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うん、悪くはないですね。
自分としては、歴代の受賞作の中でも上の方に入る出来です。
まぁ、ミステリ色は薄めですが、かなり読ませる力がありますね。
あと、巻末の「このミス大賞」の応募作品の原題、やたらめったら凝り過ぎな気がします。
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古代エジプトという一見入りにくそうなテーマを扱っている割には読みやすい1冊だった。
特有の設定など、他の作品には無い魅力も多い。独創性を求めている人にはとてもおすすめ。
ただ、導入部が少し微妙な感じがしたのと、壮大な物語にしては謎解きがあっさりしすぎているような気もする。
それを踏まえても全体を通してみれば満足感のある1冊であることには間違いない。
あと内容には関係ないが装丁が個人的に好みだった。
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古代エジプトを舞台にした本格ミステリー。事件の被害者(ミイラ)が主人公であるのと、古代エジプトの時代背景による神への信仰やそれによって企てられた陰謀を親友と異国の奴隷の少女と共に立ち向かう、というストーリーが面白かった。特にエジプトの民俗学みたいなのも掘り下げられていて興味深かった。主人公と親友、それに奴隷の少女の皆に救いがあるのも良かった。
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なんだろう。あまりにも日常からかけ離れた設定の中で読み進むも、結局LGBT系かよと思ってしまう読後感。それなりに面白いことは面白かった。
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王墓の崩落事故で死んだセティは、心臓の一部が欠けていたためアマトによる死者の審判で、3日間の猶予で霊界から現世に戻り自分の心臓の一部を探す。
時間を限定した書出に、次へのドラマ展開に期待を持たせてくれた。
現在のファラオの暴挙、奴隷少女のカリ、ミイラ職人、神官などがセティの3日間に絡んでくる。
最後の最後に驚かされる展開も面白かった。
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2024年・第22回『このミステリーすごい!』大賞受賞作
白川尚史『ファラオの密室』
ミイラとなった主人公セティが期限3日で、自分が死んだ理由とピラミッドから消失した先王アクエンアテンの謎を追う。
読みやすく、筋も良かった、古代エジプトの事をとても分かりやすく説明してもらった様な気持ちになりました。
文末に掲載されている多数の参考文献、史料を見て、作者自身とても勉強されたのだと思い、それを元にこの作品があるのだと。頭の下がる思いです。
ミイラとなった主人公セティが、エジプトの街中で、関係者に事情聴取をして回るのに疑問を持たずに見守る事が出来れば、又 何処にでも顔の効く職業であった事が設定として成立しているのであれば、帯文の通り、友情と浪漫に満ちた空前絶後の本格ミステリーを楽しく読めると思います。
本書を読んでいて、古代エジプトの神様も我が国日本と同じく、数多の神々を信仰している文化があったのだと、改めて思い知らされました。
神とは、色々な顔を持ち、同じとき、同じ場所に複数の異なる姿を表すことが自然ってフレーズを読み、日本を感じられました。
物語には、重要な、キーパーソンとして、タレクというミイラ職人とカリという攫われて奴隷にされた少女が登場します。
タレクは、友人として・・・の感情だけ?
カリは、異文化の他国の民という視点から、冷静にセティの推理を導き出していきます。このカリという少女。
物語の前半と後半では、キャラが変わったのでは?と思える大活躍をします。
古代エジプトに興味をもてない方々もぜひ読んでほしいとは、ライター瀧井朝世の帯文ですが、同感です。
最後に、受賞時の題名は、
『ミイラの仮面(マスク)と欠けのある心臓(イブ)』との事です。
ミステリー好きの方々に読んでほしい作品です。
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アテンが悪になる過程や、カリが饒舌になる過程に不自然な感じがする。唐突に物語りが進む場面を除けば、面白いと思う。いくつもの伏線を回収してのラストは…まあ、エジプト史が好きだから、おまけ。
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Amazonの紹介より
紀元前1300年代後半、古代エジプト。
死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。
欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。ミイラのセティは、自分が死んだ事件の捜査を進めるなかで、やがてもうひとつの大きな謎に直面する。
棺に収められた先王のミイラが、密室状態であるピラミッドの玄室から消失し、外の大神殿で発見されたというのだ。
この出来事は、唯一神アテン以外の信仰を禁じた先王が葬儀を否定したことを物語るのか?
タイムリミットが刻々と迫るなか、セティはエジプトを救うため、ミイラ消失事件の真相に挑む!
浪漫に満ちた、空前絶後の本格ミステリー。
第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作
冒頭からの設定に面白さとして、心を掴まされました。
最初に登場人物一覧を見る限り、みんなカタカナだったので、少々不安でしたが、(海外小説が個人的に苦手なので)そんなに複雑さはなく、苦手な私でも、すんなりと普通に楽しめました。
ミイラが主人公、はたまた探偵役として展開していくことに、もう斬新な発想だったので、ワクワク感がありました。3日間の間に心臓のかけらを取り戻すだけでなく、誰が自分を殺したのかといった推理も楽しめたり、古代エジプトで起きた出来事も絡めたりと、色んな物語を楽しむことができました。主人公のアドベンチャー物語を読んでいるようで、ワクワクドキドキ感がありました。
古代のエジプトが舞台ということで、今のような物を使って犯行に及ぶことができません。限られた条件の中で、どのように殺人を犯すのか?はたまた他にも不思議な出来事も登場するのですが、上手くエジプトならではの要素を使っているので、よく練られているなと思いました。
ただ、限られた条件だった分、この犯行って上手くいく?といったモヤモヤ感が残ったのが、ちょっと残念感はありました。
主人公の冒険物語だけでなく、もう一つ奴隷の少女も同時に進行していきます。
一見、単独なのかなと思ったのですが、後半になるにつれ、徐々に主人公の物語と繋がっていくので、こう繋がるんだといった驚きがありました。
ミイラが生き返るといった奇想天外な部分があったり、その他にも主人公の秘密もあったりと色んな謎解きが散りばめられていて、面白かったです。
そうして色んな物語を絡めての結末に良い読後感を味わいました。
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普段まったく読まないタイプの物語の設定に、入り込むのに時間がかかった。着地点には全く気づけずにびっくり。そういうのに、あまり気づけないから注意して読んでるはずなのに、いつも、えー!てなる。でも、それはそれで幸せなのかも。
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古代エジプトが舞台の物語でロマンを感じる作品でした。冥界や神など現実離れしており、一見ミステリーと相性が悪いかなと思いましたが、非常に上手く纏まっていると感じました!ミステリーの要であるトリックにはやや疑問が残ったものの、読み終わったあとの後味はすっきりしていてよかったです!
私自身ミステリー初心者ですが、とても面白くすぐに読破出来てしまいました!おすすめです!
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舞台は今から3000年以上前の古代エジプトである。神官セティは気が付くと冥界にいた。心臓の一部がないセティは最後の審判が受けられなかったが、神々の慈悲で3日という期限付きではあるが、心臓を探すため、現世への復活を果たす。ミイラの体で。
セティ自身の死とアクエンアテンのミイラ消失の真相を追いつつ、死が近づく中で親友や父に対しての自分の気持ちに整理を付けていく。そして自分の死の真相を知っていく。
古代エジプトの価値観を忠実に再現している為、死んだセティがミイラとなって歩き回っていても驚きつつも、当たり前かのように皆受け入れ、普通の人と接するように会話を繰り広げる。途中出てくる国外出身の奴隷の少女カリのみは「そんなバカな」といった具合に現代人の気持ちを代弁してくれるが、やはり古代が舞台ということもあり、割と受け入れる体制はできているのである。
神々が実際に出てきたり、復活したりと、非現実的な要素も多くあるが、古代エジプト史を割と忠実に反映しているようで、改名前のかの有名なファラオが登場したり、実際にあったとされる宗教改革の顛末を物語にしている為、古代エジプト史をよく知る人は数倍楽しめるのではないだろうか。
個人的にはミステリを楽しむ以上に古代エジプト史がミステリとなっている事で別のワクワクがあった。ミステリ以上に古代エジプト史や斬新な設定、ファンタジーが好きな人にオススメです!
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エジプトの話なんて興味ないけどな〜と思いつつ、見た目に惹かれたのが読み始めたきっかけでしたが、びっくりするほど良かったです。
私のようにあんまり興味がなさそう、で手に取らない人も多いと思うので、もったいないなと思います。
ただやはり、馴染みのない言葉や習慣が出てきますので、序盤は少し気が散ってしまって没頭できなかった気がします。
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特別詳しく掘り下げるわけでもないのに、古代エジプトやピラミッドにワクワクする気持ちはずっと心のどこかにある。そして、そんな古代エジプトを舞台としたミステリー小説となればやはりワクワクする。結果、個人的に大いに楽しめた。ただ正直、ミステリーとして楽しんだというより、第3章以降に描かれる混乱と狂騒を勝手に脳内で世界を膨らませて、歴史と神話を踏まえた冒険譚のように入り込んでいた。それこそ、生と死を超えた人と神による世界の終末を描く物語のように。なので、レビューは他の方のものを参考にしてもらったほうが良いと思います。物語は終盤にかけて、探偵役が謎解きをしていくので安心して(?)ください。
以下はその妄想の一部を残しておこうと思うので、ここでどうぞ閉じてください。物語の内容を踏まえていますので、未読の方も別の方のレビューを読んでください。
魂となって永遠に冥界で生きる死生観を持つエジプトの民と現世でのファラオの絶対的権力。神への信仰心すらファラオの統治により制約される。現世を統治する王(ファラオ)、冥界を統治する神。行き過ぎた支配は世界を分断し、その消滅を招きかねない。全ての魂が安寧を得ることができなくなった現世と冥界では何が起きるのか?人の世を統べるのは王か神か?……なんて、脳内妄想をしつつ読んでしまうとどんどんエスカレートして別の物語になっていきそうです。ちゃんと後半は無事に引き戻されて読み終えました。しかし、途中カリの環境には目を背けたくなるほど辛かったが、救いがあって良かった。
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・壮大なエジプトを舞台に不可思議な謎が発生していく。
宗教による神秘的な世界だからこそ起きる特殊設定ミステリーは自然に受け入れられることが出来て面白く読めた。
著者の描写力に導かれるようにして世界観に没入することが出来た。
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読みやすいファンタジー。
ミステリーとして読むには、少し物足りないかも。
世界観は好みが分かれると思われる。