紙の本
心身ともに元気な時に読みたい
2024/04/26 10:23
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投稿者:amami - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日常を忘れて、おくつろぎください」と帯に書かれたキャッチフレーズに惹かれて手に取った。
山亭ミアキスに辿り着く(呼ばれる?)悩みを抱えた人たちの連絡短編。
抱える悩みがリアルで読み進めるとズンと気持ちが重たくなる。登場人物たちは日常を忘れて山亭で過ごせるけど、読む方としては日常の闇というか重たいもがチラついてしまい苦しくなってしまった。心身ともに元気な時にもう一度読みたい。
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色んな理由で現実から逃げ出したり目を背ける人が迷い込む「山亭」
各々ちょっと怖い思いをし、なんとか現実と向き合えるようになります。
優しいんだか怖いんだかわかりませんが、ちょっとスッキリするお話です。
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悩める人に優しく寄り添う という話ではないと感じた。
ただ、後ろは向いていない。
2話めはちょっと(かなり)イラッとしたけど。
出てくる料理はどれも美味しそうだった。
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2024年8冊目
古内一絵さん/山亭ミアキス
森の奥、青い湖のそばに佇む「山亭ミアキス」。迷い込むのは、現実から逃げたい気持ちを持つ人々。
一風変わった従業員からの温かいおもてなしに一旦心がほどけるが、実は意外な展開が‥。ファンタジーとミステリーの要素を持つ、読み応えのあるお話。
#読了
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☆3.5
古内一絵さんの作品は「マカン・マラン」シリーズや、「銀色のマーメイド」など心温まる作品が多いイメージだったので、今作を書店で見掛けて購入させて頂きました。
帯にも「日常を忘れて、おくつろぎください」と記載されていたので、心温まる作品かと思っていたのですが…こ、こ、怖かったです( ˊ•̥ ̯ •̥`)
表紙のイラストやタイトルの文字の字体から、何となくミステリアスな作品なのかなぁとは予想はしていたのですが、やはり全然くつろげませんでした…。
猫が好きで、以前から猫が登場する作品は気になってよく読むので、今作でも猫がたくさん登場してくれたのは嬉しかったです❁
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悩み苦しむ者、現実逃避したい者が、たどり着く場所。
個性豊かなホテルの従業員、オーナー。
猫の物語を語るオーナー、その話の中でそれぞれ、自分の悩みに正面から向き合う。
猫の修行の目的が、良かった。
(人間に惹かれる理由も。)
『助けたいのはお前ではない、声なき小さな者だ。』
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古内さんの作品は「マカン・マラン」シリーズを読んで良かったので、この作品を手に取りました。
心に悩みを抱えた人が迷い込んだ先には、森の中にある不思議な宿「山亭ミアキス」。
宿の中では不思議な従業員、絶品の食事はアイルランド料理。
この宿で不思議な体験をした人だけが次の人生への一歩へと導くという物語。
「山亭ミアキス」に到着し、怪しく不思議な雰囲気は
宮沢賢治の「注文の多い料理店」を彷彿されるような緊張とワクワク感がありましたが、「マカン・マラン」の時のような突拍子もないような衝撃度はやや少なかったと思います。
けれどどの主人公の心の悩みも現代を象徴しているような
内容だったので、この5人の中に心を動かされる人が
少なからず存在すると思いながら読んでいました。
帯には「日常を忘れて、おくつろぎください。」
と書かれているので、ゆったりと心を落ち着かせながら
読めるものだと思いましたが、日常は忘れますが、
違った意味で非日常が味わえるかと思いました。
やっぱり猫は一枚も二枚も上手で怖いなと思ってしまいましたが、悩みが少しでも消えるのならばこんな方法でも良いかなとも思えました。
猫の視線で人間観察をして人間に助言をしているという点も斬新だと思い、猫だからこそ厳しい指摘も許せるものだなと思いました。
猫の生態や古くからの物語などのエピソードも
織り交ぜてあったのでそれも興味深く面白かったです。
「助けたいものはお前ではない。声なき小さな者だ。」
という言葉が、古内さんが読者に伝えたかった事だと思うので、
今後はあらゆるものに対して声なき小さな者に
対して耳を傾ける心掛けをしていきたいと思いました。
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面白かったー。お店がベースの連作短編はあまり読んでなかったのだけれど、このお話好き。今いる場所からどん!て突き出される。それをきっかけに、次の一歩や方向を、自分の足で踏み出していく。シビアで冷たくてでも、決して無慈悲ではない猫たちの姿に魅入られる。
なんかいいな。
あたたかさややさしさはあれど、それは決して無償のものではなく、相手によるというか。ある意味とても公平というか。とても好きだな、てなった。
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古内さんの作品はマカンマランシリーズが好きで、今回もそんな感じなのかなと思いながら、読み始めましたが、全然違いました。
ちょっとホラーっぽい怖さもあって、あまり好みの作品ではありませんでした。
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森の中にあるミステリアスな山亭。暖炉の薪は林檎の木。ごはんもデザートもとてもおいしく、ベッドは天蓋つき。美貌のオーナー、白髪でオッドアイの青年シェフ、小太りのフロントスタッフ。これだけ聞いたら間違いなく宿泊したくなる。私は「序」で語られる小さな女の子のことを終始考えながら読み進めた。
目の前の道が突然、悪天候で通れなくなったりして、山亭に導かれる人たち。今、皆が見て見ぬふりをしていることに、関わっている人たちがたどり着く場所。芸能界の闇、無責任な人、女性の生き方、部活動の闇、マタニティハラスメント。それぞれ皆がわかっていることなのに、流されてしまっていることを山亭での出来事が向き合わせてくれる。いい思いをしたら、見返りを求められることが正しいことなのかを考えさせられた。我慢をして通りすぎるのを待つだけでは、何も変わらないことにも。猫は、何気ないふりをして人のことを一番よく見ているのかもしれない、と思ったりもした。
そのなかで、山亭のロビーのからくり時計のモチーフの話は、とても興味深かった。長靴をはいた猫、金華猫、ケット・シーなど、猫好きとしては、とても楽しく読めた場面もあった。
山亭のミステリアスな従業員たちが、何者なのか、どうして修行という行動をとっているのか。それがわかったとき、その思いは大切にしたいと思った。
「すべての苦しみと哀しみから解き放たれて、もう一度新しく生まれ変わる」ことなく、小さな子どもたちが大切に育てられますように。読後、特に思ったことだった。
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始まりから少し怖さ?のようなものを感じたけど、読み進めて最後まで読むと、繋がっていて、連ドラを見ている感じだった。それぞれの悩みがそれぞれで解決していくのは面白い。中で出てくるお料理が美味しそう。