忠平美幸さんのレビュー一覧

アメリカ人にさえ知られていない話の数々を（訳者コメント）

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　アメリカはどこかが腐りかかっている！ その現状を冷静に分析するために、著者マーク・ハーツガードは世界を旅し、「外の目」で祖国を眺めてみました。また、アメリカの象徴である自由と民主主義が本来の理念からいかにかけ離れてしまったかを、歴史的な観点から考察します。

　対象との距離のとりかたや、バランス感覚のよさは、すぐれたジャーナリストならではのもの。あの国の病は、現ブッシュ大統領が就任した瞬間に始まったわけではなく、以前からじわじわと進行していた（とくにレーガン時代の不摂生がたたったらしい）……。そして、その影響は世界じゅうに、もちろん日本にも及んでいるのです。

　ところで、『オズの魔法使い』がじつは政治寓話で、大恐慌時代のアメリカ国民を激励するための作品だったということ、ご存知でしたか？ 1973年９月11日にチリで、キッシンジャーが絡んだもうひとつの「９・11」が起こっていたことは？ 昨年の６月末に、オサマ・ビンラディンの対米テロを示唆する情報がロイターとＵＰＩから流されていたのに、メディアが黙殺したという事実は？
　——アメリカ人にさえほとんど知られていないという話の数々に、あっと驚いてください。

忠平美幸（翻訳者）

【目次】
第１章 世界を知らないアメリカ
第２章 豊かさが犠牲にしたもの
第３章 本当に自由の国なのか
第４章 アメリカ「帝国」がしてきたこと
第５章 堕落したメディア
第６章 行きすぎた「ドル」信仰
第７章 失われたアメリカン・ドリーム
第８章 アメリカ民主主義の悲喜劇
第９章 心の植民地化
第10章 ９・11をどう超えるか