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短編集。交霊会では自分が善意でした事って本当に正しいのか?と不安になり、ホテルカイザリンでは、自分ではどうしようもない不運な人生から逃れる事はできないのか?と思ったり。それぞれ物語の最後に考えさせられる。
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著者の特に海外にまつわる話が好きです。この本の中にもいくつかそのような短編があったので良かったです。
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「降霊会」「金色の風」
「迷宮の松露」「甘い生活」
「未事故物件」「ホテル・カイザリン」
「孤独の谷」「老いた犬のように」
8編収録の短編集。
内4編は『アミの会・アンソロジー』に収録されていた作品で既読。
最終話は『Jミステリー2023 SPRING』に収録されていたもので、こちらも既読。
よって初読みは1話~3話のみ。
初出が2010年~2012年のものでかなり古い作品だった。
そうは言っても切れ味鋭い短編を書かれる近藤さんゆえ、再読してもゾッとするものがいくつか。
印象に残ったのは
『降霊会』『甘い生活』『未事故物件』。
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今迄何冊か短編集を読んできたが本書はまた違う雰囲気を醸し出すものだった。ある短編ではゾット寒気を覚えた又他の短編では人によっては全く違った解釈をする事もあり誤解を招く。男性と女性でも感性の違いから問題が生じてくる。著者の感性が素晴らしい。
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短編集どれも最後にホラーが見え隠れする作者ならではの作品であった。普通では考えられない事件が多数あった。夏に読むには最高であった。
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これはホラーだ。
悪気なく、喜んで相手が嫌がることをする人たち。
というか、相手が嫌がっていることも認識していない身勝手な人たちの姿が、もうホラーとしか言いようがない。
けど、一番怖いのは、自分も含め誰もが陥る可能性があるということ。
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ミステリー、ややホラー、何とも言えない嫌な感じ、この人だけは好きになれない...様々なテイストだけど、真実を知るとぞっとする。どこで間違えたのか、どうしてそこを踏み込んでしまったのか、逆に踏み込まなくて良かったね、と思ったり。そんな近藤さんらしさが詰まった一冊でした。読みやすかったです。
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近藤史恵のホテル⋅カイザリンを読みました。
近藤史恵というと自転車の話と言うイメージがあります。
ホテル⋅カイザリンは短編8話から出来ていますが、ホラーに分類されるのでしょうか?
つまらなくは無いですが凄く面白いという程でもありませんでした。
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8つの短編小説収録。ストーリーの流れが良く、多彩で簡潔。一息に読んだ。文章が醸し出す密やかさも期待値を増幅させた。
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8編収録されている作品集。冒頭の『降霊会』が素晴らしい。学園祭の実行委員で語り手である南田。子供騙しのような降霊会が展開されていく中で南田自身のことと繋がっていく。その展開の不穏さや、どんでん返しとそれだけでは終わらないラストの衝撃まで一気読みで本当にすごい。他の作品も面白いけれど『降霊会』がひとつ抜けている印象。
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久しぶりの近藤史恵。デビュー作の「凍える島」や「青葉の頃は終わった」など、初期作は読了済。
初めて短編集を読んだが、非常に良かった。最初の2篇でグッと心を掴まれて。改めて、好きな作家だなぁと再認識。連城三紀彦風のアクロバティックな結末が多め。
【降霊会】
近藤史恵の最高の短編の一つだと思う。短いながらも意外な結末。とんでもなくエグいところに着地する。ミステリ。
【金色の風】
打って変わって爽やかな話。金色の風の表現が良い。不覚にもホロリときた。
【迷宮の松露】
こちらも旅先での再生。モロッコと松露。松露の対比が良い。
【甘い生活】
嫌な話。でもスカッとするかも。
【未事故物件】
これも意外な結末。というか怖い。夜中に回る洗濯機が怖い。
【ホテル・カイザリン】
表題作ながら、実は一番地味ーな印象。ミステリ。
【孤独の谷】
民族学ミステリ。これは長編で読みたい。シリーズ化してほしい。
【老いた犬のように】
これも登場人物が嫌すぎて。。。一応、最後に希望が見える。。。のか?
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ミステリというかホラー感を感じる短編が
多めの作品集でした。「降霊会」では
妹の死に対する彼の思考にゾワッとし、
「甘い生活」の彼女の思考にはイラっとし、
表題作「ホテルカイザリン」の二人の女には
後味の悪さを感じ、「未事故物件」では
現実にもあり得る話にゾクッとした。
「孤独の谷」なんかはミステリとホラーの
バランスがちょうどよく面白かった。
個人的には「金色の風」や「迷宮の松露」は
ライトな感じで読みやすかった。
どの作品ももう少し長めの中編くらいの
ボリュームで読んでみたかったです。
全体的にはぞわっと出来る作品でした。
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短編集。
テーマに沿ったアンソロジー向けの作品を主に集めたせいか、設定や結末に捻りの効いたものが多い。
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選択が招いた結果が胸を貫く… ミステリや青春小説などバラエティに富んだ短編集 #ホテル・カイザリン
■きっと読みたくなるレビュー
ミステリーから前向きになれる青春ものまで、バラエティに富んだ短編集です。イヤミスほど露骨ではないけど、負を描くのがめっちゃ上手。しかもキレイなんですよね~、記憶に刻まれる作品が多い。
また突然押し寄せてくる展開のヘアピンカーブが鋭く、ミステリーとしても引きつけられるものばかりでした。以下、作品ごとのレビューです。
〇降霊会【おすすめ】
学園祭で行われる降霊会。主人公の彼が様子を見に行くと…
終盤の展開の切れ味はかなりビックリするし、思いもよらない命題を突きつけられる。奥付の初出時期を見ると、2010年のアンソロジーに入っていたお話ですか…今読むと、より一層怖い。
〇金色の風【超おすすめ】
バレエで夢破れた若き女性、フランスでの新生活を綴った青春物語。
作品から勇気をもらえる素敵な作品、短編でもコンパクトにまとまっていて美しい。大好きです。思い悩む女性の心が痛いほど理解できて切ない。
〇迷宮の松露
仕事で苦労した若き女性がモロッコへ旅に出る旅情ミステリー。
知りませんでした…食べてみたい。亡くなった母が大好きだったお団子を思い出しました。
〇甘い生活【おすすめ】
幼少期から他人の物が欲しくなる性格の女性、成長した彼女の運命は…
こういう奴いたよな。人の不幸は蜜の味なのは分からんでもないが、自分が落とし入れるのが好きなんだろうなぁ 理解できん。世にも奇妙な物語で映像化として見てみたくなる作品。
〇未事故物件
一人暮らしを始めた若い女性。毎日深夜の四時になると、上の階から洗濯機が回る音がして目覚めてしまう。管理会社に問い合わせると、上階にはだれも住んでいないらしく…
怖っ!怖いよ。
世界中どこでもある問題ですが、不動産物件って博打だよなぁ。皆さんも気を付けましょう。
〇ホテル・カイザリン【超おすすめ】
女性が警察の取調室で尋問を受けている。どうやら彼女はホテルに放火したようなのだが…
セピア色に包まれたホテルと、すらりとした女性二人が目に浮かぶ、めっちゃ綺麗な作品。短いお話なのに、登場人物の人生の悲哀が丸ごと伝わってきます、素晴らしいですね。
〇孤独の谷
文化人類学を先行する大学生、彼女の実家では一風変わったしきたりがあった。そのことを相談された講師は調査を始めると、意外な原因と判明し…
思いもよらない謎解きとオチ。発想力に感服しました。
〇老いた犬のように
年を重ねた男性作家が、若く美しい作家希望の女性と出会って…
Jミステリーで既読済で再読。自らの人生が正しいと信じきって、アップデートできない人っていますよね。いい年して甘えるのはやめましょう。
■ぜっさん推しポイント
『金色の風』にて、現地で出会った女性と語らうシーンが好きすぎて。
世の中には俳優やミュージシャンなど、食べていくには難しい世界を歩んでいる人たちがいっぱいいる。大量な砂の中、ごくわずかな砂金だけが光り輝く世界。
年齢を重ねると保守的で合理性を求めてしまいがち。私なんかはそうです。
しかし彼らはきっと得るものがあるから、目いっぱい人生を謳歌してチャレンジして欲しい。光り輝いてほしいと願わざるを得ませんでした。
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軽く毒気や闇を含んだミステリーの作品集。どれもエンディングは、暑い夏にはピッタリのぞぞっとする感じがお勧め。