uchさんのレビュー一覧
投稿者:uch
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紙の本サムライ・レンズマン
2003/01/18 22:25
世界観に違和感なし
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キムボール・キニスンは、最高のレンズマンにして銀河文明のチャンピオンなのだが、
その中身はどっからどう見てもアメリカ人である。いや、政治的な話ではない。世界観
の話である。
レンズマン・シリーズの世界観は、ひと言で説明できる。すなわち、「大きいことは
いいこと」だ。大きくて強くて速いことが、優れたことであり勝利のカギなのである。
邪悪な敵が、今まで考えられなかったような*すごい*兵器で攻めてくる。そして、
それに対抗する方法は、相手より*もっとすごい*兵器を出すことなのである。
レンズマン・シリーズは全編この思想で貫かれているといえよう。
究極の兵器が次々と登場し、双方で総力戦を展開するのである。単独の宇宙船から始
まったお話は、最後には太陽系を丸ごとつかった超兵器にまで至る。
この世界観はたいへんにカッコいいし燃える。さすが50年前の作品である。
だが、ちょっと待てよ、と思うこともある。ええかげんにせえよ、と。
本書はこの世界観にサムライという要素をつけ加えた。サムライは、「大きいこと
はいいこと」という世界観からはちょっと外れる存在である。そういう存在がレンズ
マン世界に存在し、レンズマンとして活躍するのである。
ワクワクするではないか。
ともあれ、最近読んだものの中で最高のエンターテイメントであった。燃えて、
笑って、泣いた。
最後のページを終えるとその足で新訳を買いに走った。
四半世紀ぶりにシリーズ全編を読み返すことになるだろう。
紙の本「相対性理論」を楽しむ本 よくわかるアインシュタインの不思議な世界
2001/03/30 01:21
大冒険を楽しもう
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出版順は逆ですが、この本の前に「『量子論』を楽しむ本」を読みました。そっちがあんまり面白かったので、姉妹書の本書も読んだのです。期待は裏切られませんでした。
ご存知のように、19世紀の終わりから20世紀の前半にかけて、物理学の大冒険がありました。「相対論」と「量子論」は、この大冒険の対象だった訳で、これが面白くない訳がない。本書は、この大冒険の成果と現在の到達点がシンプルにエレガントに書かれていています。だから、歴史や関係者のドラマでなく、まず理論の内容に興味がある人にはおすすめです。
科学の(特に物理学の)世紀だった20世紀をリードした二大理論を相次いで読んで、uchは堪能満足状態です。
次は、20世紀前半のもうひとつの大冒険がだった数学を読んでみようかしら。
紙の本カスミ伝△ 2
2002/05/08 08:58
堂々の実験マンガ
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“実験マンガ”と銘打てば何をやってもいい、ということなのだろう。
あいかわらずのトばし方である。
とはいえ、“実験”を10年以上も続けているのは(ある意味)たいしたものである。
それにしても、このマンガを月刊少年誌に連載しているのはいかがなものか?
商業誌にこんなの(失礼!)描いて大丈夫なのだろうか? 少年読者がついて来て
いるとは思えないが。きっと、少年以外の読者が追いかけているのだろうな。
uch的には、ツボにハマリまくりである。ハマらない人にはツライのかも知れないが。
事実上のライフワーク(長くやっている、という意味で)になっている本作を読まず
して、唐沢なをきは語れない。ひとりの作家の原点と通過点と到達点をひとつの
作品で見ることができるのは、しあわせなことなのかも知れない。
2002/01/18 04:08
陽気婢の経過として
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陽気婢には夭折した かがみ♪あきら のイメージが重なる。著者本人には迷惑な感想かも知れないが、そう感じている読者は多いと思う。
本書は、一般誌(ヤングマガジン等)に掲載された昔から作品がようやくまとめられた作品集である。継続的に注目している身にはうれしい短編集になっている。最も古い収録作は1993年初出であるから、8年分の作品が収録されているということになる。寡作なのではなく、この期間は一般誌を離れた活躍が多かったということだろう。本書と同時期に上梓されている内向エロスで主人公に仮託して話させているとおりなのだろう。
8年間は長い期間であり、絵柄もずいぶんと変化している。初期のものは同人誌的な整理されていない感じのものである。内向エロスと併せて見ると、陽気婢の変化と成長が見て取れて興味深い。
紙の本つかぬことをうかがいますが… 科学者も思わず苦笑した102の質問
2002/10/28 23:54
質問ではなく、回答が楽しい
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本書をただの雑学本だと思ってはいけない。
凡夫の雑学本と本書の大きなちがいは、回答の水準の高さである。
その理由は、質問を寄せているのも読者なら、回答を書いている
のも読者であるという点である。正しい知識を持った専門家が
ただひとつの正解を教えてくれるのではなく、熱意ある仲間たちが
自らの知識と経験と(ときには実験に)基づいてさまざまな回答を
寄せてくれるのである。
なかには互いに矛盾した回答やユーモラスな回答もあり、その点も
楽しいのである。
英国の週刊科学雑誌のQ&Aコーナーをまとめたものであるが、
ここに現れた疑問を持つ心とそれに答えようとする真摯な営みこそ
が「科学」なのである。
単に結果としての正解を知るのではなく、答えを得るための活動に
興味がある人にはオススメである。
2002/05/16 19:20
人類の偉業をたどる
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宇宙の果てまで150億光年以上。宇宙が生まれてから150億年以上。
そのこと自体もたいへんな驚異だが、もうひとつの驚異がある。
わたしたちに宇宙の大きさや年齢が分かる、ということだ。
「誰が測ったんだろう?」
「どうやって測ったんだろう?」
「どうして正しいと云えるのだろう?」
本書は、その人類の業績を歴史順にたどっていく。最初は
有名なエラトステネスが地球を測る話から。
歴史を追うごとに測り方は、高度に巧妙になっていく。
そして、最後には「わたしたちの測っているものは何か?」と
いう観点に行きつく。
近頃の科学書は、世界を解釈する新しい理論について書かれた
ものが多いが、「実測」という科学を支える大きな柱について
書かれた本書はたいへんに読み応えがある。
これに燃えない人は科学に向かないだろう。
2002/01/16 20:40
ちゃんと役に立ちました。
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コンピュータに限らず、技術的分野の実用書は読んでいて腹が立つことがある。著者が自分の書きたいことがいっぱいあって、それを一所懸命書いているのだが、それがちっともこっちのニーズに合わないのだ。「あんたがモノ識りなのは分かったから、オレの知りたいことを教えてくれよ!!」と本を放り投げる場面だ。
本書は、そんな本とは正反対にタイトルどおりOSを再インストールする方法について徹底的に書いている。深過ぎず浅過ぎず、脇道に逸れず省略せず。必要なことは詳細に具体的に書かれているが、薀蓄の領分に入るような無駄なことは書いてない。
この手の本は、教養書として「読む」訳ではない、実用書として「使う」のだ。だから、何よりも役に立つように書いてくれないと値打ちがないのだ。本書は、文章もちゃんと日本語で書いてある。技術書にありがちな、日本語として解釈可能だし内容もかろうじて読み取ることはできるが、絶対に日本語ではない、といった文章ではない。
もし、あなたがWindows2000の再インストールに困っているのなら、この本を使いなさい。
2005/06/02 23:33
これでは分からない
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内容が高度であるとか正確であるとか以前に、説明が下手。1ページ毎にイライラする。多少ともORACLEのことを知っていれば、その下手な説明の間を自分の知識で補完して、内容を想像することができるが、それではちっとも理解したことにはならない。
ORACLEの勉強をしたいなら、この本は役に立たない。
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