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うる星やつらのラムがタイガースのユニフォームを着て飛び跳ねて応援しているイラストが、表紙だけでなく、中に1ページ大でカラー掲載されているのがうれしい。
でもほかの読切漫画の出来が、正直に言うとイマイチ。ネタかぶりが多いし。佐藤輝明が漫画家のアンテナに引っ掛かりやすいのはわかるけれど、複数の作家がテルのことを漫画にする前に、編集側で調整できなかったのかな。にわかじゃなくてタイガースのことをずっと見続けていたのなら、ほかの個性的な選手やスタッフをネタに、いくらでも面白い漫画が書けただろうに。(実際サンテレビはタイガースのどの選手を取り上げても番組1本作れる(笑))
あと漫画家が東京近辺に偏っているという事情があるのは仕方がないにしても、いくらそれらの作家たちがタイガースを熱く応援していると言っても、関西人から見るとやっぱりまだまだ熱量が小さく見えるんよ。スーパーボウルで西海岸のチームが優勝したのに、わざわざ東海岸在住の作家を集めて楽屋オチとかを書いたものを誰が読むんやという話と同じ。
それと私には小学生の子どもがいるけれど、子どもでも純粋に楽しめる漫画がないのも大きなマイナスポイント。私の子どもはクラスで培われたのか、タイガースの選手の一人ひとりに関して詳細なデータが頭にインプットされている(勉強はロクにしないのに(笑))。そんな私の子どもにこの本を渡しても「おもんない」と放り投げられるだけだと思う。なぜなら関西ではほぼ日常的に見ることができる現実の選手の一挙手一投足のほうが何倍も「おもろい」から。
したがって、高橋留美子先生のイラストのみで星2つ+ほかの作品を全部合わせても0.3ポイントで四捨五入すると0=全体で星2つ。