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タイトルにAIという言葉が入っているが、全体の趣旨としては、意識研究の全体像をまとめようとしている本。哲学、言語学、神経科学、コンピューターサイエンス…と色んな分野の研究が出て来て面白い。
でもただの説明文という感じでもなくて、著者の人生の歩みとともに論が進んでいくので、どちらかというとエッセイっぽさもあり、おかげで超読みやすかった。
「はじめに」で小学校のときに抱いていた疑問として「木は生きているとしたら、動けないのに風に吹かれ続けるだけってどういう感覚なんだろう?」(=木に意識はあるのだろうか?)が紹介され、それについての謎がその後の研究で少しずつ解明されていくという構成もわかりやすくて良かった。
ちなみにタイトル「AIに意識は生まれるか」の問いに対する筆者の答えは「人間と同じ意識をAIが持つことはないだろうが、人間が認識できない&人間とは別物の意識をAIがもつ可能性はある」という主張で、それはコウモリが超音波で世界をどう「見ている」かを人間が認識できないのと同じだ、とのこと。
ということは、(これは本文に書かれていないが、)「はじめに」の話に繋げると、木にも意識があるかもしれなくて、でもそれは人間の意識とは別物であり、人間には認識できない…という可能性もあるのかなと思った。
そんな感じで理系な話と文系(哲学)な話とを行ったり来たりする本で面白かったです。
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科学?哲学?エッセイ?
なかなか一言では言い表しにくい本。
とりあえず、タイトルの話が直接出てくるのは終盤です。
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AIについてというよりは、金井先生の意識研究における歩みを一つの本にまとめた本。
知人に勧められて読んだが想像以上に面白かったし、何よりとても分かりやすかった。多岐に渡る意識研究を明快に解説しながら筆者の破天荒な研究者としての人生を随筆のような形で楽しむことができる。
最終的には人工意識の話に移るが、意識とは何か、という問いや脳科学全般に興味がある学生などには特におすすめしたい。