@さんちゃんさんのレビュー一覧
投稿者:@さんちゃん
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紙の本小学生日記
2004/02/16 00:10
自分の目で物事をとらえる力がスゴイ
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芥川賞の次に若さ、実力で有名というならこのhanae*ちゃんではないでしょうか。内容はタイトルのごとく、小学生hanae*ちゃんが何気ない日常を見つめ、家族のこと、友達のことを綴った日記数篇がまとめられたもの。アメリカ人の父と日本人の母を持つハーフであり、かつ中学受験を控える小学六年生という彼女の書く日記は、読んでいると目の前で「こんなことがあったんだよ」と話をしてくれているようです。
作文コンクールで文部科学大臣賞を受賞した文章力で“天才”という呼称だけが一人歩きしているようですが、読んですごいと思わされるのは物事を見つめるその力がスゴイ。それは決してさめすぎているのではなく、むしろまだ素直さやあどけなさを感じさせる一方で、他人に流されずに自分の目で見る・考える力が伝わってくるのです。それが発揮されているのが「いじめ」を題材にした章。一時期過ごしたアメリカとの違いからくる戸惑い、先生やクラスの他の子への軽い反発、重たいテーマでありながらも彼女が書く日記にはホッとさせられます。
読み終えたあとの清々しさがたまらなく、世代を超えて読める「日記エッセー」としておすすめです。
紙の本負け犬の遠吠え
2004/04/07 01:00
ブラックユーモアとして読めば大ウケ
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未婚、子なし、30歳代以上を「負け犬」とし、「勝ち犬」とはとにかく結婚していること。男か女かでオスメスを分け、さらにその親を「ブリーダー」と称するこの見事な発想。著者である酒井さん自身が「負け犬」であるのも魅力ですし、常に何かシニカルな語り口なことから、私には酒井さんという人はちょっと斜めに世間を眺めている人なのだ、と思えるととても楽しい一冊でした。確かに好き嫌いは分かれそうなのも、わからなくもないですが。
この本に対しては、いろいろ社会学的なことを引用して批判があったりするようですが、酒井さん自身そんな小難しいことを書くつもりもないように思えます。いかにして負け犬としてなってしまったのか、負け犬の現在、そして未来に抱える不安を個人レベルから国家レベルへと昇華させたりと、いろいろな切り口は読んでいて飽きなかったですし、とにかくブラックユーモアで固められた一冊とすれば、楽に読めるでしょう。
負け犬の条件にあてはまったとしても、「あたしって負け犬なの?」と思うより、こういった世間の見方をする人がいるんだぁ、でいいんだと思います。ただし、人を負け犬の条件にあてはめるのは楽しかった…。そんな読者はちなみにもうじき26歳・独身♀。
3月の最終週に発行されたアエラでも記事がありましたが、この本の波紋を広げること、いまや「負け犬」に該当する方からその子を持つ親にまで至るそう。私は友人によく、この本の話をしてみます。好き嫌いはあっても、ただ感動する本よりも、話のネタとしては十分になる一冊ではないでしょうか。
紙の本英語で読む英知とユーモア
2001/12/16 20:53
シンプルだからこそ奥深い世界の名言に魅せられて
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ユーモアといっても、ここでは知的なユーモア。歴史に残る世界の名言、古代から現代にいたるまでの名言をジャンルごとにわけ、英語で紹介されています。似た形式の本は他にもあると思いますが、この本のよいところは解説のよさにつきます。英語がそれほど得意でなくても、歴史的背景から文法にいたるまで、とにかく読者の知りたい情報が満載されたツボのきいた解説で、名言の奥深さを味わうことができるでしょう。なんとなく聞いたことがある言葉の背景も、改めてこの本で新鮮さを覚えさせられる、知的好奇心旺盛な人にはたまらない一冊です。きっと読み終えたあと、自分にとってかけがえのない名言が見つかっているはずです。
紙の本ワインの世界史
2001/12/16 21:03
「ワインは飲み物としては最も楽しく、薬としては最もおいしい」
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偶然と知恵が出会い発展を続けて今日あるワイン。そのワインの発達を一般世界史とからめながら、時系列的に解説が広げられていきます。あまり平易でない文章なので、やや読みづらい本ではありますが、それぞれの時代におけるワインの製法、ワインと人との関係がこの本の中で明らかにされていきます。古代から続く文化という点で興味深く読み進めることができるでしょう。そのワインも科学技術が発展した現代、ワインの製法技術これ以上の熟成をするのでしょうか。
日本でいうお酒をたたえる言葉は「百薬の長」。そして世界中で嗜まれているワインを、ローマ人プリニウスはこういいました。「ワインは飲み物としては最も楽しく、薬としては最もおいしい」。ワインを飲みながらちょっとした薀蓄を語るには最適となる一冊でしょう。
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