はなまるさんのレビュー一覧
投稿者:はなまる
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2002/06/11 10:20
逆転の発想
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今日、注目をあびている時価会計に対する一般的な認識は、
「時価会計だから保守的な認識」と思われがちだが、本書は
「保守主義のツールとしての時価会計」という逆転の発想に
立っているように思われる。つまり保守主義の徹底のために
時価会計はどのように機能しているのかという部分に焦点を
あて、FASB、IASBと日本の会計基準分析を行なっている点で
興味深い。章立てとしては、編者の影響を強く受けた若手
研究者によるそれぞれの研究テーマをまとめたものであり、
網羅的であるため、会計学初学者からそれ以上の学習者に
とっては、多いに示唆を富む内容であるといえる。
2003/06/04 18:11
解釈本です…
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結論から言うと引当金会計は、いまだ諸説が存在し決着を見ていない会計分野です。本来、この分野における研究姿勢としては、著者自らの会計観を明らかにし、その論理的基盤における一貫性に基づく新たな定義付けが欲しいところでもあります。本著はタイトルにもあるとおり、主に日本の引当金会計における史的展開を中心に論述されています。したがって、なにか目新しいものを期待しながら読み進めることは難しいものと考えます。評価すべき点としては、引当金に関する膨大な論稿の中から、主要な研究者(太田哲三・江村稔)を取り上げ、巻末で体系的解釈しており、引当金会計初学者にとっては何が議論の中心的部分であったのかを理解するのに役立つものと考えます。
紙の本引当金会計の基礎理論
2002/07/08 17:55
ちょっと難解
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わが国の会計学において、引当金会計は積年の論争テーマである。近年では、阪本教授と番場教授との間でおこなわれた「引当金論争」が記憶に新しい。両者各々の会計観に根ざさした立場の違いによる「引当金」概念に関する論点に関する詳説は控えるが、本著者である内川教授の引当金に関する認識は、そうした論争に一石を投じるものとして興味深い。しかしながら、なにぶん論考の進め方が、非常に難解である。これは、書評者の読解力の乏しさに起因するものかもしれないが、接続詞が多用され一文が長いために、本著者の視点が掴みにくくなっているのが少々残念である。
紙の本財務会計論 3訂版
2003/01/04 12:40
古いよね…
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日本の財務会計に関する分析視点は、他国(特に米国)との比較分析が主流であり、その点から本書を評価すると、純粋な日本国内における財務会計論詳説という意味で、これまでの公認会計士試験等の参考書として意義の大きいものであったと考えられる。しかしながら、版を重ねても昨今の会計ビックバン以降の大幅な会計基準及びその概念の変化に必ずしも対応しておらず、本書のみをもって今日の財務会計論のすべてを理解することはあまりに危険である。したがって、これまで有していた本書の意義と、今日の時代背景の変化を考慮すると会計学研究という立場からは、むしろ会計「史」分析の域を出ないものと捉えることが可能である。ただし、本書の利用可能性は読者の目的によって温度差が生じることを踏まえて、評価保留とする。
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