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mietzsche_kさんのレビュー一覧

投稿者:mietzsche_k

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内容はいいのですが…。

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電子書籍にて購入したのですが、読み始めてすぐに後悔しました。
紙面の画像をそのまま電子書籍化しているので、私の持っている7インチディスプレイのタブレットでも文字が小さすぎて読むのがとてもつらいのです。
普通のスマートフォンではとても読めたものではないでしょう。
しかも、文字がすべて画像として認識されているので、文字検索もできません。
電子書籍化のメリットの多くを放棄したこの形式は、理解に苦しみます。
せめて、購入前に画像形式なのかどうかくらいはわかるようにしてほしいです。
東洋経済新報社の本は紙で勝った方がいいかもしれません。

本書では、東日本大震災が日本経済に与えた影響を、客観的なデータをもとに明らかにしようというものです。
特に印象的であったのが、東日本大震災の被害額推計である16兆円から25兆円というものが過大であったということです。
阪神淡路大震災においては、復興予算として10兆円足らずの予算措置が講じられたわけですが、当初は東日本大震災における被害額はこれを超えるものであると考えられていました。
これは津波被害によるショッキングな映像と人的被害の大きさから見ると妥当なようにも感じられるのですが、被害額の大部分を占める住宅及び非住宅を合わせた建物のストックの毀損は地価の安さなどからそれほど大きいものではありませんでした。
しかし、これに対して過大な予算が手当てされたことから、住宅や施設が過剰に供給されてしまいこれらを維持管理できるほどの利益を今後生み出すことが非常に困難になったのです。

震災による物価に対する影響についても考察されています。
これは最近の各商店のPOSデータを分析することで、詳細な分析が可能になったものです。
同一商店、同一商品で比較すると物価の上昇は名目上はほとんどありませんでした。
しかしながら、各商店が特売を控えたり、または品ぞろえが悪くなった結果消費者がいつもより高い代替商品を買わざるを得なくなるなど、間接的には物価の上昇は無視できない影響があったそうです。
また、同一商品での物価上昇がなかった場合に、買い物の機会を持ちやすい家庭に商品が買い占められてしまうという結果が発生したために、購入金額の高い家庭と低い家庭に二極化してしまいました。
災害時に物価が上昇しないことはすばらしいことだと言われますが、このような買い占めを招くことにもなるので公平性の観点からはなかなか難しいようにも思います。

これ以外にも、震災が企業の倒産や業績に与えた影響や労働市場に対する影響など、すべて数値に基づいて分析がなされています。
そのほとんどは直感的に感じられるのと同じ結果を導いていますが、上記の被害総額などのように重要ないくつかの点で通常考えられているのとは異なった結果が発生しています。
(震災後だからといって、企業の倒産確率が増えたわけではないなど。)
また、「絆」が取りざたされることが多いですが、実際には震災により利他的な傾向はむしろ低下したことが示されています。
これは震災ごみの押し付け合いなどを見ても納得のいくものです。
市民の利他的な志向が薄れてしまうということは、各自治体も自律的に支援を行うことが難しく、国が利害を調整せざるを得ないという、これまでも実感されてきた内容がそのまま数値として証明されたということでしょう。
直近でも大きな地震が発生していますが、その場合に適正な規模の予算を適切な場所に割り当てるためには、このような分析が重要なように感じました。
実際に適用していくのは、それはそれで至難の業なのでしょうが。

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