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  3. 近藤龍太郎さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年6月)

近藤龍太郎さんのレビュー一覧

投稿者:近藤龍太郎

68 件中 1 件~ 15 件を表示

使えるテクニックやヒントがいっぱい!銀粘土制作の入門編卒業者には絶対おすすめ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 銀粘土によるアクセサリーの制作というのは、思いの外愉しいモノである。陶器を焼くのも愉しいのだが、シルバーアクセサリーの場合は、金属のようなカタイものが自分で造形できるという驚きと、完成した作品を身につけたりプレゼントしたり、といった完成後の広がりのある点がその楽しみを大きくしているように思われる。
 粘土のように柔らかいモノが、焼成の過程を経ると銀というカタイ金属に変化するというのは、何度やっても信じられない驚きがある。焼成前なら通常の粘土と同じように水で柔らかくすることも可能なのだ。

 素材が柔らかいから、造形の自由度はひじょうに高い。身の回りにある物体の凸凹を写し取ったりすることも簡単に行なえる。粘度を下げ、チューブ状の容器に入れて絞り出すようにして使う製品も発売されている。これなら、デコレーションケーキの要領で形ができるのだ。何よりも家庭で焼成できるのが嬉しい。

 このように、造形に関しては自由度が高く、扱いやすい銀粘土なのだが、最大の弱点と言えるのが焼成後の収縮だ。つまり、焼いて金属にすると小さくなるのである。これはちょっと厄介な問題なのだ。ブローチなどは、少し小さくなっても良いが、リングが小さくなると、サイズが変わって指に入らなくなる。この他、宝石など他の素材と組み合わせる場合にも、大きさが変わると都合が悪い。

 この収縮問題の他、焼成時間の短縮や焼成後の強度の問題(強い力がかかると割れやすい)などを解決した筆者が、そのスーパーテクニックを公開したのが本書である。

 したがって、本書には初歩的な制作の手順などは紹介されていない。一度も銀粘土をさわったことのない人には、本書の意味は理解されないだろう。いきなり応用編なのである。

 石と組み合わせる例、銀板・銀線と組み合わせる例、銀箔・ステンレス網・銅パイプの利用法などが具体的な制作の手順と共に解説されている。また、失敗例とその修正方法なども紹介されているので、実作される方にはたいへん参考になるだろう。アマチュアが趣味で作るなら、試行錯誤も楽しみの内だが、銀粘土はわりあい高価なので(原料を考えればあたりまえだ)、際限なく無駄にはできない。

 一応作品が作れるようになると、大胆な形状に挑戦したり、別素材との組合せに挑戦してみたくなるものだが、そんなときには本書が格好のガイドとなるだろう。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2000.12.29)

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紙の本仏像彫刻 鑑賞と彫り方

2000/11/29 18:15

制作方法の解説書だが、見事な写真とレイアウトで見る楽しみもプラス。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 仏像彫刻を志す人がどれほどいるか私にはわからないが、プロフェッショナルを目指す人はそう多くはないだろう。けれども、趣味でということなら、決してお手軽とは言えないが、なかなか良いご趣味としてお勧めできると思う。

 本格的な仏像彫刻は、けっこう敷居が高い。一般的な木彫の技法はもちろんだが、彩色や截金といった他の分野の技法もマスターしなければならないからだ。また、仏像の形をどうつくったらいいのかという、仏像自体の研究も必要になる。信仰の対象として作るつもりなら、材料の選び方や作業の進め方にも仏教的な知識が必要になるだろう。
 もともと仏像彫刻をになう仏師の世界は特殊で閉鎖的なものであり、30年近く前に松久朋琳が『仏像彫刻のすすめ』を出版したときにはずいぶん反発もあったと聞く。朋琳、宋琳親子は、その後も『仏像彫刻の技法』など多数の解説書を世に出され、宗教芸術院や全国各地の教室で仏像彫刻を教えるなど、実作の傍ら啓蒙活動にも力を入れて来られたのである。思うに、こうした活動を行なわなければ、現代においては伝統的な技術や技法は廃れてしまう可能性が高いのではないだろうか。

 私は、初期の著作も拝見しているのであるが、どうも今度の本とこれまでの本とはずいぶん違いがあるように思う。もちろん、年月の隔たりもあるだろうが、一つは制作の手順を示す写真以外の重要なものはすべてカラー写真が使われていること、そして、その写真は宮野正喜氏が撮影していることが違いとしてあげられる。また、ページデザインも今風で見やすく、解説されている内容に引き込まれてしまうほど見事な仕上がりである。紹介されている技法そのものが大きく変わっているということはないのだから、見せる技術が進歩したということなのだろう。解説の文字は少なく、ビジュアルで見せることをさらに重視した作りが功を奏したと言える。前著は制作の手引き書だが、本書は見る楽しみがプラスされている。
 本書の構成は、基礎知識と瑠璃観音を彫る実技編で全体の約半分、それに松久宋琳、朋琳両氏の作品写真が入っている。これはタダの鑑賞用ではなく、正面背面側面の他、ディテールも多数収録して、制作者の参考になるように配慮してある。場合によっては分解して、光背や台座だけの写真や手首を取ったところも収録してある。
 瑠璃観音以外に、阿弥陀如来、地蔵菩薩、不動明王、八臂弁財天の下図が収録されているので実作の際にはたいへん役に立つだろう。

 木彫に自身のある方なら本書をヒントに自力で仏像彫刻に取り組めるだろう。が、まったくの未経験だとそうはいかないと思う。まず、本書によって仏像彫刻の世界に浸ってみて、それからお近くの教室の門をたたくのが良いと思う。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2000.11.30)

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ユーザーなら一冊は手元にあると便利な全機能解説本。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ソーテック社の「スーパーリファレンス・シリーズ」は、DTPやWebデザイン分野の主要なソフトを丸ごと解説するシリーズである。つまり、マニュアル代わりになるほど、各コマンド、メニュー、ツールの解説を行っている。シリーズの他の本は、ほとんどプロ向けやハイエンドのアプリケーションを扱っている。したがって、本書が扱う「Photoshop Elements」は少々例外的だ。
 といっても、Photoshop Elementsは完全に初心者向きのソフトではない。これまでの「Photoshop Deluxe」や「Photoshop LE」などより、はるかにフルバージョンのPhotoshopに近いのだ。もう少し正確に言うと、4色のカラー分解など印刷のプロ用に用意された一部の機能を除くとPhotoshopと変わらない。機能をちょっとずつ“薄く”した廉価バージョン、初心者向けソフトとは違うのだ。Webデザインやデジカメ画像を編集・加工するなら、完全にプロ用のツールと言ってもいいだろう。それが、本シリーズでも扱う理由だろう。

 本書の構成は、こうした解説本のまさに王道。基本の操作から、レイヤー、テキスト入力、描画、画質調整、フィルタ、目的別の画像作成、プリントなど各機能の解説となっていて、学校・セミナーなどでも利用できるように考慮されているようだ。
 もちろん、こうした種類のアプリケーションであるから、ページの2/3以上がウィンドウのキャプチャやサンプル画像で占められている。が、図版だけにたよる方式ではなく、適度な文章による解説もあるので、“文字派”のユーザーも安心だ。フィルタやエフェクトの処理結果、描画モードやボタン、コンプレックスの一覧などもサンプルの画像が掲載されている。実際に操作しながら使う場合、こうした画像が意外に役に立つのだ。
 オールカラーで約300ページもある本書だが、名前の通りリファレンス的な作りだから、各機能のつながりはあまり解説されていない。したがって、全くの初心者が本書だけで使い方をマスターするのは無理だろう。そう言う場合は、他の参考書を併用する必要がある。

 全12Partは色分けされていて分かりやすく、透明感のある文字やパーツが使われていて好感が持てるのだが、デザインが微視的でページ全体の見やすさが考慮されていないウラミがある。また、サンプル写真の画像補正と色分解が不適切で、少々サイズが小さいこともあり内容がわかりにくいのが残念だ。もちろん、解説の価値を損なうほどではないのだが、できれば改善してもらいたい点である。
 価格や位置づけは入門者向けなのに、機能はプロユースと変わらないPhotoshop Elementsは、この分野での注目のソフトである。本書は、「とりあえず使い方を全部解説した本を手元に置いておこう」というユーザーには、レベルを問わず安心してお勧めできる一冊であると言える。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.11.21)

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あの日航機は自衛隊機に撃墜された?もしかしたらこれは巨大なミステリーの入り口かも……。

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 JAL123便は、昭和60年8月12日午後6時56分26秒御巣鷹山に墜落した。最終的に520名の乗客乗員がなくなり、奇跡的に4人の生存者が発見されたとはいえ、航空機史上最悪の事故となった。当時、ある程度の年齢に達していた人なら、必ず記憶にあるはずの大事故だ。
 しかし、原因究明は進まず、やがて発表された事故調査委員会の結論は納得のいくものではなかった。このため、現在に至るまでいくつもの疑問がおこり、疑惑が取りざたされ、憶測が流れている。
 といっても、雑誌記者でもない一般国民がこの事件に関して新聞やテレビ報道以上の知識を持ち合わせているとは思えない。私もまた同じである。毎年、事故の日に行われる慰霊祭のニュースで、十年一日のごとく変わらないアナウンスにあきれる以外、この事件を思い出すキッカケはない。
 金属疲労、隔壁破壊、迷走、ダッチロール……、といった流行語も生み出した。しかし、事故に関しては悲惨な結果だけが記憶に残り、原因や理由に関しては納得できる説明がなされていない。この事故に関する不思議な空洞感は、それが原因かもしれない。なにかアヤシイのである。
 著者は、この事故は政府スジが自衛隊を動かして意図的に起こしたモノであると断定している。文章は、仮説で始まっているが、実は著者の結論は最初から出ている。こうした疑惑解明には、事実を積み重ねて論証するというのが通常の手法だろうが、本書ではそうした意識は希薄だ。想像につぐ想像、仮説につぐ仮説である。もっとも、これは本書が著者にとって123便関連の4冊目の著書だから、という事情もありそうである。つまり、事実関係の認定はすでに前著で終わっているのであろう(たぶん)。
 したがって、事故の基本的な概要などは解説されていないのだが、これにはインターネット上のWebサイトに適当なものがいくつかあるので、そちらを参照すればいいだろう。
 果たして事故機が自衛隊のターゲットとなって墜落させられたものかどうかは別として、そのように解釈する余地は残しているように思われる。
 “インターネットで解く”というサブタイトルにつられて手にしたのであるが、ネット上のいくつかの発言が引用されている他は、残念ながらあまりインターネットに関連した情報が重要な役割を果たしているとは言えない。もっとも、著者の推理には役立っているのかもしれないが。
 それにしても、同じ内容を何度も執拗に繰り返す本書の文章は洗練されているとは言い難いし、意味がわからないほどではないが、日本語としても少々難があると言いたい。しかしこれを、“思い込み”の激しい文章と言うことも出来るが、ここでは著者の事故に対する“思い入れ”の強さであると理解しておこう。
 本書の内容が真実かどうかは別として、読後にGoogleあたりで「御巣鷹山」を検索してみよう。真相がうやむやになっていることに対する憤りがいくつものHPを生んでいる。下手なミステリーなど足下にも及ばない世界がそこにあることを保証しよう。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.08.08)

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音を出すもの、音を聴くしくみなど、音に関する仕組みと技術を総合的に紹介する本。

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 “音響設計学って何だろう?”という疑問が、本書を手に取るキッカケだった。音響というのは、音が響くと書くのだから、たぶんホールやオーディオルーム、あるいは都市や住環境における音響的な設計に関する本だろうと想像した。実際に演奏会を開いたり音楽を流さなくても、妙に音を反射したり特定の周波数で共鳴したり、といった不都合の起きる空間というものがある。つまり、音響的に快適な空間もあれば、不快な空間もある。そういうことに言及した、建築の1分野としての音響的な設計についての本であろうと想像したわけである。

 ところがそれは、ちょっと違っていた。
 この本の内容は、発刊の経緯とも大きく関連している。この本は、九州芸術工科大学の開学30年の記念行事的意味合いを込めて、音響設計学科の内容を概観できる本として出版されたのである。したがって、本の内容は大学の授業内容を反映しているはずだが、これがなかなかムズカシイ。芸術工科大学という名称から想像されるとおり、芸術大学でも工科大学でもないわけで、その両方をマスターした、いわばインテグレートされた人材の育成を目的にしているのだ。だから、教師陣も芸術分野、心理学、電気・電子系、建築分野など多岐に渡る。

 したがって、本書の内容もじつに幅広い。それだけにこうした背景を知らずに読み始めると、「これは何の本?」ということになりかねない。
 たとえば、音の響きについて述べたかと思えば、楽器が音を出す仕組みや三味線のルーツについて言及する。音声や聴覚の仕組み、音の知覚、聴く能力について解説するといった具合だ。
 というわけで、なにかある一つのテーマを深く知ろうと思っている人には残念ながらお勧めできない。しかし、将来“オト”に関する職業−−たとえば、レコーディングエンジニアなど−−に就きたいと思っている人や、音に関する基本的な考え方を広く理解しておきたいと思っている人−−たとえば、まじめなオーディオマニアなど−−にも良い本ではないかと思う。ただ、アプローチは、やはり学問のソレであるから、あまり楽しい解説を期待してもそれは無理である。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.02.05)

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ていねいな解説で初心者にも分かりやすく、Flashのスクリプト言語がマスターできる。

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 つい先日、荻窪駅にFlash 5の大きな広告ポスターが貼ってあるのを見て驚いてしまった。パソコンのソフトがTVCMに登場したのはもう大分以前のことになるが、ビジネスソフトならいざ知らず、Flashのようなアニメーションソフトがこうした広告展開を行なうとは……。いまでも、ちょっと信じられずに、同名の写真週刊誌か男性化粧品かなにかのポスターだったのではないかと疑っているくらいなのである。
 まぁ、これもインターネット様の効果ということなのだろう。

 Flashはアニメーションソフトだが、Webコンテンツで利用されることを意識して、……というよりもそのために開発されているといったほうが良いくらいのソフトだ。同じマクロメディア社のDirectorが動きのあるコンテンツに利用されてきたが、CD-ROMなどには良いけれど、ネット上のコンテンツには少々重たいといわれてきた。Flashはこの点を改良し、軽快に動かすためのツールとしては、もはや標準的な地位を不動のモノにしたといって良いだろう。

 Flashは、お手軽にチョイチョイとアニメーションが作れるところが好評だったのだが、標準的なソフトとなると、あれもこれもと欲が出るらしく、最新の“5”ではかなり多機能になってしまっている。本書『ActionScriptバイブル』も600ページを超える大著であって、Flashの一部の機能を解説しただけとはとても思えないのだが、これは内容を考えると仕方がない。

 ActionScriptというのは、Flash 5で使えるスクリプト言語である。スクリプト言語というのは、一種のプログラムだから、それなりにメンドウも多いができることの自由度は高い。DirectorにもLINGOという有名なスクリプト言語がある。FlashもActionScriptを使えば、Flash本体だけではできない、キーボードやマウスの入力に応じた動きをさせたり、サウンドをコントロールしたり、といったきめの細かい動作が可能になる。
 プログラムと同じ機能と言うことになれば、お定まりの「変数」「関数」「構造体」などといった言葉ともつきあって行かなくてはならない。当然、個々の関数(含むオブジェクト)の説明も必要なのだから、いきおいページ数が増えるのは仕方がない。けれども、この種の書籍で大切なのはサンプルのスクリプトとその解説である。自分が作ろうとしているスクリプトに近い実例や機能の使用例がのっているととても助かるのである。試行錯誤して使い方をマスターするのも愉しいかも知れないが、それは時間がかかる。

 本書は、6章に40あまりのサンプルスクリプトを収録している。これは特別多いとはいえないかもしれないが、個々の解説が詳しく、この種の本としては理解しやすいといえる。Flashで初めてスクリプト言語に挑戦しようという方にもお勧めできる内容である。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.01.25)

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心理占星学入門

2000/11/14 09:15

西洋占星術を“より”深層心理学的に解釈しなおした新占星学の入門書。

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 “心理占星学入門”というタイトルで、何を連想されるだろうか?
 一般的には“西洋占星術”という名で知られているので、“占星学”となっているのが気になる方、“心理”がくっついているのが気になる方、の2種類に分かれそうだ。

 “術”と“学”の違いは、占いの方法を目的にするのが“術”で、その原理や哲学を追究するのが“学”ということだろう。たとえば、「第4ハウスにおいて太陽と火星がコンジャンクションのときどう判断するか」というのは術の範疇で、「どうしてそう考えるのか」というのが学なのである。もっとも、我が国においては、こうした区別はあまり厳密にはされていないようで、本書においても出生図の作り方や、星座や惑星などの占星術要素の説明、どう占うかにも多くのページが裂かれている。ま、これは読者対象が専門家ではなく、一般の占星術ファンと考えれば納得できるのだが……。

 さ〜て、では“心理”が付いているのは何故だろう?
 占星術が個人の性格や心理を読みとるのはアタリマエだ。健康や事故など精神面とは異なる範囲もカバーするが、精神面が解析できない占星術など聞いたことがないし、意味がないといっても過言ではない。

 にもかかわらず、本書が「心理〜」とうたっているのは、もうちょっと積極的に人間の無意識領域にアプローチしようとしているからだ。フロイドがその治療に占星術を応用したのは良く知られているが、著者は、ユングの心理学に占星術との共通点を見いだしているようだ。

 ーーーユングはこの集合無意識の中に、特定の性格づけをもつある種のパターンのようなものがあることを発見しました。彼は人格的な色彩を帯びたこれらのイメージを「元型(アーキタイプ)」と呼び、それが人間をつき動かして、人の運命をリードすると考えたのです。ーーー本書「はじめに」より

 第7章では、シャドウ(無意識の中の影)とその投影について言及しているが、こうした部分だけではなく、これまでなされてきた占い方法の説明においても心理占星学的解釈がされている。したがって、入門者向けの説明になってはいるのだが、一般的な西洋占星術の基本を知っていた方が解釈の違いが分かって、本書をより楽しめるのではないかと思う。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2000.11.13)

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陰陽道占術の原典を現代語訳し詳しい解説を付加した貴重な書。

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 陰陽道と安倍清明がブームなのである。関連本の出版も相次いでいる。しかし、本書はそうした本とは一線を画すものであると思う。

 本書は、安倍清明が残したと伝えられる“幻の書”である「ほき(漢字入力不可?)内伝金烏玉兎集」の現代語訳である。というより、メインは著者によるその解説である。この書は、陰陽道の占術にとっては最重要書であり、元本と考えられているものらしい。といっても作暦法が述べられているわけではなく、主として暦注の解説である。当時の『具注暦』に表された吉凶の解説のために書かれたと思われる。

 原書の全体は5巻構成で、一から三巻が方位の吉凶や暦の吉凶を解説し、四巻が風水建築に関する造屋編、五巻が宿曜経の解説である。本書は、付加的な五巻はほとんど省略し、一から四巻の全訳となっている。

 本書を読めば、暦注に関するほとんどの用語の意味や由来がわかる。たとえば、十干十二支はもちろん、大将軍や歳破神といった八将神や××日の類などである。

 占星術には、西洋占星術のように本来天体観測をして実星で占うものと、虚星といって暦を元に割り出した星を使って占うものがある。中国から渡った日本の占星術はほとんど後者である。だから、暦とその読み方が大変重要になるわけである。

 もちろん、安倍清明の作というのは伝説であって、実際には弟子や後生の継承者が書いたモノである可能性もあるし、著者が複数である可能性も否定できない。不明というのが実際のところだろう。けれども、原書が長い間重要な文献として重視されてきたことは間違いのない事実である。

 内容を理解するには、暦や陰陽道に関する知識を必要とするので、万人に勧められる本ではないし、たぶん安倍清明ファンにもオヨビデナイ。しかし、占星術や暦に興味のある人にとっては、貴重な本ではないかと思う。即、占いに役立つと言うよりは研究のための資料という感じだ。

 原書の「序」には、入唐を命じられて海を渡るのに、「巨大な船筏を建造した」というくだりがあるが、ホントニ?と思ってしまう。また、弟子が清明の妻と不倫したあげく、秘伝の書を盗み清明を殺害したという物語が書かれている。もっとも、清明は師がかけつけて土中から蘇る(!)のだ。ハク付けのためのオーバーな修飾はお約束としても、全体に堅めなので、こういうのは息抜きとして楽しい。第二部の「陰陽道の呪法」も本書にとってはオマケだが、なかなか興味深い。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2000.10.10)

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陶芸に使われる釉薬の科学的な理論と実践を解説した書。陶芸家、陶芸ファン必携。

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 私にとって陶芸というのは、一つの夢である。もちろん、陶器は、日常見たり使ったりするのも好きなのだが、いつかは作ってみたいと思っているのである。仕事をリタイアしたら、立科とか日本アルプスの麓に居をかまえて陶器づくりに勤しむのが夢である。

 もっとも、数をたくさん作るのでなければ家庭でもきないことはない。マンションで登窯はちょっと無理だが、ユザワヤか東急ハンズに行けば電気で焼ける小さな窯がある。最近では、お昼の健康番組で「陶芸の健康効果(?)」が宣伝されたので、またブームになっているかもしれない。

 このように、現代ではちょっとの時間とスペースさえあれば、陶芸を始めることに大きな障害はないのである。けれども、私がどーも始められない理由は、釉薬に問題があるのではないか、と思っている。

 というのは、粘土をこねて形をつくるところまではいいのであるが、乾燥させて焼くと、ひびが入ったり割れてしまうものがある、また、日常的に使うものなら釉薬をかけるべきなのだろうが、これがどうも思い通りにならないらしいのである。

 せっかく時間をかけて作った作品が最後のところで妙な色に変身してしまっては、努力が報われないというものである。もっとも、予期しない良い結果となることもないとはいえない。窯の状態によって釉薬の状態が予期しない変化を起こすことを「窯変」といい、良く変化したものは珍重される。曜変天目釉などが有名である。しかし、それは芸術家(?)としてどんなものだろうか?

 もっとも、他のジャンルの作家、たとえば絵描きや彫刻家が、どこまで自己のコントロール下で作品を制作しているかというと、はなはだアヤシイものがある。しかしながら、細かい作業の積み重ねで作品が完成する場合、偶然性は修正し少しずつでも排除できる可能性がある。けれども、釉薬の場合は、ほぼ最終工程であって一発勝負なのだ。あとは、出来上がったものを認めるか、破棄するかという判断しか作家には残されていないわけである。

 物事を積み上げて完成させるのが好きなタイプの私としては、これが大変に苦痛なのである。まだ、初めてもいないのに苦痛とは変な話なのだが、これはやらなくてもわかる。……と思っていたのだ。

 ところが、本書はそうした釉薬に対する疑惑の大部分を晴らしてくれた。釉薬について科学的に明快に解説してくれているので、もやもやが取れたのである。本書の性格からすれば、初心者が読むべき本ではないが、陶磁器ファンが読んでも充分楽しめる内容である。私のように釉薬に対する偏見で陶芸を始められないでいる方にも是非読んで欲しい。もっとも、それでも窯の中では不可解なことは起こるんだろうなぁ。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/デジタル・デザイナー 2000.09.23)

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新しいOSをどうやって導入するか、どう使えるのかを紹介。導入前の基礎知識はこれでバッチリ。

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 マックユーザーにとっては、“ついにきてしまった”という感じだろうか。人によっては“待望の”かもしれないが、仕事で使っているわれわれにとっては頭の痛い問題が山積みだ。もっとも、これは今回に始まったことではない。新しいOSに移行した場合、ユーティリティやドライバ、アプリケーションなども見直さなければならないことがほとんどである。複数のアプリケーションを使っていると、そうした出費や手間はバカにならない。しかも、そういうことに時間と労力を費やしても、誰もほめてはくれないし、それ自体は1円の利益も生み出さないのである。

 新しいOS……パソコンの本体に新しいCPUが埋め込まれ、機能がアップして行くことは必定であり、OSがそれにともなって機能アップして行くこともまた理解できる。ただし、今回のOSは、これまでのMac OSの延長上にはない。正確に言えばまったく別のOSと思って間違いない。もちろん、従来からのユーザーを考慮して、同じような動作環境も用意しているが、それもまったく同じというわけではない(エミュレータでないといっても、完全に同じではないはずである)。

 念願の完全なプリエンプティブ・マルチタスクと足場を強固なものにするために、その心臓部に採用したのがBSD UNIXだと知れば、従来のOSとは別物であることがわかるだろう。

 つまり、マックの新しいOSはUNIXをベースに、従来のMac OSやNeXT風のビジュアルシェルをくっつけたモノと、なにやらワークステーションじみた成り立ちなのである。保守的なユーザーだったら、「自分のパソコンに入れるのはどんなもんだろう?」と考えてしまうのではないだろうか? あのアプリケーションは動くんだろうか? 周辺機器はどうなるんだろう? 新しくドライバが必要なんだろうか? ……等々といった心配も数多くある。

 そんな場合に便利なのが、本書のようなガイドブックである。雑誌の特集なども速報性や一つの情報源としては良いのだが、全体像を把握するには情報量が少なすぎるウラミがある。しかし、単行本ならばそうした心配はない。

 こういう場合、使い方や操作の説明よりも、必要な動作環境やインストールに関する記述が重要になる。Mac OS Xには、Mac OS 9.1と同等の環境を提供するClassicという仕組みが用意されているが、実際に使い始めるとお世話になることの多い、こういった仕組みに関する記述も重要だ。

 もちろん、すでにプリインストールモデルが出荷されていると言っても、現時点で新OSしか知らないユーザーというのはまずあり得ないので、本書も従来のMac OSを知っているユーザーを対象に書かれている。

 Macintoshが一台しかない場合は、Mac OS Xの導入は慎重に行うべきだろう。本書は、Mac OS Xを導入しようとするユーザーの気持ちをよく理解して作られているように思われる。具体的な操作や設定方法はあまり解説されていないが、導入ガイドに徹した作りと理解すれば納得できる。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.11.23)

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インターネットの高速通信網、放送のデジタル化、次世代携帯電話など新技術の行く先は……

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 ITブームの中でインターネットが果たす役割は大きい。しかし、アナログの電話回線やISDN程度のスピードでは、とても動画配信などはおぼつかない。新しいメディアとしては、ADSL、CATV、FTTH(光ファイバー)などがぜひとも必要で、できることなら早急かつ安価にFTTHが普及することが望まれる。
 一般に、インターネットに利用されるこうした高速の通信回線を「ブロードバンド」と呼んでいる。ADSLをはじめとした高速常時接続の回線が安価になったために人気となり、解説書の類も数多く出版されている。

 本書も、サブタイトルを見ないウチは、こうしたインターネット回線に関する解説書の一種ではないかと思われても仕方がないだろう。けれども、本書の範囲はインターネットの回線問題だけではなく、携帯電話、TV放送、デジタル家電、CATVや衛星放送などコンテンツの供給側の話題、遠隔医療、オンライン教育、音楽配信など幅広い。あえて要約すれば、通信と放送の最新事情といったものが集約されている。ブロードバンドという言葉にこれだけの幅を持たせていいものかどうかちょっととまどうが、本書のねらいそのものが“ブロードバンド(広帯域)”であることは間違いない(笑)。

 本書のもっとも良い点は、ここ1年あまりの通信と放送に関する最新の技術動向がコンパクトにまとめられているところだろう。したがって、政府、携帯キャリア、放送会社、デジタル/通信業界などの最新のベクトルを読みとるのには最適だ。
 一度目にした情報であっても、数ヶ月すれば記憶の底に眠ってしまう。こうして一覧表のように見せられれば、全体を把握するのもさほど難しくない。実際に、私もメールで最新の業界ニュースをチェックしているが、読んでもスグに忘れてしまうし、見逃した情報も沢山ある。情報というのは、少し時間をおいて関連した情報とともに整理して解説された方がより意味が明確になる、ということもある。

 こうして、大きな流れが把握できると、ブロードバンドの先に何があるのかという予測も可能になる。毎日、業界の動きをウォッチしている人も、一度情報を整理する意味で、本書を一読されることをお薦めする。もちろん、業界の動向を手っ取り早く知りたい新入社員や学生などにも、恰好の参考書となるのではないだろうか?
 情報が古くなっては意味がないし、時間が経てば新しい動きもあるだろう。読むなら、今すぐだ。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.09.18)

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自分のホームページに動画を加えたいが、方法がワカラナイという人は必読!

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 ホームページを持っている人でも、“動画配信”と聞くと、なんとなく敷居が高そうなイメージを持つだろう。実際、個人で自分のホームページに動画を入れている人は、まだまだ少ないのが現状だ。その理由は、「適当な解説書がないからだ」というのが本書の著者の言い分である。
 たしかに、ホームページの作成方法を解説した本でも、画像を貼り付けたりサウンドを入れたりするところまでは解説していても、動画までは手が回らないようで、解説している本はごく少ない。

 もう一つの理由は、本書でも触れられているように、動画ファイルの作成自体がアマチュアには少々荷が重いということだ。もっとも、私の考えでは個人のホームページにおいては、あまりクオリティを問題にする必要はないのだから、もっと動画があっても良いような気がする。
 というのは、DVカメラやデジカメの動画機能を使えば、撮影してパソコンに取り込むことはそれほど難しくないからだ。問題は、冗長な部分をうまく削除したり、つなぎ合わせるといった編集作業である。静止画にもトリミング作業が必要だが、動画の場合は要らない映像がいっぱい映ってしまうから編集は必須だろう。

 しかし、これも低価格なムービー編集ソフトがいくつも発売されているから、かつてのように構える必要はなくなった。うっかりすれば、買ってきたパソコンの中に最初から入っているかも知れないのだ。
 こうなると、確かにあとはサイトにのせる方法だけかもしれない。

 本書では、「プロバイダのWebサーバを使って動画配信」「簡単なリアルタイム配信(ライブカメラ)」「サーバを立てて本格的に動画配信」する方法を解説している。もちろん、この解説の理解に必要な周辺の技術も併せてわかりやすく説明している。
 「それほど難しくない」とはいうものの、動画ファイルを作成したり周辺環境を整えたりするには、それなりの知識と若干の投資が必要になるだろう。とりわけ、高速なインターネット回線はぜひとも必要なものであるし、動画配信自体、ブロードバンドが前提ともいえるハナシなのだ。動画作成やインターネットの環境が動画配信に十分かどうかも、本書によって確かめて頂きたい。
 同社には「図解××のしくみ」シリーズがある。本書も一見して同じシリーズに見えるが、本書はしくみの解説だけではなく具体的な操作方法も解説している点が異なる。動画配信のしくみが知りたい人や、自分のホームページに動画を加えたい人には、最適な一冊である。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.09.14)

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ツボを押さえた、適切で平易な解説で、自分のWebサイトにJavaScriptを取り入れたい制作者は必読。

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 シンプルなHTMLベースのWebデザインでは、あまり凝ったことには対応できない。それは、デザイン的な問題もだが、インタラクティブな動きを持たせるといった操作上の“しかけ”がまるっきり出来ないからである。
 したがって、現在Web上で注目されるような凝ったツクリを目指す場合には、HTML以外になんらかの外部的な手段を導入するしかなのである。その、最右翼の候補がJavaScriptである。

 JavaScriptは一種のプログラミング言語といって良いが、もちろんアプリケーションを作成するような、単独で何でも出来るプログラミング言語とは異なる。そのため、どのように動作し、何が出来て何が出来ないのかといった基本を理解しておくことが重要である。ソウイウ場合、本書のように本当によく理解した人の解説がわかりやすい。翻訳も、良く意味を理解した上で訳出しているし、例題や画面表示もすべて日本語化されているので、翻訳モノであることを意識する必要がないのはすばらしい。

 全体は14章で構成されており、JavaScript自体の解説、変数などプログラム要素の解説、ブラウザ別の対応などを解説した後、実践的なプログラミングの解説に入る。各章にはそのまま使えるスクリプトが紹介され、十分な解説や注意も加えられているから、カタチを変えて応用することもできるだろう。
 各章の終わりには、「まとめ」と「確認問題」が配されているから、自分で理解度を測るのにちょうどいいと思う。

 本書は専門家向けではないので、「クッキーとは何か?」といった初歩的なことも一応説明しているから、あまりインターネットの仕組みに詳しくなくても安心だ。もっとも、いくら優しく解説されているからといって、ホームページ作成の初心者がJavaScriptに挑戦するのはムリがあるだろう。うまくやれば、本書に掲載されているリストを組み込んで動かすぐらいのことはできるだろうが、自分で一から作るにはソレナリの覚悟が必要だと思う。目安として、HTMLで記述されたリストが大体理解できて、ちょっとした修正が可能な程度のスキルは必要だ。

 ツボを押さえた、適切で平易な解説は、“ホームページは立ち上げたが、もう少しきめ細かいウィンドウのコントロールや画像の入れ替えなどを取り入れたい”といったレベルのホームページ制作者にお勧めの一冊である。サンプルスクリプトと体験版ソフトの入ったCD-ROM付き。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.09.12)

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作品のデジタル化を考えているプロのカメラマンには文句なくお勧め

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 コンシューマ用のデジタルカメラが爆発的に売れているらしいが、プロのカメラマンにもデジタル化の波は確実にやって来ている。もちろん、従来通りの銀塩写真もまだまだ使われているし、分野によってはデジタルじゃダメということもある。しかし、撮影の後の行程がデジタル化している、つまりDTPによるプリプレスが一般化してきているから、写真のデータもデジタルのほうがありがたいのだ。Web用の画像であればなおさらである。
 従来であれば35mmでバンバン撮りまくるような用途がデジタル化するのは別に驚かないけれども、スタジオで4×5撮影のような写真も一部でデジタル化が“進行”しているのだ。もちろん、こうした分野で使えるデジタルカメラ(カメラバック)は限られているから、銀塩写真→スキャニングによるデジタル化という方法が実用的だ。

 本書では、こうしたハイエンドのデジタルフォト、正確に言えばフォトをデジタル処理する方法について、基礎から解説している。これからデジタル化に挑戦しようと考えているプロのカメラマンが知りたいと思っていることが、要領よくまとめられている。
 入門的な順番から言えば、「デジタルフォト導入ガイド」で必要な機材の紹介や実践的なワークフローについて解説。フォトグラファーのための画像処理基礎講座では、Photoshopの「ここだけは押さえろ」と題してポイントを絞った解説。より実践的な「納品データ作成のための仕上げとチェック」やプリンタ選びの参考になる、「写真家4人が語る私が選んだデジタルプリンタ」などがある。

 けれども一番のキモは、「8人のフォトグラファーによる画像処理の実践」と題した、プロの画像処理例だろう。ファッションフォト(設楽茂男)、商品撮影(早川廣行)、車の「走り」のイメージ(馬場孝治)、B&Wフォト(矢部國俊)、広告グラフィックイメージ(永嶋サトシ)、インテリア撮影(竹澤宏)、デジタルヌード(中島秀)、風景写真(小川勝久)の8種類のデジタル処理部分、つまりPhotoshopによる画像処理テクニックが紹介されている。どのケースも、ほぼ実践で使われていると思われる処理で、それだけに汎用的ではないが、レベルの高い仕上がりを追求するときには、自分の作品に応用できるテクニックやヒントが沢山ある。
 たとえば、カラー写真をモノクロ化するのは、本来ならコマンド一発で可能なわけだが、カラーに匹敵するニュアンスを持ったモノクロ写真とするために、さまざまなテクニックを駆使した処理が紹介されている。心配なのは、初心者が見て「画像処理ってこんなに面倒なものなの?」と思ってしまうことだが、これは最大限に凝った“作品”級の仕事だと理解すべきだろう。

 デジタル化を考えているプロのカメラマンには文句なくお勧めだが、実践部分やカラーマネージメントに関しては、Photoshopを使うデザイナーが読んでも参考になるだろう。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.09.08)

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紙の本無料裏技ホームページ

2001/08/29 15:16

無料ホームページを利用し安価にホームページを作成するノウハウを伝授する本。

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 確かにインターネットは普及した。それどころか、WebブラウジングやEメールを使いこなせなければ、大学の授業や就職だってままならないご時世である。友人同士のコミュニケーションだって、かなりの割合でネットに依存しているケースが多いはずだ。これにともなって、積極的に自分のホームページを持つ人も増えているようだ。数年前のキャッチフレーズのように「世界に向けて情報発信」というのは、ちょっと気恥ずかしいけれど、同好の士が集まるキッカケなどには最適のメディアではないかと思う。

 そうはいっても、もちろんホームページはタダでは出来ない。インターネットにかかるお金は、通常、通信料金とプロバイダ料の2種類必要だ。一般家庭では、アナログ電話回線やISDN回線を使ってインターネットに接続するのが普通だ。このため、NTTや他の電話会社の回線を利用することになる。これが通信料金だ。プロバイダ料というのは、電子メールやWebサイトを利用できるようにするしくみを提供するプロバイダと呼ばれる会社に支払う料金だ。ほとんどのユーザーは、プロバイダと契約してメールアドレスをもらったり、ホームページ用のスペースを利用したりしているのである。

 本書の「タダワザ」とは、自分でホームページを立ち上げるのにかかるコストを無料にしようと言うものだ。ただし、通信料はタダには出来ないし、何らかの方法でWebサイトにアクセスできるようになっていなければならない。どこかのプロバイダと正規の契約をしているなら、たいていホームページのスペースは用意されているはずだから、学校や会社などの団体に属していて、インターネットにアクセスできる人などが対象ということになる。あるいは、「契約しているプロバイダのスペースは、すでに使ってしまっていて、別の目的でホームページを作りたい」というケースもあるだろう。

 本書では、「無料ホームページ容量レンタルサイト」を利用し、無料のホームページ作成ソフトとしてマイクロソフト製「FrontPage Express」を使う。必要に応じてHTML編集、JavaScriptなどでステップアップさせていくという趣向だ。画像の編集には「Paint Shop Pro 7J Evaluation」(体験版)を使う。ホームページを作成するといっても、いろいろなレベルがあるわけだが、フレームの利用や入力フォームの作成など、一通りの要素は含まれており、配色の工夫などについても説明されている。
 ただし、FrontPage Expressで作成したページをHTMLベースで編集したり、JavaScriptでステップアップするわけではない。それぞれの解説が独立している点が少々残念だ。また、HTMLテキストの内容がウィンドウのキャプチャを使って表示されており、かなり小さな文字を読まなければならないのは改善を望みたい点だ。

 類書も何冊かあるようだが、本書は「あれもタダ、これもタダ。どーですここまで出来るんです」といった大げさに嬉しがるそぶりがなく、好感が持てる。解説の内容もしっかりしているので、無料サービスにこだわらず、有料ホームページを利用するユーザーにもお勧めしたい。各種ホームページ作成用アプリケーションの体験版、フリーウェア、フリー素材集などが入ったMac/Win用ハイブリッドCD-ROM付き。 (bk1ブックナビゲーター:近藤龍太郎/電脳評論家 2001.08.30)

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