投稿元:
レビューを見る
読みやすいし、のめり込まさせる?文章が素晴らしいと思います。戦争の話も少し出てきますが、メインではないのでサラっと書かれている感じでした
投稿元:
レビューを見る
好みかそうでないかと問われれば好みではないのだけどこれだけの壮大な物語。欲を言えば相関図みたいなのを巻頭につけて欲しかった…それくらい迷子になってしまうので読み進めるのに時間かかった
投稿元:
レビューを見る
「なれのはて」のタイトルのように、すべてのなれのはてを垣間見たような壮絶な作品。ミステリであり、壮大な人々の人生であり、一枚の絵から様々な物語が出来上がりとても面白かった。
投稿元:
レビューを見る
全ての謎が解き明かされ、結末に辿り着いたとき、
思わず泣いてしまった。
たった一枚の無名画家の絵から織り成される物語。
そこから広がる時代背景、人間模様、生きていく意味。
どんどん謎が解けていき、終盤はもう涙を堪えられなかった。
何が悪いのか
戦争なのか
変わっていく人なのか
“なれのはて”という題名も何もかも、加藤シゲアキは天才だ。
また、“テレビ局の報道部”を持って表しているここ最近の暴露騒動にも異議を唱えているであろうと思えるところがあり、考えさせられた。
この作品を読めてよかった。
本当に心から思える本だった。
投稿元:
レビューを見る
本当に素晴らしかった。加藤シゲアキさんの作品は全て読了しているが、この作品は加藤シゲアキさんの力作だと思う。今回も芸能人だからこそ詳しく書くことができる報道についても重要なストーリーの1つである。ミステリーでありながらも戦争の悲惨さも痛感するものだった。中盤から終盤にかけてのストーリーには涙を流してしまうこともあった。土崎空襲のことは全く知らなかったのでとても勉強になった。一枚の絵からここまで壮大なストーリーになるのがすごい。登場人物、そして重要人物が多い作品。タイトルのなれのはてと表紙絵に込められている加藤シゲアキさんの思いは読まないと分からないだろう。物語のキーワードである水芭蕉も花言葉を調べて納得。
読後感も非常に良いので沢山の人に是非読んでもらいたい作品。特に若い世代には読んでもらいたい。そして、メディア化も絶対にして欲しい。
投稿元:
レビューを見る
シゲアキ先生の本は毎回読んでるけど、毎回レベルが上がっていっている気がする。NEWSも20周年イヤーでちゃんと活動していたのにこのクオリティ、2足のわらじを履いてるとは思えない……
本作が全体的に重たく感じられていたのと、たまたま「家族」のことを考えているタイミングと重なったのとでたいへんなスローペースで読むことになってしまった。じゃないとしんどくて堪らなかった。
自閉症児が身内にいるので、みちおの特性が描かれはじめたところでサスペンス面以外の凡そを察したけど、それでも「真相」が気になって最後の方はバーーーッと貪るように読んだ。
まさか私が勉強していたアール・ブリュットの分野(記述はなかったけど描写的にこの領域を表現したかったのではと思う)がテーマのひとつになっていたとは全く思わず……びっくりしたけどそこに着目してくれていたのはなんだか嬉しかった。大ネタバレになっちゃうから大きな声で言えないのが悲しいけど、、、
投稿元:
レビューを見る
1枚の絵画からここまで話が広がっていくとは。
人は地球に還る。
登場人物の関係性が少しややこしかったけれど、複数の視点から語られるパートがあるので段々と理解できた。装丁の石油感も素晴らしい。
直木賞取るんじゃないかな??
投稿元:
レビューを見る
戦争、家族、正しさとは何かを終始問われていた気がします。
死の原因である石油、でも生きるために石油を求めたり。
後半だったこともあり印象に残ったのは「作品に罪はない。全てが罪になってしまうなら、そちらの方が歪んでいる」
本当に、その通りだと思います。言葉にしてくれたことが嬉しい。
それと、恐らく膨大だっただろう資料から、本業アイドルの合間にこの作品を書くのにどれほどの労力を費やしたのだろうかと。人物関係の複雑さと情報量の多さはかなりのものでしたが、上手くまとめられているものだなと、読んでいて純粋に「すごい」という言葉が口をついて出ました。
投稿元:
レビューを見る
オルタネートしか読んだことなくて
ちょっとよくわかんないな
って感想だったから
そんなに期待してなかった
非常に疲れたけど
わりとよかった
なかなか奥深いミステリー
でもほんとにすごく疲れたな
重かったし(物理…
こんな絵に出会ったことはないし
人生とか価値観を変えられるような
そんな何かに出会ったことがないので
いいなぁ…と思うし
出会えるといいなぁ…と思う
よかったけど
消耗が激しいので
星は3つ
投稿元:
レビューを見る
すごい。NEWSの加藤さんが特に好きな訳ではなく、読み始めた彼の本。今までの作品全部読んだけど、加藤シゲアキって何人いるの?って言うくらい、全然違う物語。そして、作品ごとにうまくなっていく(ただの読者の感想です。上からでごめんなさい)。前作も好きだけど、これは重たくて別の意味で好き。都合良すぎる所もあるかもしれないけど、不幸だけの話より私は好き。だって実話じゃないんだからそれで良い。「なれのはて」では、さらに何か大きな賞をとって欲しい!
投稿元:
レビューを見る
1枚の絵を通し謎が解き明かされ、時代を超えて人々が繋がっていく様など、間違いなく素晴らしい作品でした。ラストは感動で、数日間余韻が冷めない状態でした。久しぶりに満足感のある本に出会えたと思っています。
投稿元:
レビューを見る
文芸誌『小説現代』10月号(9/22発売)にて読了。単行本の発刊より早いのと、本作の全編公開の他、加藤シゲアキさんのロングインタビュー、小説の舞台である秋田・土崎空襲現地取材レポートにも興味がありました。
加藤シゲアキさん著作は『オルタネート』のみ読了済でしたが、全く印象の違う壮大な物語でした。
TV局勤務の守谷京斗は、同僚の吾妻李久美が祖母から譲り受けたという、不思議な存在感を放つ作者不明の絵と出合います。この謎の作者を探っていくと、秋田・土崎地区のある一族の隠された歴史と土崎空襲がもたらした悲劇にぶつかるのでした。
1945年8月6・9日の広島・長崎の原爆投下がトドメではなく、秋田市の土崎空襲は、14日夜から15日(終戦の日)未明にかけて、日本石油秋田製油所を目標にされ、多大な被害を受けた最後の空襲の一つとのこと‥。勉強になりました。
一枚の絵の謎を追うミステリーを主軸に、戦争、芸術と著作権、報道と正義、家族‥、全てを詰め込んだ加藤シゲアキさんの本気度と覚悟を感じるとともに、大きく強力な物語の熱量の渦に巻き込まれてしまいました。
たった一枚の絵から始まった物語は、想像を遥かに超えて深く、重かったです。
加藤シゲアキさんが物語に詰め込んだ諸々のこと、これらの行き着く先はどこになるのか? いろいろな意味・対象をもつ「なれのはて」は、ただの没落なのでしょうか?
終着点から起点・経過を振り返ると、結果の有り様や行き着いた状況には、無念さや悲しさ、寂寥の念が強いのですが、個人的には暗いマイナスイメージだけでない、心を強く揺さぶられるほどの重さ・深さがありました。
投稿元:
レビューを見る
社内の不正を暴こうとして報道局からイベント事業部に飛ばされた主人公は、移動先の後輩が祖母から受け継いだ絵の来歴を探るうちに、秋田の石油化学会社創業者一族の壮絶な歴史に突き当たる。
一族の歴史は横溝正史並に呪われているが、副旋律である絵に対する純粋な情熱やアクリル絵の具を巡る絆に中和され、怨念じみてはいない。
とはいえ、後半に置かれた輝の生い立ちや傑たちの最期な至る物語は暗く、長い。
もちろんそれが大団円につながるのだが。
2作続けて直木賞候補となった作者。
多忙な中で質の高い執筆活動を続けていることに感心する。
読了して改めて表紙を見れば、アクリル絵の具で太い線が描かれていた。
投稿元:
レビューを見る
「とても大きなものを読んだ。」
と、これほど明確に感じた小説は初めてだ。
この本の凄みは「質量」である。読後に、いま手にしているものがこんなに小さかったかと思ってしまうほどの、物語の圧倒的な質量である。
構想3年、二万字に及ぶプロット、頁数464、時代は大正から昭和、そして令和……この物語の規模を表す宣伝文句はたくさんある。けれど、これの「質量」というのは、もはやそういうことではない。概念である。敢えて言えば卓越した描写力と、端々から滲む並々ならぬ意気込み。本当にもどかしいが、この大きさを伝える術は「読んでください」と言うほかない。
圧倒的に鮮明な描写力がまた数段腕を上げ(かつ時代ごとの彩度の調節までされており)、今回はその鮮やかさが人のやるせなさや業、狂気、恐ろしさに見事に作用したと思う。濃密な世界観・情報量・語彙にもとにかく圧倒されるばかり。徹底した描き尽くしにより、年々消えゆく悲しみの記憶や証言をフィクションという形で記録することの意味と覚悟がひしひしと伝わってくる。
「1枚の絵の謎を追うミステリー」にあたり、物語全体が芸術の力と人の力(狂気を起こす力や真実を見定める力)を訴えるうえで絶大な説得力となっているし、ゆえに、芸術(物語)だからこそ社会の中で、人と人との間で、決して二極化できない問いについて心に届けられるはずだという、本書そしてエンタメの意義そのものも同時に問うているように感じた。
「生きるために描く。それが、誰かの生きる意味になる。」
読み終えてみると、『なれのはて』のこのキャッチコピーが、震えるほど的確であることが分かる。たった一つの作品に、得体の知れない衝撃を受けて世界が違って見えてくる、確信がうまれるというような、そんな吾妻が言うような感覚に自分も覚えがある。人が人生を投じるほどの熱を、作品は残し伝えることが出来る。
全部読まなきゃ語れない。そして読んだら徹底的に語りたくなる。
投稿元:
レビューを見る
最初は調べ物をする動機が薄過ぎるな、と思って読んでいたら終盤から怒涛の力強さで、グッと胸にきた。そして最後のページで涙が出た。443ページと長い小説だけど、最後まで読んでほしい。読んでください。