M.Oさんのレビュー一覧
投稿者:M.O
紙の本バガボンド 14
2002/06/27 21:50
小次郎の真相へ迫る
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本編の主人公、宮本武蔵のストーリーからは一時離れ、
佐々木小次郎にスポットを当てた流れが今巻から始まった。
現在、ストーリー上では武蔵の幼馴染である又八が
小次郎を名乗っているが、では本人は一体どのような人生を送ってきたのか。
本編へといかに流れが繋がっていくのか、今後も目を離せない。
2002/06/27 21:05
夢追い人
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鉄の意志と血の滲む努力によって
人間の限界に挑戦し続けた、冒険家・植村直己。
大陸最高峰登頂、犬ぞりによる北極横断など、
単独行にこだわった彼の一生はまさに伝説である。
アラスカ最高峰・マッキンリーに消えるまでの
彼の一生を描く感動のノンフィクションは
小中学生にも読めるように構成された平易な伝記調作品です。
紙の本山の社会学
2002/06/27 18:41
登山の舞台裏を覗く
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登山における裏の世界とは如何なるものか。
普段目にするものが全てでは無いのである。
山小屋経営、遭難と救助、日本百名山、登山者高齢化、環境保全など
多岐に渡るテーマで登山のアンダーグラウンドを
時代の変遷と共に検証した登山経験者必読の1冊である。
「社会学」のタイトルが単なるエッセイではないことを強烈に自己主張している。
紙の本検察側の証人
2002/05/21 13:47
法廷ミステリーの傑作、ここにあり。
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映画(邦題『情婦』)でも有名なアガサ・クリスティの名作。
ウィルフリッド弁護士事務所に「老婦人殺人で起訴される」と
ある若い男性が駆け込むことから物語が始まる。
人のいい青年を助けるため、無罪実証の証拠集めに奔走する
ウィルフリッドの意図に反して次第に危うくなる青年の立場。
さらに唯一の被告側証人として期待された青年の妻は偽証罪に疑われる。
加えてライバルの検察官からの法廷内外での執拗な攻撃の数々。
しかし絶体絶命のピンチにある幸運が訪れる。
名弁護士ウィルフリッドは事件の「核」を掴み、そして全てを見通すのであった。
どんでん返しの連続に、急展開を繰り返すストーリー構成。
最後の最後まで真実が明らかにならない王道の推理小説。
読者に圧倒的な衝撃と興奮を与える法廷ミステリーの傑作である。
2002/05/18 13:49
日本は世界に誇る環境先進国である
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いまや常識となった環境問題。
しかし我々は環境保護と経済発展の間で板挟みに遭っている。
その良い例がアメリカの京都議定書脱退である。
ではそんな中、日本の現状とはいかなるものかというと、
経済力同様環境保全でも世界トップクラスであるという事実。
実はあまり知られていないのではないだろうか。
環境保護とは、何も経済学的立場(ピグー等)から法律で縛ることだけではない。
技術というリアルな立場から経済と共に向上していくことは可能なのだ。
技術大国・日本が世界に先駆け、手本となって進む
エコロジカル・テクノロジーを探る、長谷川氏渾身の著作。
紙の本リーダーズ・チョイスBEST 13 of ゴルゴ13 完全保存版
2002/05/17 14:11
不朽の名作をまとめ読み!
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読者投票による人気上位13作をまとめたベスト版。
この13作が自分のベストではないかも知れない。
しかしこの圧倒的スケール、設定の緻密さ、極限のリアリティに
興奮を覚えないはずが無い。
そしてゴルゴの出生に関わる謎、超人的な身体能力、
最強のテロリストと称されるだけのプロフェッショナルな仕事の数々。
この本には紛れもなくゴルゴ13の魅力が詰め込まれている。
「さすがは超A級スナイパー ゴルゴ13!」と思わず叫びたくなる作品。
2002/05/17 12:26
地球と遊ぶシリーズ「アフリカ編」
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「マジメにする時はマジメに。バカをする時はとことんバカになる。」
このようにT.P.O.をわきまえる事がオトナなのだろう。
そんなオトナ達の今回の冒険先はバカデカ大陸・アフリカ。
サバンナで野生動物と戯れ、
大陸最高峰のキリマンジャロへアタックし、
インド洋の青い海を前に原稿を書く…
椎名氏をはじめとして、沢野ひろし氏ら5人で結成された「あやしい探検隊」。
毎度トラブルを抱えながら、バカをしながら、地球と遊ぶ。
ネイチャーマインドなんてカッコイイ言葉はいらない。
「全身で自然に向き合い、遊べばいいのである。」
2002/05/16 22:11
ボクシングマンガの金字塔。看板に偽りなし!
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乾物屋の一人娘のりちゃんからボクシングを辞めろと諭されたジョーはこう言った。
「おれ、拳闘が好きだからやってきたんだ。」
「そこいらの連中みたいに、ブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない。
ほんの瞬間にせよ眩しいほど真っ赤に燃え上がるんだ。」
「そして後には真っ白な灰だけが残る。
燃えカスなんか残りやしない…真っ白な灰だけだ。」
親さえも行方知れず、幼少時代から一人で生きてきたジョー。
生きることに何の楽しみも希望も持てずにいたジョー。
そんな彼が丹下段平と出会い、ボクシングに己の全てを賭けて生きる。
ジョーのセリフは決して格好つけたものではなく、人生観そのものなのだろう。
力石徹、ウルフ金串、カーロス・リベラ、金竜飛、ハリマオ、そしてホセ・メンドーサ・・
多くのライバルとの戦いを通じて成長していくジョーの姿に感動を禁じえない。
紙の本岳物語
2002/05/08 18:38
暖かくなるエッセー集
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「父と子のケンゼンな付き合い」とは何だろう。
椎名誠氏は息子・岳クンの成長を見守りながら、こんな事を思っていたに違いない。
椎名氏本人が大自然と真っ向から付き合うように、
父親として息子に隠し事一切無しの本気の付き合いを試みている。
その真剣であり、暖かで、どこか抜けた感じのする2人の関係を、
椎名氏の見事なペン使いが絶妙の笑いと共に表現している。
続編と合わせて、皆さんにも是非読んで欲しい作品だ。
健全をあえて「ケンゼン」と表現するような、お馴染みの椎名誠ワールド全開の
親子の何でもない日々の物語。
2002/05/08 18:26
プロレスを知らない人にも読んで欲しい作品
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NPB(日本プロ野球)、MLB(メジャーリーグ)をはじめとして
各プロスポーツについて幅広く活躍されているフリーライター・長谷川博一氏が
三沢光晴選手に付きっきりで書き上げた「三沢ルポタージュ」。
プロレスファンならずとも、ちょっと格式の高い芸能本として読み応えがある出来だ。
そして一般人が一番興味が湧くのは何と言っても「八百長への反論」の章ではないだろうか。
プロレス八百長論に対してここまで真っ向から的確な反論を出した本は
私の記憶の中では存在しない。
ちなみにこの本は全編に渡って、長谷川氏独特の心地よい雰囲気が漂い、
必ずやその文章の深みに酔うことだろう。
三沢選手本人の著作である『船出』と合わせて読めば
その魅力を十分に堪能できると思う。
紙の本朝日新聞の正義
2002/05/16 17:53
作品中の過激な表現はご愛嬌として読みましょう
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「メディアの役割は情報を伝える事であって、意見を伝える事ではない。意見は読者が持つべきである。」
これが正しい新聞と読者の関係だと、ある知人に言われた。
また、小林氏は氏の著作の中で、日本人は「情報」と「知識(=意見)」の区別に疎いと言う。
つまり我々は、新聞が報道することは全て正しいと勘違いしているのだ。
新聞記者は一個人であり、新聞社も個人の集合体である。
よってそれぞれの「意見・イデオロギー」は持っていて当然だ。
しかし、ひとたびメディアに携わる立場に立った時、その人の「意見」は絶対ではなく、
なおのことそれを「情報・真実・結果」として報道するのは間違いであろう。
この本は日本のメディアの代名詞といえる朝日新聞の論調とその論理不合性、
極論すればメディアの存在意義を的確に射抜いた対談集だ。
書かれている内容全てが正しいとは判断できないが、一読の価値は確実にあると思う。
2002/05/18 00:54
日本人の知らない日本史
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各学界や論壇の著名人を招き、教科書には載っていない「真実の日本史」を明かしていく。
日本的思想「怨霊信仰」が歴史にどういった影響をもたらしたのか。
アジアの島国である日本と大陸にはお互いどんな関係があったのか。
「他文化から閉ざされた」江戸は実際はどのような時代だったのか。
戦前は本当に「暗黒の時代」と称されるほど酷い世の中だったのか。
知的好奇心をくすぐる歴史対談集。
紙の本グラップラー刃牙 外伝 (少年チャンピオン・コミックス)
2002/06/27 22:08
ここに実現!
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昭和を代表した「あの2大巨頭」がもしも対決したら。
そんなプロレスファンの今では成し得ない永遠の夢を、
作者自身が熱狂的なファンの立場から、
作者特有の濃密な描写で描く世紀のドリームマッチ。
「東洋の巨人」と「燃える闘魂」が2人だけで東京ドームに対峙。
設定からして物凄いフィクションなのに、
リアルすぎるストーリー構成に読んだ後も興奮が覚めやらない!
紙の本カラスはどれほど賢いか 都市鳥の適応戦略
2002/06/02 18:52
都市に住む鳥の脅威
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あなたは身の周りで鳥を見かけることがあるだろうか。
「ある」と答える人の大半はカラス、スズメ、ハトを挙げるのではないか。
実際、我々はその3種以外の鳥を街で見かける事がほとんど無い。
それにも増して、都市部ほどカラスの増加が問題化している。
そしてそれは同時に「人間とカラスの知恵比べ」が
熾烈に展開されていることを意味するのだ。
本書は長年野鳥を観察・研究してきた著者によるカラス百科である。
「クルミや貝などをくわえて空高く飛び、コンクリートや石に落として割る」
「オオカミに獲物を襲わせ、まんまとその食べ残りをいただく」
など、人間と知恵で勝負するカラスがいかに利口か、驚きの連続である。
紙の本新編八犬伝
2002/05/21 13:00
厳然たる時代小説として
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ご存知、『南総里見八犬伝』を現代版リメイクした時代小説である。
しかし昨今見かける、子供向けにリメイクされた「お話」ではなく、
時代背景とストーリー性に重きを置いた、
れっきとした大人が楽しむ「小説」として怪奇世界が重厚に描かれている。
またこの作品の特徴として、原作を「勧善懲悪」と「騎士物語」という
2つのポイントに絞り込んで書かれた点にも注目する。
賛否両論あるかもしれないが、
長編オカルトを現代風に整理するには一番確実な方法ではないかとも思う。
とにかくまず何より、山手氏の筆力によって展開される独特の世界観を楽しんで欲しいと思う。