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発売前にあらかじめ原稿を読ませていただいた上で『メタバース進化論』著者のバーチャル美少女ねむさんにお話をききました。
──ねむさん、よろしくおねがいします。『メタバース進化論』はどんな本なのか教えてください。
【バーチャル美少女ねむ】
よろしくお願いします。この本は、メタバースに興味を持った幅広い読者の方を対象に、現在のメタバースの真の姿、そしてその革命性をわかりやすく伝える「メタバース解説書の決定版」を目指して執筆しました。
メタバースの原住民である私の実地調査と、1200人の原住民を調査したアンケート結果を基に、かつてないメタバースの「リアル」をお届けします。
──ねむさんとしては、本書のどこに注目して欲しいですか?
ブーム以来、投資目線でメタバースが注目されて、様々な思惑や情報が飛び交っています。しかし、実際にそこで人生を送っている私たち「メタバース原住民」からすると、それらの情報は実態とあまりにもかけ離れています。
本書の前半1~3章では、メタバースとはなんなのか? 馴染みのない方にもわかりやすいように、その真の姿を説明します。後半は、メタバースのもたらす革命性を順を追って解説します。
メタバースを体験したことのない方に特に注目してほしいのは4章「アイデンティティのコスプレ」です。
メタバースで、現実とは違う「なりたい自分になれる」とは一体どんなことなのか? どんな革命を我々人類にもたらすのか? 読者の方が自分自身をどうデザインして生きていきたいか、考えるきっかけになればと思います。
──世間では、メタバースにVRゴーグルが必須なのかどうかについて、まだ定義が揺れているように感じます(「アクセス性」の話との矛盾など)。ねむさんはどう思いますか?
世間的にそこは大きく揺れていますね。
本書の定義では手段のひとつとして「VRによる没入手段が用意されていること」を不可欠な要素としています。
スマホやPCなど必要に応じていろんな手段でメタバースに入ることができるにせよ、親密なコミュニケーションをしたり、じっくりメタバースを楽しみたいような局面ではVRでメタバースに入って没入体験ができる、ということです。
そうでなければ、人生を代替できるような充実感のある体験になりえないと私は考えています。
——ちょっと確認しておきたい点があるんですが…。今メタバースに住んでいる人たちはこの物理世界はもはやどうでもよくて、メタバースに行ったっきりでもよい、という感覚なのでしょうか?
それについては、必ずしもそうではないと思います。私自身の感覚としては、メタバースでの人生が充実することで、物理現実の人生も豊かになっていきます。
例えば、物理現実では出来ないこと、やってみたいことに、メタバースなら挑戦できるという事はあると思います。
私の場合は「美少女アイドルとして活動する」がそれにあたります。また、物理現実とは一線をおい���世界だからこそ、自由に色んなことを周りの友人に相談できたりする側面もあります。
物理現実とメタバースをいったりきたりすることで、色んな「自分」を切り替えることができます。そのことにより、物理現実も含めて人生がより立体的になり、充実したものになっていくのではないかと私は考えています。
——メタバースで生活するという感覚に乗っかれる人は今後どれくらい出てくるのでしょう?
現在メタバースで生活している人は、特定の目的(技術やコミュニティへの興味など)があったり、特別な事情(心身の性別の不一致とか)があったりという場合がほとんどです。
そうではない普通の人が使い始めるポイントは、メタバース内で本格的な経済が回り始めた瞬間になると思います。
本書で解説したとおり、現在のメタバースの経済性は試行段階で、それにはもう数年~十数年の時を要するでしょう。しかし、ひとたびそのポイントをすぎれば、一般の人にもメタバースに入る強い動機が生まれます。現在誰もがスマートフォンを持っているように、誰でも当たり前に人生の一部をメタバースで送るようになるでしょう。
——となると将来は、現実世界を意識せずに生活していくことが可能になったりするのでしょうか。
現在の技術はVRゴーグルでメタバースに入るのが精一杯なので、当分は難しいでしょう。しかし、BMI(脳・コンピューター間インターフェース)が将来的に実用化されると、究極的には全感覚でメタバースに没入し、物理現実を全く意識しないでそこで生きていくことができるようになります。
ただし、技術的な壁は大きく、私たちが生きている間には民生レベルで実用化されることはないでしょう。その辺りも本書で詳しく解説しています。
——メタバースが理想を実現する世界なのだとしたらそこで生活している人たちから見ると、現実世界はどういう風に見えるのでしょうか?
メタバースに一度慣れてしまうと、移動の不便や姿の不自由さなどの理不尽が多く、物理現実はとても不自由なものに感じられます。ただし、やはり現時点ではVRゴーグルを通したものなので、メタバースに365時間24時間没入するのは不可能ですし、ご飯の美味しさや触覚の臨場感は物理現実の方が上回っています。双方を簡単に行ったり来たりできるのがメタバースのいいところだと思うので、両方のメリットを使い分けていくのが今後の人類のスタイルになっていくのかな、と私は考えています。
——メタバースが何を達成したら人類の進化といえるんでしょう?
本書で紹介したような「メタバース原住民」の生活・文化・可能性を見る限り、もはやそれは現生人類のスタイルからは大きく逸脱しています。私は、すでに進化は始まっていると考えています。生まれたままの肉体から解放された、「アバター」という新しい身体。それで生活する人類はもはや新たな人類である、と言えるのではないでしょうか。
——ソーシャルVR国勢調査によれば、メタバースで恋に落ちたことのある人の割合は40%とのことです。そして30%はVR内で恋人ができたことがある。一方、物理世界でのマクロミルの調査によると、いわゆるマッチングアプリでの成功率は約40%(※)。単純な比較はできないと思いますが、それにしてもなかなかすごい数字だと思います。メタバースには恋に落ちやすい要素があるのでしょうか。(※=マクロミル2018年5月15日発表データより)
物理現実だと、年齢・性別・立場の壁があって、だれとでもすぐに仲良くなるのは難しいのではないでしょうか。メタバースではそういった壁が取り払われて、心の距離が近づきやすくなることはデータにもはっきりと現れています。
特に、恋に関しては物理現実と違い、性別の垣根が取り払われる傾向があるのがメタバースでの恋の特性です。そういった要素が、メタバースで恋に落ちることを促しているというのは考えられると思います。
——人が操作するアバターとNPCの区別がつかなくなる未来は訪れるでしょうか? そうなったら、ねむさんは恋愛相手がAIでも良い?
そんなことは絶対ないと思います。2000年代初頭からの第三次AIブーム(機械学習)で明らかになったのは結局「我々人類の知性の深淵は予想以上に深かった」「AI=人工の『知性』は現在の人類では全く作ることができなかった」ということです。現在「AI」と呼ばれているものは、本来の意味での知性でもなんでも無く、AI研究の結果うまれた機械学習による効率化技術に過ぎません。
一方でメタバースは、言ってしまえば、機械学習による「効率化」とは真逆の技術です。人間らしい非効率的なコミュニケーションをオンラインで行うことができる、という所にメタバースの価値の本質があります。機械学習によりさまざまなことが自動化できるようになったからこそ、自動化できない非効率性・アート性の価値が高まっています。それをオンラインで加速させるための技術こそがメタバースなのです。
──ねむさんの今後の活動予定について教えてください。
バーチャル美少女ねむ 思いついたことはすぐやる! が信条なので、基本的にすぐに思いつくことはやってしまった後なので、今後の予定は一切ありません。
メタバースの世界は進化が早すぎて明日の予想など誰にもできません。これからも常に新しいこと、昨日の自分が予想できなかったことがメタバースで生まれ続けていくでしょう。これからもそれに挑戦し続けていきたいです。
──本日はありがとうございました!
(了)
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メタバースやアバター、特に「美少女系」アバターを纏うことに関する世間の誤解や偏見を解くためにまず読んでおきたいし、読んでもらいたい本である。
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これは、
- メタバース愛があり
- おそらく研修者(勝手に推測)だと思われる著者(ともう一人)がとった、
1200件にもおよぶアンケートをまとめたデータを元に、
- 昔からちょうど今まで経緯を含めて、手頃な情報量で説明してくれている上に、
- 著者の知識の幅が広く、膨らまして考察もおもしろく
非常に良い本でした。
以下本の抜粋からですが、VRの没入感がかなり上がりそうな気がして非常にきになったところです。特に声は体験してみたく、ここも含め著者自身が色々とVR体験されているところも興味深かったです。
- 相手の肌の立体感に合わせて掌を自在に動かせるフィンガートラッキングは、お互いに「触れ合っている」感覚を醸成する、VR内のスキンシップに非常に有効です。(P.129)
- アイトラを使うと、他の人と仮想空間内で「アイコンタクト」することができるようになります。目は口以上にものを言うといいますが、口に出さなくても目を見るだけで伝わるものがあり、言葉ではやりとりできない非常に繊細な感情のやりとりを相手と行うことができます。
また、鏡で自分のアバターの顔を見ながら瞬きしていると、アバターが生き生きとして、本当の自分の顔になったような一体感を感じます。(P.130)
- 私はメタバースに入っている間、変換後の自分の音声を密閉型ヘッドホンでリアルタイムに聞いており、自分の変換前の肉声は全く聞こえない状態になっています。「声」が自分の精神に作用するプロテウス効果は、アバターの「姿」によるものより遥かに効果が大きいと感じており(P.179)
# 抜粋(一部省略あり)
- VR技術の教科書『バーチャルリアリティ学』では、当時注目されていたセカンドライフを前提として、メタバースを以下の四要素を兼ね備えたオンラインの仮想空間として定義しています。(P.28)
- ①三次元のシミュレーション空間(環境)を持つ(「空間性」)
②自己投射性のためのオブジェクト(アバター)が存在する(「自己同一性」)
③複数のアバターが、同一の三次元空間を共有することができる(「同時接続性」)
④空間内に、オブジェクト(アイテム)を想像sることができる(「創造性」)(P.28-29)
- 「大規模性」「経済性」「アクセス性」「没入性」は定義の中で挙げられることが多く、以下の理由から私も必須だと考えています。(P.30)
- (省略)本書では7要件をメタバースと定義(P.31-32)
①空間性②自己同一性③大規模同時接続性④創造性⑤経済性⑥アクセス性⑦没入性
- 私のような仮想現実世界で生きている者にとって仮想現実もあくまでリアル(現実)の一部ですので、物理現実だけをリアルと捉える「リアルワールドメタバース」という言葉はずいぶん失礼な表現だと思っています。(P.35)
- 女性型のアバターを選ぶ比率がユーザの物理性別に関わらず8割近くと非常に高くなっています。(P.42-43)
- 「Steam」が2021年10月に仮想通貨やNFGの交換を全面的に禁止したことによるものです。仮想世界のアイテムが現実世界のお金に換金できてしまうと、ゲーム内の行為がギャンブルにあた���のではないかと現在アメリカの訴訟問題になっており(P.67-68)
- メタバース原住民(P.84)
- (省略)Valve社 Indexコントローラー(P.128)
- 87個の静電容量センサーが内蔵
- 10本の指を自由自在に動かせる
- バンドを掌に巻きつけて固定できるようになっているので、手を開いても落ちない
- 「フィンガートラッキング」略して「指トラ」
- 相手の肌の立体感に合わせて掌を自在に動かせるフィンガートラッキングは、お互いに「触れ合っている」感覚を醸成する、VR内のスキンシップに非常に有効です。(P.129)
- アイトラを使うと、他の人と仮想空間内で「アイコンタクト」することができるようになります。目は口以上にものを言うといいますが、口に出さなくても目を見るだけで伝わるものがあり、言葉ではやりとりできない非常に繊細な感情のやりとりを相手と行うことができます。
また、鏡で自分のアバターの顔を見ながら瞬きしていると、アバターが生き生きとして、本当の自分の顔になったような一体感を感じます。(P.130)
- 私はメタバースに入っている間、変換後の自分の音声を密閉型ヘッドホンでリアルタイムに聞いており、自分の変換前の肉声は全く聞こえない状態になっています。「声」が自分の精神に作用するプロテウス効果は、アバターの「姿」によるものより遥かに効果が大きいと感じており(P.179)
- 「Chillout VR」が「成人向けの内容」を表示することを許可するオプションを提供したのです。これは画期的なことで、実はこれまで2章で説明した既存のソーシャルVRでは、一般的に「ポルノに該当する内容」の共有などはユーザの年齢に関わらず規約上一切禁止あるいは制限されていました。(P.236)
- VRを利用したことのないグループの方がより「強い」感覚を感じることがわかりました。
このように「落下感覚」は「触覚」などの事例と異なり、VR経験者の方が感覚が弱くなることが知られています。ソーシャルVRなどでは、現実より遥かに高いところからジャンプして飛び降りたり、ビルからビルへと飛び移ったりすることが日常茶飯事です。こうした経験かの繰り返しにより、落下感覚なくなるわけではないものの、ある程度非日常的な落下感覚に「慣れてしまう」といったことは原因として考えられます。(P.303-304)
- (省略)「非侵襲式」は、脳の電気活動と比較して、顔の表情や眼を動かしている筋肉の電気活動のための電気信号のほうが強いので、どうしても精度が出にくい。(P.309)
- これが私のやりたかったことなのか?と聞かれたら、「そんなこと考えたこともなかった」としか答えようがありません。(P.312)
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■Vチューバー「バーチャル美少女ねむ」が語る、メタバースのより具体的な現状と、「ソーシャルVR国勢調査」という名前の、利用者たちのアンケートなどのレポートです。
■カラーの写真や、グラフなど、一読してすぐイメージができる図鑑のような構成で親切です。
気になることは次の通りです
・メタバースとは、「リアルタイムに大規模多数の人が参加してコミュニケーションと経済活動ができるオンラインの三次元仮想空間」を指すことが多い
・AR,VRはアクセス手段であって、メタバースのことではない
・メタバースは三つの革命をもたらす ①アイデンティティの革命、②コミュニケーションの革命、③経済の革命(後段の章立てになっています)
<現在サービス中のメタバースの実例・解説>
・VRChat:ワールド、アバター、大規模同時接続性、経済性が低い、アイテムがもてない
・NeosVR:創造性、共創の高さ、経済性高い、アバターの表現力の高さ
・cluster:圧倒的な収容力とアクセス性、Vアクセス(スパチャ)、イベント、個人の商用利用は禁止
・バーチャルキャスト:ニコ動 配信のためのメタバース スタジオ、ロケーション、アバターの表現力の高さ
<デバイス、ツール>
・VRゴーグル 解像度、視野角、リフレッシュレート、DOF:自由度
・アバターの表現 フルトラ;アバター全身の動き、指トラ、アイトラ:目、顔トラ
VRM:アバターの統一規格、VRoid Studio:アバター制作ツール
<メタバースの社会性>
・ソーシャルVRユーザの実像 半数が500時間越え、半数がほぼ毎日利用、半数が3時間以上プレイ、ボリュームゾーンは、20代男性、次は30代
・ソーシャルVR国勢調査 実名率、お砂糖、バーチャルセックス など、ちょっと不思議な結果がいろいろ
・メタバース経済 分人経済学、アバター経済圏、メタバースで生まれる職業、メタバースのオフィスワーク
・BMI:ブレイン・マシン・インタフェース 、 フルダイブ(全感覚没入)VR、触覚スーツ
目次は以下です。
はじめに
第1章 メタバースとは何か
第2章 ソーシャルVRの世界
第3章 メタバースを支える技術
第4章 アイデンティティのコスプレ
第5章 コミュニケーションのコスプレ
第6章 経済のコスプレ
第7章 身体からの解放
おわりに
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メタバースに関する詳細な説明。メタバースを取り巻く技術や経済圏の説明、メタバース利用者の調査回答からの利用者の属性分析などとても勉強になりました。
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借りたもの。
現状のメタバースに関するデータが充実している。
Facebookが社名改め「Meta」となり、メタバースに力を入れる事を表明した時。それ以前からVRChatなど別プラットフォームで活動・生活していた“メタバース原住民”ら、そしてVtuberの視点から見た、仮想現実の現状とのギャップのようなものを感じる。最も、日本語の“仮想現実”と“Virtual Reality”の齟齬にも理由があるとは思うのだが……
現実の延長として、現実的なものよりも理想の自己実現のイメージが強いためかもしれない。
心身の性別の不一致が理由でなくとも、男女ともに女性アバターを使う率が高いそう。
「可愛くなりたい」「感情表現をしたい」「相手と距離を縮めたい」という理由があるとの事。
…自動音声などで女性の落ち着いた声が用いられるのと同じような理由かも。あと、男性がそうした自分の感情を表現する事への文化的・性別的な制限?もあるためかも知れない。
【メタバースの七要件】
空間性
自己同一性(アバター等)
大規模同時接続性
創造性
経済性
アクセス性(対応プラットフォーム等)
没入性(VR等)
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詳しくメタバースの世界を知れる思っていたが、自身の知識からプラスになる内容は特に感じられなかった。
個人的にはメタバースの世界は大歓迎だし、そのような世界が広がっていくのは止められないと思っている。
ただいつもこの話になると1つの課題が頭をハックする。その課題とは「子作り」のことだ。
メタバースの世界は今生きている人間(イメージとしては小学校1年生以上の人間)に対してはプラス面の方が強いと思っている。
メタバースの世界で重要となるのは本書の中では3つ。
1つ目はアバター、2つ目が名前、3つ目が声だ。
生まれ持った性別や容姿、人種に関係なく世界中の人とコミュニケーションをとり、関係性を深めていけるのは歓迎することだと思うし、障害者にとっても行きやすい世界になると思う。
ただ子供を作ることを、機能としての男性と女性がセックスをし、機能としての女性が体の中で育て出産をすることが変わらない限り、メタバースの世界では人口を増やすことができるのだろうか?というのがいつも気になっている。
マトリックスの世界のように人間はカプセルの中で生きることや、アバターの世界のように本来の肉体を捨ててアバターとして生きることもそれは個人の選択なので何ら問題は無い。
ただやっぱり新たな命が生まれ育まれることってどうなんだろう。
その問いのヒントを知りたくてメタバースの書籍や記事を読んだり、自分で考えたりするがあまりヒントになるものを現状では得られていない。
今回の書籍でとあまり得られなかった。
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ジャンル:テクノロジー・IT トレンド
出版社:技術評論社
定価:1,980円(税込)
出版日:2022年03月19日
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バーチャル美少女ねむ(ばーちゃるびしょうじょねむ)
メタバース原住民にしてメタバース文化エバンジェリスト
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flier要約
https://www.flierinc.com/summary/3009
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メタバースの価値観や壮大さが
実際にその世界で暮らす人の話から実感できた。
もう一つの世界という感じでメタバース内にも服やゲーム、イベント、などが存在してそれに対応して職業もある(接客業、クリエーター、イベンター、タレント)。
交際することはお砂糖という、バーチャルセックスというのもある。
vrゴーグルや体につけるコントローラ、高性能pcが必要であったり、アバター作り、声の調整が難しかったりといった問題は残っている。
ファントムセンス(触覚、味覚、浮遊感など)を感じるらしい。
それを感じるための触覚スーツ、BMIも出てきた。(Brain machine interface)
脳に電極を埋め込むLinkはイーロンマスクのニューラルリンクが研究中。
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もっと知りたいメータバース、ということで
「メタバースとWeb3」「世界2.0」に続いて、
読んでみました。
※メタバースとWeb3
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4295202819#comment
※世界2.0
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4344039548#comment
この本の興味深いところは、
メタバースを普及させたいサービス提供者側(主にスタートアップとか投資家側)の視点ではなく、
純粋にメタバースを楽しんでいるサービス享受者側の視点で書かれているところ。
「バーチャル美少女ねむ」さんは、
メタバースの世界ではそこそこの有名人のようです。
本の中でも書かれていますが、アバター上は美少女ですが、
実際は男性とのこと。
というより、多くの参加男性はアバター上では、女性に扮しているとか。
こんな風に、実際にどんなメタバースのサービスがあって、それぞれの特徴や違いは何で、
そこで遊んでいる人たちのプロファイルはどんな人たちなのか(大規模アンケートまで取っている)、
などについてまとまっており、
現在のメタバースの世界がどんな世界なのかがとても分かりやすく書かれています。
中には、恋愛があったり、セックスがあったりと、
素人には想像もできない世界が(一部では)広がっているようです。。
個人的に最も興味深かったのが、本を読みながら、
著者の「バーチャル美少女ねむ」に知性と教養が感じられたところ。
たんなるオタク(すごいざっくりした表現ですが…)が、
メタバースの世界を紹介しているのではなく、
リアル世界でもしっかりと生きていると思われる方がメタバースの世界を紹介するという建付けになっているところが、
この本を面白くしているような気がします。
メタバースの世界を歩いてみたい方(でも、もうちょっとリサーチもしたい方)は、
この本から読みはじめると良いではないでしょうか。
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メタバース・プレイヤーの第一人者バーチャル美少女ねむさんのメタバース論。
技術面の説明でも社会学的考察でも、とても具体的で詳しく、よくまとめられています。
メタバースの現状について知りたいのであれば、先ずはこの本を読むべきでしょう。
ねむさんは、メタバースでの生活を「アイデンティティのコスプレ」=アバターによって別人格として生きることと意義付けていますが、別の人格として暮らしたいという人はどのくらいいるのでしょうか。
今のところ自分には、別人格になりたいという気持ちは、それほどないのですが。
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メタバースという言葉はよく聞くようになりましたが、実際どんなものなのか知りたいと思い手にした本ですが、想像以上に新しく、刺激的な世界でした。
物理世界での性別と関係なく、メタバース上で恋愛があることなど読む前は考えもしなかったです。
とはいえ、やってみてハマったら大変なことになりそうな恐怖感もあります。
著者のホモ・メタバースとして、この新しい世界を健全に進化させていきたいという思いを強く感じました。
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メタバースの定義と現状を知ることができた。まだまだ発展途上の模様。
なりたい自分になれる権利、分人経済、超空間経済などの今後の展開が気になる。
いつか自分もメタバースに参加してファントムセンスを体験することになるんやろか。20年後とかすごいことになってそうやけど、自分は波に乗れなさそう。
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最終的には身体からの解放に興味があって、VRはそれこそオキュラスが買収される前から何となく気になる存在ではあったのだけれど、実際にメタバースで暮らしている「メタバース原住民」によって、今メタバースと呼ばれているものたちがどんなものなのか、どこまでできているのか、が説明されていてとても面白かった。
メタバース原住民自ら、メタバース原住民に対するアンケート調査をして、その結果も踏まえた説明になっていて、偏りは当然あったとしても、実態として何が起きているかは分かりやすかったと思う。
特に何がしたいこと、作りたいものがあるわけではないけれど、VR欲をガンガン刺激された。
220715
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実際にVR空間に没入し、著名になっている著者の視点から見るメタバースが描写されている。数多くあるメタバースやweb3の本の中でも1番生々しさがある本。
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【次期経済圏】
メタバース、仮想空間はサブカルでオタクな世界と思っていましたが、そうではありません。
仮想空間につくられたライブ会場に集まって、みんなでコンサートに参加することもできます。物理的移動がないので簡単に参加できます。
ガンダムに出てきたようなスペースコロニーが仮想空間につくられていて、そこで生活することもできます。
飲み屋街があって、そこに集まってお酒を飲んだりもできます。実際のお酒やおつまみは自分で用意しなければならないですが、コミュニケーションを取ることはできます。
仮想なのでびっくりするようなテーマパークをつくることができます。
物理現実の東京ディズニーランドへ行くには時間とお金がかかります。仮想であれば一瞬です。空いた時間にちょっとよってみるというようなこともできます。
さらに、仮想ですので物理現実ではつくることが不可能な超巨大アトラクションもつくることができ、いままで感じたことがない体感を味わうことができます。
仮想なので物理的スペースの問題、構造的な問題、費用的な問題はありません。自由に世界をつくることができます。
― 仮想と現実のリンク ―
現実世界ではなく、このメタバース(仮想空間)をメインに生活する人も出てくるでしょう。そして、メタバースで経済的に成り立つならメタバースから離れる意味もなくなり、ずっとそこで生活もできます。
スペースコロニーにコカ・コーラなどの企業看板があれば、広告になるので物理現実との経済的な動きが発生します。
仮想では食事はできても、物理的に食事は必要になるので、物理現実のコンビニやスーパーへ行く必要があります。
しかし、これもメタバース内のマクドと物理現実のマクドが連携されていて、メタバース内のマクドで注文すると、一番近い物理現実のマクドから家までデリバリーしてもらえるというようなこともできそうです。
― 仮想はあくまで仮想という仮想 ―
メタバース(仮想空間)が仮想であって現実とは異なり、現実ではリアルな世界で生きていくことが必要になります。仮想はあくまで仮想であって、現実世界で食っていく必要があるのです。
これが、仮想と現実の大きなハードルになっています。
しかし、仮想空間で稼いで現実の生活を養っているとすると、仮想は仮想であって現実とは異なるということも言ってられなくなります。仮想と現実の比率が逆転することもあり得るでしょう。
仮想空間で接客業をしている人であれば、そこで収入を得ています。仮想空間という場所で物理現実で使用する生活費を稼いでいることになります。
また、先程のテーマパークであれば入場料を取ることによって、物理現実の生活を支えているかもしれないのです。こうなると仮想とはいえ、現実と等しくなってしまいます。
通貨も同様です。
今、ビットコインなどは仮想通貨と呼ばれていますが、仮想通貨で経済的なやり取りをしだすと仮想って何?となります。りっぱな通���になってしまうのです。
― 壮大な空間 ―
人はついに、物理制約のない無限の空間を手に入れてしまうのです。
新しい世界、ワクワクします。