muuさんのレビュー一覧
投稿者:muu
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紙の本楢山節考 改版
2002/08/02 00:33
しまつをつける
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「おりん」は自分の人生の終盤に、必要な仕事を片づけていく。
自分の葬式用の振る舞い酒、息子の嫁さがし、老人らしく死ぬために歯欠けになる…。
人からはこっけいとも映るほどに、まっすぐ豪快である。
愛などという言葉ではおおいきれないほど、ずぶとく、たくましく、
身の程を知った女。
最後に残されたのは自分の命にしまつをつける仕事のみ。
いよいよ旅立ちだという日、息子に背負われて山へ入る。
そこで望んでいた雪が振るのだ。
死ぬまで生きて、仕事をする者は幸いである。
紙の本子どもの瞬間
2002/07/30 19:01
なつかしい未来
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幼児期の、子犬のようにクリクリとしていた頃から時を経て、
大人への準備をする子どもたち。
心や体の中に収まりきれないほどの「自分というもの」をかかえて、喜んだり、
とまどったり、寂しがったりするあの子やこの子。
ある心象風景を時間やアングルを変えて追うくだりなどは、子供らの嬌声や体温、そこで吹いていた風までも感じられるようだ。
一生で一度きりのきらめく瞬間の記録である。いとおしく、まぶしい。
ここに登場した子どもの中に、あなたや、私や、
これから生まれるだれかをみつけることができる。
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