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先月(2017年6月)

幻の美少女さんのレビュー一覧

投稿者:幻の美少女

2 件中 1 件~ 2 件を表示

日米大逆転の活字にされなかった真実を描いたノンフィクション

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本作品は「真アメリカン・プロレス聖典」としても、これまで発売されてきた数々の類似本を寄せ付けない決定打となるだろう。究極のバイブルを意図して、アメプロ成功の方程式と軌跡を経済学の観点からも考察し、「失われた十年」の日米プロレス変遷過程に迫っている。キーワードは「情報公開と市民権」であり、北米エンタテインメント産業の盛衰を分析することで、日本のプロレス団体が株式公開できない理由まで明かして魅せた。

第一章「プロレスには種も仕掛けもあった」では、具体的な格闘芸術の作り方を一挙公開。「モーニング娘。」まで比較登場してわかりやすく舞台裏が説明されると同時に、エンタテインメント宣言した上でのプロレスの新しい楽しみ方が提案されている。ディスクロージャーによって巨大化した北米市場を歴史順に検証していくのが二章「アメプロのオキテ破りへの道」、三章「これが日米大逆転の真相だ」、四章「アメプロ混沌期の苦悩から成功法則を学べ」だ。ルー・テーズの虚実を暴き、ビンス・マクマホンの生い立ちを紐解くところから、WCWとWWFが正面から激突した「月曜生TV戦争」絶頂期の全容とその後日談までが現地生活者の視点から詳細されており、これまでの専門誌紙で書かれてきたものとの違いが顕著になる。

五章「日本マット界はなぜ凋落してしまったのか」は、未だカミングアウトできないままの日本の現状を徹底解剖。戦後のビジネスモデルとしてのプロレス伝説とその崩壊は金融界にもそっくり当てはまり、八百長隠蔽史を振り返るなど多面的な知的探求が試みられている。プロレスLOVEの真髄を紹介している内容だと言えよう。著者の95年の処女作『プロレス、格闘技・縦横無尽』(集英社)や97年の『開戦! プロレス・シュート宣言』(読売新聞社)、そして『誰も知らなかったプロレス&格闘技の真実』(幻冬舎)は初期2作の集大成となったが、本作品は日米比較に焦点を絞ったこれまでとは違うアプローチのプロジェクトになる。初めて「シュート活字」に触れる入門者にもわかりやすいし、かといって後半はマニアの皆様も納得の新情報も入れてある贅沢な構成を目指してある。

これから本書を買おうとするプロレスファンに対して、「タイトルがネガティヴなので批判的印象にならないか?」との心配がありうるが、今の苦しいマット界の冷え込み状況を思えば、いきなり挑発的な題しか考え付かなかった経緯があったようだ。プロレスファンは否定しながらも買うという図式を狙う作戦もあり、中身を読まれたら、冷静な現状分析やプロレス村への警告と同時に、数々の提言にも満ちていて、むしろプロレス感動の秘密にも言及してある。存分に楽しめる優れた推薦作だ。

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PRIDEの秘密、猪木の謎、闘龍門からBサップまで、すべてがわかるリングの聖典

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シュート活字の第一人者が世界のマット界を斬る! プロレスの舞台裏の仕組みと現場監督の役割をわかりやすく解説した1章。93年から始まったK-1、パンクラス、UFCによるシュート革命の概要から、UFOやDynamite!など最新の大会まで格闘技の歴史と魅力を伝え、その対極にあるアメプロ人気爆発の原因を紐解く2章。PRIDEの光と闇について、既存の専門誌では絶対に活字にされなかった真相をすべて暴露した3章。闘龍門やGAEA女子プロレスから、新日本プロレス、W-1、ゼロワンなど各団体を紹介した4章。総合格闘技の伝説を作った前田、船木、田村ら各選手の真実を詳細した「UWF魔界の宮殿」が5章。スポーツ・ジャーナリズムの金字塔となった『プロレス・格闘技、縦横無尽』(集英社95年)『開戦! プロレス・シュート宣言』(読売新聞社97年)から8年の歳月をかけて完成された究極のバイブル! モヤモヤの疑問にすべて答えるだけでなく、永遠に長続きするファンへの道標となるべく企画された三部作の完結編。まったく新しい情報と分析が、貴方を未知の底なし沼へと案内します。

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