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早く読みたくて本屋さんまで買いに走った3巻。特典の短編2話でもう半ベソをかく。
舞台作家と俳優の双子が主人公の3巻。一体どんな話だ…?とわくわくしながらページをめくる。数行でレーエンデの世界に惹き込まれ、400ページ弱、一気読みだった。このシリーズの没入感は本当にすごい。スコンと物語の中に入ってしまい、あっという間に周りが見えなくなる。
続きが読みたくてたまらないけど、読み終わりたくない、でも読みたいのループ。
こんなに没頭したファンタジーは上橋菜穂子さん作品依頼かもしれない。
テッサ、キリル、イザークなどの面々や、村の人々の面影を見付けては、ここに繋がっているのかとはっとする。
テッサ達の活躍を戯曲にしてくれたことで、私の中であやふやになっていた革命の成り行きが頭の中で整理できた。
1.2巻と同様に、こちらまで笑顔になってしまうような暖かい場面とそこから一気に突き落とされる哀しい展開の落差。
まさかまさか、やめて……と祈るような気持ちになる。
2人の命懸けの戯曲がどんな風に人々を動かすのか。「喝采か沈黙か」。
続きが待ち遠しい。
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2巻までの戦国時代みたいな、ザ・闘いはないのに、時代が変わっても、人が変わっても、みんな、何かしらと戦っているんだなあと思いました。
最後終わり方が…え?どうなってんの⁉️って。
想像を掻き立てられまくりました。
次巻も楽しみです!
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天才と凡才、真実と伝承、愛情と羨望、伝えるか沈黙するか…。
虐げられるレーエンデ人の矜持を取り戻すため、レーエンデの英雄を題材にした戯曲作成を目指す双子の旅と葛藤。
ドキドキしながら最後まで一気に読んだ。
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名作でした。
双子をうまく活かした設定、最終章への怒涛の展開。
リーアンの最後には泣きました。
読み終えたばかりで言葉にならないですが、このお話が大好きだと思いました。読めてよかったです。
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三作品、ほとんど一気に読み上げました。
作品を重ねるごとに面白い!
過去の作品の登場人物たちが、100年の時を隔てて関わり、未来を紡ぐ。
壮大な歴史ファンタジーとも呼べる作品だと思う。
100年経てば、物事の真実はぼかされて伝わることもないものだけど、この作品では読者は過去の歴史の目撃者として関わり合う。
神の視点を手に入れることができます。
時代を追うごとにレーテンデは自由から程遠くなっていきます。
だからこそ、「レーテンデに自由を!」という言葉に重みが増していきます。
2巻で登場したテッサの物語が伝わらない時代…。
その英雄譚を伝えるため、天才脚本家リーアンと脚本家とは双子で男優であり、男娼であるアーロウが真実を求めて旅に出ます。
現在のレーテンデでは、テッサの名前を迂闊に話題にすらできない…。
もしも知られてしまえば、処刑は免れません。
三作品では1番好きになった作品です。
前作が力で世界を変えようとした物語であるならば、この作品は芸術によって世界を変えようとする物語です。
しかも、テッサの勇気と希望を紡ぐ物語だからこそ、続けて読んでいる身としては感動的でした。
また、構成もうまく、アーロウ視点と完成した戯曲の上映の様子が交互に展開されます。
戯曲は完成することはわかっていつつも、ところどころに伏線めいた言葉もあり、シリーズに共通することですが、展開が全く読めません。
突如窮地に陥ることもあり、常に緊張感もあります。
凡庸なアーロウの気持ちも痛いほど理解できます。
なぜお互いを似せて作られたのですか?というアーロウの言葉の答えはラストにわかるのですが…。
スッキリハッピーエンドにならない作品ですけれども、何か心に残るものがあり、読後感の余韻が素晴らしいと思います。
自分に与えられた使命を勇気を持って全うする。
虐げられた人々が、立ち向かう心を取り戻していく。
そんな姿に心を打たれます。
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前作との絡みが多くてこれぞ大河ファンタジーの醍醐味というワクワク感があり、既刊の中では一番好きでした。
テッサ達の軌跡が100年で無きものにされレーエンデの民の不遇な描写に辛くなったけど、双子達が真実の歴史を探し求めて、また真実を綿々と受け継ぐ者達がテッサと縁のある人々の子孫であることが名前から分かるたび
に嬉しくなる。残り2巻も楽しみですね!
にしても、100年経っても「置いてかないで」と泣き続ける彼は始原の海に帰れなかったのかしらと思うと切ないですね。
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もうここまで来ると、今度はどうやって私の心を抉ってくるのか…と逆にわくわくしてしまった……。
三作を読了して、当初抱いていた「王道ファンタジー」という印象からは大きく変わった。
レーエンデという国と、そこで生きる人々と、紡がれる歴史。
弾圧された絶望の中から希望を見つけ出して掬い上げるような、そんな作品だと思った。
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シリーズ3作目。破天荒な天才リーアンと、常識人で他人を思いやれるアーロウの双子の兄弟。
英雄テッサの戯曲を書き上げたら英雄と同じ年齢で死ぬと信じていたリーアン。
結果的にはその通りになってしまった。
前作「月と太陽」は絶望まみれの結末だったけど、今作はレーエンデに少し希望の光が生まれたように思う。
イジョルニ人でもミラベル・ロランスのようにレーテンデの救済院に多額の寄付をしている人もいたりして、時代は少しずつレーテンデに優しくなりつつある様子。
次回作は来年2024年刊行とのこと。楽しみです。
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レーエンデ国に入国するたびに感動して、その革命の話を読む度に涙する。
今作もめちゃくちゃ面白かった。好きだった。感動したし人に勧めたいと思った。
兄弟や他人と比べては相手のその才能に嫉妬して羨望して、生きていくことを考えるほどに自己嫌悪と希死念慮に襲われる感覚が痛いほど分かるからローアンへの感情移入が止まらなかった。
兄弟愛も見どころで、旅の途中お互いを褒め合うシーンは胸に来るし、ニヤけてしまう。個人的に一番好きな場面。
自分には価値がなく才も何も無いと思うと生きていくのが苦しい。けれど凡庸でいいのだと、凡庸だからこそ感じられる幸せもあるのだと気づけた時の晴れやかな気持ちは絶対忘れない!
また、差別とは身分が高い方が一方的にしてるのではなく、低い方が自ら自分達の価値を下げて卑下しているだけなのかもなと思考した。
「政治家は」「お金持ちは」「男は」「女は」「親は」と主語を大きくしても、中には理解してくれる人もいるし、信じてた人ですら裏切ることだってある。あくまで人間は一人一人違うことを思い知らされた。
「愚かな自分を正当化するために、誰かの善意を疑う馬鹿」にならないようにしたい。
次回作も楽しみ早く読みたい!!!
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アーロンとリーアンは瓜二つの双子の兄弟。リーアンは劇作家としての才能に恵まれた一方、アーロンは目ぼしい才能もなく男娼兼俳優として娼館「月光亭」が抱える劇団ルミニエル座で座長を務めている。自分を置き去りにして月光亭を出たリーアンに対して、アーロンは嫉妬や悔しさを抱えていた。イジョルニ人の有名演出家がリーアンに新作を依頼したことをきっかけに、ふたりはレーエンデの隠された英雄テッサについて調べ始めた。
捻くれ者で破天荒なリーアンと鬱屈した感情を抱えるアーロンのお互いへの愛情がひねくれすぎていて切ない。双子というのはやはり、特別な絆で結ばれているのだろうか。どこまでも人として扱われないレーエンデ人の苦しい環境の中で、ただ単にイジョルニ人=悪、レーエンデ人=善とするのではなく、レーエンデ人の中にも善人と悪人がいるのがこの物語らしいところだと思う。前作に引き続き、人種にとらわれることなく人間というものの本性を描いていると思った。
今までの作品は古い中世のような時代感覚だったけれど、鉄道が敷かれたことで一気に近代の様相を帯び、文明も文化も発達していていよいよ歴史物語という感じがした。次はまた100年時間が飛ぶようなので、どれほど世界が進歩しているかも気になるところ。
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前作の『月と太陽』が好き過ぎてそれを超えないだろうと思っていたが、自分はこっちの方がしっくりきてしまった…。
前作が『動』ならこちらは『静』
終わり方がどうあれ前作はまだ希望があった。でもこちらは諦念がベースにあり、それでもやっぱりその中に微かな希望を求める、より身近に感じてしまった。
だからこそ共感できた。テーマは壮大だけど、身近な人の大切さ、凡庸である事の幸福を教えられた気がします。
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更に面白くなって行く。
前作「月と太陽」があってこその作品。あの分厚い本の英雄譚がよみがえる。続けて読んだ方が理解が追い付く気もしました。
ここまで読んできて良かったと思える作品!
読み出したら止まりません。
「レーエンデに自由を!」
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「革命の話をしよう」で始まる大河ファンタジー第三部。
自由を求める戦いの軌跡を描いた前作をこのような形で展開させるとは想像もつかなかったが、本作は第二部最終盤の展開にどこか納得いかないものを覚えた読者への回答と言えるのではないか。
懸命に生きても、物事を成就させられるとは限らない。しかし、やるべきことをやったならば、その魂は受け継がれていく。
少なくとも私にとっては素晴らしい回答だった。
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一見、口調や態度から傍若無人のように思えるリーアンだけど彼は兄弟愛、仲間愛の強い人物だったんだなぁ
リーアンが月光亭を出ていったのは愛する人と双子の兄弟が幸せになって欲しいから。
暴力が嫌いなはずのリーアンがミケーレを殺したのは脚本を乗っ取られた事に憤っているのではなく双子の兄弟と月光亭の仲間を守るため。
リーアンはアーロウに生きてほしいと思い代わりに捕まった。
アーロウはリーアンの死を無駄にしないために彼の名を名乗り、レーエンデ人のために舞台にあがった。
テッサの懐かしい歌がきけてよかった。
スペシャルストーリーで過去の主人公達と再会できて嬉しい。
レーエンデが自由だった頃のトリスタンとユリアの話は特に大好き。
出来たら昨日(いい双子の日)のうちに読み終わりたかったなぁ。…読み始めたのは昨日だからよしとしよう。
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文明も一歩進み、1巻2巻とは時代背景もガラッと変わり、それに伴い登場人物たちの情緒も(剣や弓を使って戦っていた頃よりは)一見して落ち着いているよう。
それでも根本の状況は変わらず、、
むしろ社会制度がはっきりとしてきた分、見えてくるものも明瞭で辛辣なものであったり。。
それでも前作までの流れを汲んで、戦い方を変えて挑んだのがリーアンとアーロウという双子の兄弟。
彼らが武器としたのは"ペン"。
真逆とも言える性格を持つ2人が憎しみ合いながら、そして愛を知り、時代の荒波を切り拓いていく姿が勇敢で切ない。
読了後、しばらくは放心状態。それでもいくらか心が洗われる感覚でした。次巻がすごく楽しみです。