- 販売開始日: 2013/12/27
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-314525-7
魚籃観音記
著者 筒井康隆 (著)
童貞歴一千年孫悟空が、神と畜生の垣根を乗り越えて、観音様と禁断の関係に踏み込むポルノ版西遊記「魚籃観音記」。市街戦が発生するなか、ホームドラマのロケ隊が“日常的描写”にこ...
魚籃観音記
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商品説明
童貞歴一千年孫悟空が、神と畜生の垣根を乗り越えて、観音様と禁断の関係に踏み込むポルノ版西遊記「魚籃観音記」。市街戦が発生するなか、ホームドラマのロケ隊が“日常的描写”にこだわって撮影を続ける倒錯状態を描いた「市街戦」。他に「分裂病による建築の諸相」「谷間の豪族」など全10編を収録。ポルノ、スラップスティック、ホラー、ジャズと筒井ワールド満載の絶品短編集。
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このひと、わたしに乗るのかなあ
2000/12/19 07:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:子房 - この投稿者のレビュー一覧を見る
筒井康隆にしては随分と穏やかで平淡、読みやすい意味も分かりやすい結末も納得しやすい作品ばかりの短篇集。年老いて丸くなったか。
小学生でも愉しめる優良サイトを目指しているので表題作については語りません。現実と虚構の照応を描いた「市街戦」「作中の死」や、動物の擬人化作品「馬」「ジャズ犬たち」などは、筒井のよく使う主題ながらも新しい趣向を築けている。おもしろい。
「ラトラス」も抜群に上手い。このての話を書かせたら彼の右にでるものはいないだろうなあ。「分裂病による建築の諸相」や「建物の横の路地には」は次々と描写される事物の愉快さと珍奇さに感嘆してしまう。
「谷間の豪族」も結末はブラックではなかった。ほんとうにどうしたんだろう。死期が近いから、なんてことじゃなければいいのだが。
2000/11/12朝刊
2000/11/23 00:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
つねに新たな表現に挑みつづける著者の最新短編集。表題作のほか、ドラマのロケ隊が戦闘に巻き込まれていく「市街戦」、野良犬の暮らしぶりを擬人化して描いた「ジャズ犬たち」など十作を収めた。
「魚籃観音記」は観音様と孫悟空の禁断の交情を、俗語を駆使して描き切る。過激なはずの情景描写が、なぜか笑いを誘う。ほかにもドタバタあり、なつかしのショートショートあり。読み手をいつの間にか虚構の世界に誘い込むその技術は、洗練の度を増している。
(C) ブッククレビュー社 2000