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何年か振りに既読の本をそうとは知らず購入してしまった。
いい機会なので6年振りに再読。
6年前の自分が書いたレビューと同じように
今回も主人公の癌と告げられた後の冷静さに驚く。
忘れていた箇所も多く、再読を引き続き楽しみます。
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〈来年の今頃には、この〝私という意識〟を永遠に失う。これから迎える秋が最後の秋であり、そのあとの冬が最後の冬なのだ。来春の桜が最後の桜になるのだ。そして、次の秋や冬を私が過ごすことはおそらくない〉
膵臓の末期がんで余命一年と宣告された五十三歳の〈私〉、菊池三喜男。現在は東京の大手出版社の役員。二十年前、月刊誌の編集部員だった〈私〉は、一本の電話を受けた。それは山下やよいという女性からで、信じがたい内容だったが、試しに彼女の言う通りにしたら、そのときひどく捻挫していた左足が、電話越しに治ってしまったのだった。そのやりとりを記したメモを手に、その女性を探すため神戸へ向かう。
小説に登場する場所、人物、社名などがすべて実名なので、これはフィクションなのかどうかわからなくなりますね。おかげでリアリティがあります。
話の展開がゆっくりなのは、新聞に連載されていた作品だからでしょうか。上巻では、山下やよいさんを探すことは探すのですが、それよりもまず神戸での暮らしが中心に描かれます。人々との出会いと街の風景が穏やかで、余命一年という事実を忘れてしまうほどの幸福感。神戸には私も行ったことがあるので、三宮駅周辺やルミナリエなど、また行きたくなりました。
さて、下巻ではどんな展開が待っているのか、めっちゃ気になる。すぐ行こう。
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おじさんの闘病記かと思いきや、なんか違う。本人は至って真面目な語り口なのに、所々でクスッと笑えるユーモアがあり、どんどん引き込まれていきました。下巻が楽しみです。
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貪るように読んでいた時期があった白石作品。
久しぶりに読んだが、静謐で重いところから、仙人のような境地に至る心の動きに心を掴まさせられる。
『スティーブ・ジョブズ』『城之崎にて』を読もうと思う。