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何だかんだで丸め込まれて瑠璃に居座られてしまう泉の人の好さよ。
全然いうことを聞かない瑠璃の式神(「瑠璃の」というと多少語弊があるかもしれないが)には毒舌吐かれるし、扇で突かれるし、災難である。
それなのに、結局助けてくれるのだ、泉いい人。
実家を乗っ取られた瑠璃が、ある件で助けてくれた呪術医の泉と一緒に暮らすようになってから動き出す物語。
瑠璃は隠していたとはいえ「巫女」としての力を持っているので、あやかしなどの厄介ごとに巻き込まれがち。
その件で、元婚約者からも執拗に狙われる羽目に。
彼の件は最後の方まで引きずるのかなと思いきや、瑠璃の実家の件も含めて終盤まで持ち越さず、思っていたより早めの幕引き展開には驚いた。
相手にはそれ相応の罰が下ったのでよしとして(いいのか?)
最後の話は、泉の掘り下げ話。
彼は呪術関係の厄介ごとを解決する立場にありながら、あやかしを見る目を持たない。
それは何故なのか、そして彼の実家との関係性は。
才能のある者が身近に、しかも身内にいたとなると……近いからこそ難しい家族関係である。
少なくとも、お兄さんが妬ましさを抱えつつも弟のことを大切に思っているキャラで安心できた。
基本的には厄介ごとが持ち込まれては都度解決していく形の話なので、テンポよかったように思う。
前述の瑠璃の実家の件も、元婚約者の件も、そんな感じでさくさく終わった感じ。
瑠璃と泉の噛み合っていない会話や、見えない癖に口喧嘩している泉と瑠璃の式神の会話など、会話シーンはコントを見ているようで面白かった。
これからもそんな会話を繰り返しながら、何だかんだ楽しそうに暮らしていきそうな三人だった。