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先月(2017年2月)

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「いま手を打たなければ」レッシグ『コモンズ』書評(後編)

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 もちろん本書はただの緊急声明でなく、前著『CODE』からはじまったテクノロジーとアートとの越境がさらに深められている。インターネット技術の教科書に必ず出てくる「レイヤー(層)」の概念や「エンド・ツー・エンド」について、その提唱者とのインタビューを交えながらネットワークの可能性を語ってしまうところなどはその最たるものだ。
 また、フリーなUNIXがシェイクスピアの芸術作品にたとえられ、オックスフォード英語辞典(OED)がオープンソース運動にたとえられる視点は明らかにハッカー文化の影響を受けている[2]。レッシグはハーバード大学ロースクール在職中にMITのコンピュータサイエンスラボとの共同プロジェクトに関わっていたが、それ以来MITのハッカーとの共同作業を続けてきた。特にMITのPGPプロジェクトのリーダーでかつてフリーソフトウェア財団(FSF)の役員もつとめたこともある科学者のハル・エイブルソン教授[3]は、レッシグと共同で財団を設立しているほどだ。本書『コモンズ』が示すように、レッシグは深刻な問題にとりくむ学者であるのみならず、東奔西走する論客でもある。そして今後は共同プロジェクトのディレクターとしてもますます活躍するだろうと僕は期待している。

ブックガイド:

[1] ジョン・ポステルは大企業や国際機関が見向きもしなかったインターネット技術を誰もが実装できる技術標準としてまとめあげ、何の見返りも求めなかった無私の人である。『インターネットヒストリー: オープンソース革命の起源』に、ポステルへのインタビューおよび後任団体についての記述がある。

[2] 『ハッカーズ大辞典 改訂新版』には、ソースコードを芸術作品と見なす考え方がちりばめられている。

[3] コンピュータサイエンスの学生にとって、ハル・エイブルソンは和田英一訳『計算機プログラムの構造と解釈』の共著者として有名だ。エイブルソン教授たちが法的トラブルにも関わらずPGPを配布したりソースコードを出版した話は、レヴィー著『暗号化』ガーフィンケル著『PGP: 暗号メールと電子署名』にでてくる。

[4] 本書の中でレッシグが主張するフェア・ユースは日本の法律には存在しない考え方だ、だからレッシグの使っている道具は日本社会のデザインには使えない、という法律家がいるかもしれない。しかし日本とアメリカの法律は国際条約のコードでリンクされている。たとえばアメリカでソースコードの弾圧を引き起こしたデジタルミレニアム著作権法の迂回禁止条項は、同時期に日本の著作権法にも組み込まれていたりする。詳しくはサミュエルソン著『情報化社会の未来と著作権の役割』(信山社出版、品切れ)を参照。
 『コモンズ』序文にも名前がでてくる闘う法学者のサミュエルソン教授は『Think GNU: プロジェクトGNU日記とソフトウェアの憂鬱』(品切れ、http://www.villagecenter.co.jp/book/think_gnu.html にて本文公開)のユーザーインターフェース特許論争にも登場する「ハッカーの心を知る法学者」の先駆者である。彼女もまたレッシグたちの財団設立に際して共同ディレクターに加わっている。

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