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火宵の月

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陰陽師有匡は、人間と妖の間に生まれたという、たいそう稀有な種族です。

実の父親が、有匡の中にある妖力を嫌って彼を殺そうとした子供時代のトラウマから、自分の中の妖を認めることを拒んで生きてきたものだから、猫でもあり子供時代の自分の唯一のこころの拠り所だった、半猫半人の火月とのことも素直に認められず。
そんな有匡ですが、普段はクールで人を寄せ付けない性格なのに、火月の涙には絶対勝てない優しさがたまらんのです。

式神シスターズや唐に住む琥龍たちなどのキャラクターも魅力的で、いいなぁ式神（便利だし）なんて思ってしまいます（笑）

火月が記憶をなくしたとき、あれほど愛した有匡なのに、彼の出す強烈な気におびえて近付くことができなくて、愛していた人だと言われても信じられなかったのに、彼に抱きしめられたとき、その気の外側はギザギザで恐いけど、その中にいれば、自分を守ってくれるんだぁと思って安心して目を閉じるシーンがあって。
ほんとにね、ああ、それってほんと守られたい女心〜とちょっと切なくなっちゃいます（笑）

かわいくておもしろくてお勧めです。