tzstさんのレビュー一覧
投稿者:tzst
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2016/07/10 23:10
邦題は原題の直訳、或いは「イスラム過激派/穏健派のコーラン解釈の相違」とすべき。邦題訳が不親切では。。。
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
最近の事件もあり、「フラットにみて」コーランには何が書いてあるのか、ということを勉強したくて買いました。結果としては期待している内容ではなかったです。ただ表紙には原題(「If the Oceans Were Ink――An Unlikely Friendship and a Journey to the Heart of the Quran」)がきちんと記載されており、これは内容に則している(科学的なアプローチというよりエッセイですよ感あり)と思いますので、きちんと中身を確認しなかった自分(+邦題訳)の所為ですね。。
内容としてはタイトルの割にコーランからの引用が少なすぎるし、エッセイ的な内容なので状況描写が多く、500ページ近いですが目的に当たる内容は半分あるかな、という感想です。著者に対してコーランを講釈する方の主観的な要素も多く(※これ自体は悪くないし、宗教なんて主観的なものだと思いますがこの本のタイトルにはそぐわない)、もしタイトルを付けるなら「イスラム過激派/穏健派のコーラン解釈の相違」が妥当と思います。
異教徒迫害の根拠に引用される「剣の章句」については特に知りたかった部分なので、「この章句が書かれた歴史的文脈は、すぐさま、無条件に異教徒を殺害していいわけではない」「メッカの非信仰者との闘いの中で書かれた」という点は興味深かったですが、その部分を簡単に流さないでほしかったです。なぜそれが上記状況で書かれたとわかるのか、などをもう少し科学的に解説した方が面白いと思いました。結局そこがきちんと説明できなければ、過激派の人たちを説き伏せられないのではないかと思います。
結局、中身と原題を確認しなかった自分の所為です。エッセイとして読んだら違う評価になったかもしれません。
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