たっくんさんのレビュー一覧
投稿者:たっくん
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2002/11/18 21:08
子どもの気持ちで読むわかりやすい世界史
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国際情勢についてニュースで目にしない日はないといってよい現在、世界の歴史をきちんと理解したいと思ってる人は多いのではないでしょうか。それでいて教科書のような無味乾燥な歴史には辟易している方も劣らず多いだろうと思います。実はわたくしもそんな一人。そんな人におススメなのがこの本。インドの独立運動家ネルーが、1930年代に、獄中から娘インディラへあてた手紙の形で世界の歴史を語ったものです。
西欧中心のいわゆる世界史でなく、自らの生まれた国インドを中心に、周辺世界、接点のなかった世界との遭遇にいたる来歴など、実に分かりやすく述べているのです。運動家としてインドの現在に強い危機を持っていたネルーだけに、娘へ語ることばから彼の歴史への見方ははっきりとわたくしたちに伝わってきます。
たとえば、民族のことばについては、インドで十数にのぼる言語が使われていることをあげ、それらを「人民からとり上げるということは、だれにもできない」、「一国の国民が成長し一国の子供たちが学習するのは、かならずかれら自身のことばによらなければならない」という視点は、西欧的な価値が絶対視されていた時代のことばでありながら、今なおわたくしたちに日ごろしゃべることばの大切さを感じさせてくれるでしょう。
この本を読みながら、日本にとっての世界史というものを考えてみるのはどうでしょう。きっとややこしかった世界史がスッとアタマのなかに入ってくると思います。わたくしが今まで手に取った本の中で一番親しみが持てた世界の歴史です。
この新版では活字が大きくなり、旧版に比べずっと読みやすくなりました。その分巻数が多くなっちゃったのはお財布的にイタいけど…。でも大枚はたいてでも一読の価値ありの本です。
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