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天皇の封じ込め方が面白いですね。
久能山から日光に家康の遺体を移し、中心に富士を結ぶ。不死の山から、太陽神に置き換わる。東照大権現という名前で、こっそり天照をもじり、神格化させる戦略。時間をかけてゆっくりと天皇から神の座を奪うとは。こわいね
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なぜ江戸幕府が崩壊したのか。
これまでの流説を覆して、磯田さんの視点で解説されていて楽しめる内容だ。
倒幕した理由は幕末にスポットが当たるけど、それよりもっと前から崩れるきっかけがあるんだよ、と教えてくれてます。
物事を多角的に見るのは大事なことですね。
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徳川時代、自らの政権を長く保つ方法を学ぶ。一方で、一つの政権が長くなることで、国としての発展は難しいと思わされた。自らの政権を長引かせたいと思ってしまうが、そのため害されるものがある。このバランスをどう取る、と考えるのが必要。
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さすが磯田さん。わかりやすく読みやすい。家康が築き上げた江戸幕府は内部変革や社会変化により崩れやすくなってしまったのがよくわかりました。我々が学ぶべきことも多いと感じました。また、現代社会の中に残る世襲などの感覚がこの頃から続いていたとは。関ケ原合戦直前における島津家の対応を誤らなければ、薩摩による倒幕はなかったかも?
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やっぱり面白い磯田先生の本
参考図書が文中にびっしり
組み込まれており
読み込んで読み込んでの
データー出力文書で
素人でも分かりやすく
イメージしやすくなってるのが
流石だなぁと思う
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複雑な思いで読み進めた。でも最後にハッとさせられた。こんな体験をした本はなかなかない。
冒頭から個々のエピソードの発見や分析の仕方はいつもの磯田さんの本らしくて面白いなあと思う。一方で、個人的には「当初は徳川幕府が永続する制度、思想の枠組みができて効果があったがそれが脇道に逸れたことを『誤算』と言われても、我々の後世の世代にはどうなのだろう?」という疑問を抱きなら読んでいく。だが、最終章の磯田さんの思いを読み、自分の浅はかさを恥じた。実は彼が取り上げている事象一つひとつが我々の世代へのメッセージなのだ。先入観を持ってしまい、ごめんなさい。
詳細は書かないが、以下は磯田さんの根っこにある問題意識としてとても印象的。単純な歴史書以上に得るものが大きかった。
・磯田さんが西郷隆盛と福沢諭吉を評価し、大久保利通を評価しない理由
・最後に出てくるアインシュタインが語った人間の価値
・日本人の特性、美意識
日本のいまの政治家も考えてほしい。
天皇や公家、各大名との付き合い方、百姓ら庶民の処し方などは現代の組織論、経営論の参考にもなりそう。さらに誤算を招いた、帯で書いている「真犯人」とは後継者でもあり、側近でもあり、潜在敵でもあり、幕府が開かれた当初は全く予期しなかった層でもあり、その基底としては時代・国際環境でもある。その一方で家康のDNAはいまの日本人にも深く沁み込んでいるのだとも感られる。いろんな感想が浮かんでくる一冊。
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いつもながら磯田氏の上梓作は読みやすいのに内容が深い。原資料にあたっているので説得力もある。今回は四章までは目新しさはそこまでないが、五章の『家康から考える「日本人というもの」』は面白い考察だった。
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歴史学者として活躍する著者が、江戸幕府で作り上げた平和の仕組みがどのように崩壊していったかを紹介した一冊。
前著「徳川家康 弱者の戦略」の続編として位置付けられているものです。
戦国時代を終わらせ、平和な時代を築くために徳川家康公は様々な仕組みを作りました。それが時代の変化に対応できず、どのように崩壊していったかが非常に分かりやすく描かれています。一方で、この平和の時代が長く続いたことで、近代になってからも、国民に影響を与えたことも多くあります。
これらを学ぶことで、多くのことを今後に活かすことができます。これこそが歴史を学ぶ醍醐味であると改めて認識することができました。
▼歴史と我々が地続きなのを認識するのは、大切なことです。徳川家康の生涯は、令和の日本に参考となるものを多く含んでいます。
▼家康の徳川政権は長い平和をもたらしました。しかし、時代が下ると、家康が想定しなかった問題も出てきます。家康がよかれと思って作った制度が、時代の変化で、かえって幕府を苦しめることにもなりました。これが「家康の誤算」です。
▼「陸軍奉行並」や「海軍奉行並」は、奉行ではないが、同等の実権を持つ者です。本当は指揮官ではないが、指揮官ということにする。これは日本人が得意とする、「見立て」を活用したアイデアといえますが、優秀な人材を抜擢できるようにするための、いわば「抜け道」です。
▼人物を見るときには、「環境(出身や家格)の影響でその地位にいるのか、本人の力でその地位にいるのか」を考えるのは、歴史を見るときのポイントの一つです。
▼徳川家康がつくった「仕組み」は日本の庶民の心のうちにまで影響しています。実際のところ、人間の歴史は脳内にある、「信じ込んでいるもの」「信じ込まされているもの」で動いていきます。ですから思想や宗教の分析が、歴史の真相に迫るには大事になるのです。法律や制度・契約も人間の「造り事」「約束事」ですから、実は思想や宗教倫理に近いものです。
▼徳川時代の安定の背景には、庶民までが家・家族を持てた点があった気がしてなりません。親や主君から、つまり、上から身分という役割と序列が与えられ、その「身」の「分」を守っている限り、人並みの生活も、老後の安定も与えられたのです。
▼徳川政権は戦国を勝ち抜いた結果できた軍事政権です。男性優位の理屈で社会観念が出来上がりやすく、近代になっても、この国にその観念が持ち越されてしまった面があります。
▼明治以降も、政治家や官僚は「国のため」とよく言いました。しかし、近代の役人や政治家は、徳川時代の武士ほど、君主(天皇)や国家に対して純ではありません。この点は、歴史を見るうえで理解しておくべきです。立身したい。昇進したい。勲章がほしい。あわよくば爵位をもらって華族に列したい。そんな「身を立て、家を興す」ための損得勘定が「立身出世」の時代となった近代の軍人・官僚・政治家には、強く見られます。昭和の戦争で日本は負け、焼け野原になってしまいました。政治家・軍人・官僚・教育者のよくない面が、いちばん露出してしまった時代です。
<目次>
第1章 家康はなぜ、幕藩体制を創ることができたのか
第2章 江戸時代、誰が「神君の仕組み」を崩したのか
第3章 幕末、「神君の仕組み」はかくして崩壊した
第4章 「神君の仕組み」を破壊した人々が創った近代日本とは
第5章 家康から考える「日本人というもの」
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徳川の世がなぜ滅んだかがよくわかる名著。筆者の言う自分が大事とする軸をもつこと、歴史を考える上で「未来の子どもたちの幸せ」に価値を置く観点が大切という考え方に大変共感できる。家康が作った良い方の遺産、正直さや勤勉さ、礼儀正しさ、好奇心の強さ、学びへの熱意、遊ぶ才能など江戸人の持っていた美徳を失わないほうが未来にとって大切である。
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幕末マニアなら知っていることばかりだったが、江戸幕府崩壊までの流れが簡潔に整理されているので読みやすい。個人的には、東照宮や伊勢神宮の話が興味深かった。
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家康、興味深い人物です。
あんまり好きじゃないけれど。
お勉強大好きで、歴史からもしっかり学んで、なおかつ信長や秀吉のこともしっかり観察してて…。
面白みのない優等生?
なおかつ、今の日本人の考え方は江戸時代にけっこう構築されているんですよね。
と、悪口ばかりですが、悪口言えるほどしっかり家康さんのことを私は観ています!
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良い。
知らなかった幕末の事、江戸時代の事がわかった。
家康の築いた事を続けていたら、もっと徳川幕府は続いていただろう。日本にとって良いこととは限らないが。
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目次
●第一章 家康はなぜ、幕藩体制を創ることができたのか
●第二章 江戸時代、誰が「神君の仕組み」を崩したのか
●第三章 幕末、「神君の仕組み」はかくして崩壊した
●第四章 「神君の仕組み」を破壊した人々が創った近代日本とは
●第五章 家康から考える「日本人というもの」
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家康について5章から検証している。まず幕藩体制を作ったのから始まり、家康が作った仕組を後世が崩して行った経由、近代日本への転換、と興味深かった。特に慶喜から明治に至る場面、初めて知った事が多く勉強になった。