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フラガナン・ブーン。一年戦争でグラブロを駆り、ガンダムと水中戦を繰り広げたジオン兵。サンダーボルトでも、オマージュした一戦ありましたねアトラスガンダムとグラブロで。
一介のジオン兵である彼が、一年戦争に何を思い何を志して戦ったのか。
彼の思いは、ガルマの仇討ちに塗りつぶされているものでした。
ガンダムといえば、アムロというNTパイロットとのコンビで「白い悪魔」と呼ばれていたのは有名な話ですが、ジオンから見たガンダムがどれだけ悪魔であるかを見事に印象付けている作品だと思います。ガルマ死亡後、イセリナが仇討ちに出た場面が、もう怖い怖い。ビームジャベリンでガウを切り刻むシーンですが、圧倒的な強さに震えます。モノアイでないのが云々、という台詞があります。デュアルアイゆえに人間に近しく見え、一方でMSなので感情が見えない、というのも恐怖を増すのでしょうね。
物語は、シャアの暗躍でガルマ戦死後、復讐に取り憑かれたブーンがマッドアングラー隊に配属。その訓練中に連邦軍捕虜の反乱にあう、みたいなところで2巻へ続きます。
シャアのザビ家への復讐によって戦士したガルマ。ガルマの復讐に取り憑かれたブーン。捕虜となって虐待を受けた復讐する連邦士官。
復讐の連鎖の物語になっています。連座でもあるような気がする。ブーンの結末は知っているだけに、救いはなさそう。
マッドアングラー隊ということは、カイとミハルのシーンもあるのか。
暗い物語になりそうです。メカニックの女性ジオン兵、ウゾール・フラッカが語り部になるのだろうか。
一年戦争のシャアは復讐という私情のために、何もかも使い捨てにする覚悟なので、不穏さしかないんだよなぁ。忠誠心が復讐に燃料を投下し続けているブーン。
ガルマの眩しさが、故人となって大量の思い出補正がかかってしまっているのが、暗さを際立たせているのです。お坊ちゃんだからこその、理想論者だったりするのだけど、それが魅力なんだろうねガルマの。