にゃころさんのレビュー一覧
投稿者:にゃころ
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2013/09/09 18:08
こころがポカポカ
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「夜明けの図書館」とても大好きな作品です。
一巻もでしたが、心がぽかぽかとする作品です。
図書館でのたくさんの出来事が物語になると思うと
想像したらわくわくします。
今以上に図書館が好きになりましたし、
何かの機会にレファレンスを利用したいと思いました。
埜納先生が書けるところまで、長く続けてほしい作品です。
紙の本蜜蜂と遠雷 下
2019/08/14 20:42
音楽とは何かを考える
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
上巻を読んでワクワクし、下巻をとても楽しみに読みました。
上巻は「才能とは何か?」「自分の音楽とは何か」「他者と自身の違い」「コンテスタントとしての葛藤」等、登場人物について作者が外面的に語って物語が進んでいるように感じました。
下巻に於いては、
”風間塵”、”栄伝亜夜”、”マサル”を中心に「音楽とは何か?」が彼らの感情が爆発しながらスピード感をもって描かれていました。コンサートそのものに意味があるのではなく、コンサート自体は箱に過ぎず、そこに参加した彼らの中に音楽の意味を感じました。
私がこの物語で、個人的に好きな人物は”高島明石”です。
彼の「春と修羅」のカデンツァを、すべてを聴きたい。この身に感じたいと思いました。
己自身が他のコンテスタントとは異なる普通の生活者でありながら、自分の中に才能を見出したいと葛藤する彼に、凡人である私自身をふと重ねて読んでいました。
この作品で本当に才能を開花させたのは、彼ではないかと思います。
「生活の中の音楽」を探し求める風間塵と、彼に共鳴した亜夜、マサルによって、下巻では音楽が違うものに見えてきました。彼らの音楽に触れた審査員、すべての観客の視点を通して「音楽とは何か」を読中、読後にずっと考えていました。
終わり方はさっぱりした印象を受けますが、作者がその後を言及せずにラストを描いたことで、爽やかな彼らに続く未来に期待を抱きました。
音楽の可能性を、実際には音のない本の中に音を聴き、感じることがあるなんて思いもしませんでした。素晴らしい作品です。
恩田陸先生の作品は、読むのはこれが初めてでした。
他の作品も読んでみたいと思います。
紙の本天国はまだ遠く
2013/09/09 17:52
さわやか
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
周りを気にして前に進みだせない主人公が以前の自分と重なったような気がして手に取りました。
巧妙な文章ではなく、主人公の気持ちと周りの環境をシンプルに描いた非常に読みやすい作品でした。
読後は背表紙にも書いてあったように、さわやかな印象をうけます。
☆3つにしたのは、自分にとっては少しサッパリした感じで、
思ったよりも軽い読みごたえだったからです。
でも、主人公と田村さんの関係はとてもいいなぁと思いました。
そして、この作品はフィクションですが、創られた印象を受けず、
自然な人間の描き方をしていたので、現実味がありました。
その自然な感じが好きです。
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