでいて気持ちの良い本だった。