ペアドクイベントレポート

パラダイムシフトとは?ピョートルさんと考える「働き方・暮らし方のこれから」

オンライン 2020.12.16

コロナ禍は、テレワークやオンライン飲みなど、私たちの生活様式を大きく変えました。半年以上経ち、変わったままのところ、元に戻ったところなどの濃淡が出てきましたよね。これは、年代・住んでいる場所・職種によっても異なるように思います。「パラダイムシフト」をテーマ本として取り上げ、著者のピョートルさんと、働き方・暮らし方のこれからを考えるイベントを行いました。オンライン上に約30名の参加者が集まりました。

ペアドクとは?

ペアドクとは、30分で読んで30分で感想をシェアするペア読書から発展したイベント/サービスです。ペアドクのイベントは、その場で著者の話を聞くだけでなく、その場で本を読んで参加者と語り著者や編集者に質問できるのが特徴です。準備不要なお手軽さもありつつ、本のメッセージを自分ごとにして明日からの第一歩を踏み出しやすくしています。

イベントの流れ

当日は、「3章 働くの意味を問い直す」「5章 暮らし方・つながり方が変わる」に焦点を絞り、読んでもらいました。そして、最近あなたが実感する「働き方・暮らし方の変化」についてチャットでアウトプット、対話をしてもらいました。

参加方法は、参加者同士の対話を行い質疑応答は視聴する「対話枠」と、アウトプットは主にテキストで質疑応答は視聴する「視聴枠」。そして、今回は、朝渋とのコラボイベントだったので、「朝渋セミナーへの参加+対話枠を用意しました。本レポートでは、著者ライブメッセージと質疑応答の部分の様子を抜粋してお伝えします。

本日のテーマ本 パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう
19:30
ガイダンス
19:40
本を読もう&アウトプットしよう
20:10
グループで話そう(視聴枠は視聴のみ)
20:40
ピョートルさんからのライブメッセージ
20:50
ピョートルさんとの質疑応答
21:10
クロージング&イベント終了

ピョートルさん登場!ライブメッセージ

本質的に僕が伝えたいことを伝えたいと思って、この本を書きました。でもまだ満足度は20%くらいです。更に言いたいことを深ぼっていくと、宗教を作ってしまうかもしれません(笑)

この世の中で、確かなことは一つだけです。
それは、みんな死ぬということです。

それ以外は、すべて嘘かもしれません。
このコップにある水。
これを水だと信じてますか?
ウォッカかもしれませんよ(笑)

資本主義は、欲望を満たせるという良いところもあるけど影もあります。

例えば、リモートワークをしていると健康管理のためにはジョギングしたりしますよね。自分にとっては良いことですが、世界にとっては良いことかどうかは分かりません。ジョギングウェアはポリエステルでできてます。分解されるまでにどれだけの時間が掛かるか分かりません。

東京に人が一極集中しています。
レストランがそんなに必要?って思いますし、ゴミも増えてしまいます。
自分にとっては良いことでも、子供や子孫にとって良いことと言い切れるでしょうか。

もっというと、地球から見て生命に意味があるのか?と思います。
地球は、そんなに優しくはありません。
気候も変わるし、震災もある。
生きているだけで奇蹟であるということを認識し、生き続けるための環境は作るべきではないでしょうか。それをこの本で伝えたかったのです。

答えはありません。
皆さんに問いを問いかけたい。
そのために本を書きました。

ピョートルさんとの質疑応答!

参加者の皆さんには、本を読みながら、実はコロナの前から始まってたけどコロナで顕在化したなと感じる「働き方・暮らし方の変化」は?というテーマを考えてもらいつつ、そのうえで出てきた質問をピョートルさんにぶつけてみました!

変わることを好まない上の世代を巻き込むには?

質問者:パラダイムシフトには、個人のパラダイムシフトと組織のパラダイムシフトがあると思います。組織のパラダイムシフトを行う上で、変わることを好まない組織の上の世代を巻き込むにはどうしたらよいか?

ピョートル氏:このネタだけで2冊くらい本が書けそうです(笑)この話は何千年も昔からされてきました。バビロンの時代にも若者はダメだ!とか変わらない年寄りがおかしい等の言い争いがあったそうです。昭和の世代は、長いこと勤め上げ、いまのインフラを作り上げた自負がある。それを若者に否定されたら、怒りしか感じないのは当たり前じゃないでしょうか。それに、10年後、20年後には、皆さんは令和の年寄り扱いされるはずです。そのときも、同じように下の世代と衝突しますか?

まず、理解しようとしてみましょう。仲良くなれば手伝ってくれます。もしかしたら、予算も人事権も持っているかもしれません。事実として、どの世代でもおきていることなわけなので、上の世代の気持ちを否定せず、共感できるようにしましょう。ぶつかる、否定するだと何も起きませんよ。

アウフヘーベンとは?

質問者:アウフヘーベンの実例を教えていただきたいです。

ピョートル氏:例えば、大学生が両親と揉めるシチュエーションを想定してみましょうか。息子さん・娘さんからみたら自由や承認が欲しいのだと思います。両親からみたら、生意気だ!と思っています。毎日12時間働いて、自分の夢を捨ててまであなたのために学費を払ってるのにと。

お互いに否定しちゃうと何処にも行けません。
まず、ご飯を食べに行きましょう。
キツい話をやめましょう。
一緒に楽しむ体験を作り、それを思い出にしましょう。

そのようなことをやらないと、必ず後悔します。
なぜなら親は先に死ぬからです。
私自身も、親に「ありがとう、ごめん」を言えなかった。
とても後悔しています。

今のこの瞬間で望ましくない経験があったときに、それが長期的にどういう意味を持つのかを考えてみましょう。「おまえはおかしい!」と論破するよりも、長期的に信頼関係を作ったほうが人生のクオリティを高めます。お互いの長期的関係を考える、それは、自分の正しさや価値観をある程度諦めるということです。これがアウフヘーベンです。

自信を持つためにどうしたらよいか?

質問者:自信を持つために意識していることはありますか?

ピョートル氏:先ほども言いましたが、皆さんは死にます。そしていつ死ぬか分かりません。だからこそ、好きな人に好きと言えないと損します。また、これが欲しいと思ったら手に取らないと損をします。

自分の思ったままに行動したり伝えたりしたほうが、損しません。
自分がやりたいことに集中してそのほかを忘れることが大事です。

ただ、同時に、それは全部嘘だと思うことも必要なのです。自分は神様だと思うのと、自分はクズだと思うのを両立させるのです。これが自信です。

この場の皆さんの中には、今後、1回も会わない人もいると思います。 だからこそ、ここで言い残さないようにしようと思って、今日やれることをやることが大事です。

動けない中小企業にアドバイスするとしたら?

質問者:コロナ禍においてもテレワークを取り入れられない中小企業では人が離れていってると聞きます。まさに動けない日本企業だと思うのですが、彼らはこれからどうするべきだと思いますか。

ピョートル氏:ちょっとメタ認知のコメントをしていいですか。「〇〇が悪い、どうしたらよいか」という質問は、自分が結果責任を負う立場になってないときに出ます。今日・明日できる一歩は何か、やってみてどうだったか、施策が悪かったらどう変えればよいかなど、前向きに失敗すればよいと思います。質問に戻ると、中小企業の経営層はなぜリモートワークを許さないのでしょう?コントロールできないから怖いんです。お互いに信頼できていない。1on1をする時間を取るなどの仕組みで解決するかもしれないし、あるいは費用削減の観点で説得しても良い。オフィスを小さくするとか、交通費を減らすなど。何をどう説明すれば経営層が納得するかを考えるべきです。ほとんどの経営者は、従業員の施策にダメと言いたいわけじゃない。経営者は最低のコストで最大の価値を生み出す仕事なので、理解できない提案を通せないというだけです。

見識の広さは何処から来るか?

質問者:ピョートルさんの見識の広さはどこから来ているのですか?

ピョートル氏:一つは好奇心ですね。私は、小さな村で生まれました。常に、この村から脱出したいと思っていました。どうやって脱出できるか?そればかり考えていました。なので、周りの世界への好奇心が強かったのです。もう一つは、大自然で育ったことが大きいです。8歳の子供のころから、500㎏もする大きな牛を引き連れていました。どうやるかというと、牛と信頼関係を結ぶことです。原体験で本質的なものに触れていたように思います。あとは、両親ですかね。言葉を使って世界を説明する力に長けた両親でした。自然と、子供は学んでいくものです。大自然で生きながら、常に本を読んでいました。

イベント満足度は100%!

参加者のアンケートでの満足度は100%でした!一部の感想を抜粋してご紹介しますね。

自分ではたぶん選ばなかった本だけど、読んでみたらとても興味のある話題が書いてあって、読む機会を持てて良かった!

とても楽しかったし、ピョートルさんの価値観がより腹落ちして聞けました。ありがとうございました!

とても楽しい会です。いろいろな分野の書籍を取り上げてほしいです!

同じ本について読んですぐ別の価値観に触れられるのは、自分にとって、とても刺激になり身になりました!ありがとうございました。

この本とイベントを通じて、コロナとは、自分の「バイアス」に気づくきっかけだったのだと思いました。「そもそもオフィスになんでいかないといけないんだっけ?」「そもそもミーティングって1時間だっけ?」「送り迎えって奥さんがやるものだっけ?」など、いままでなんとなくやっていたことに疑問を抱き、考え直した方も多いのではないでしょうか。ピョートルさんも仰っているインテンションワーカーに通じると思いますが、バイアスに気づけた後に意図的にバイアスを選ぶ意識が大事だろうと思います。

実は、このペアドクも同じものを目指しています。30分で本を読むので、「自分にとって大事なところは何処だっけ?」という自分のバイアスを意識します。著者に迎合する暇がないんですね。第二段階として、他者へのシェア。自分のバイアス・視点が他者からみたら意外に思われたり、共感されたり様々な反応を受けます。これにより、自分のバイアスを意図的に選んでいる実感が持てます。

今回は、「働き方・生き方のこれから」がテーマでしたが、ことば・人間関係など多彩なテーマを取り扱ったイベントを月1回程度、開催しています。是非ご参加ください!

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