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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

一読者さんのレビュー一覧

投稿者:一読者

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予想外の良書

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最初にこの本の題名を見たときは,既に出尽くしたテーマに関するもので今更新鮮味はなさそうだなと思った。また、NHKブックスというシリーズの薄手の本なので、内容も教育テレビのような当り障りのないものではないかと私は危惧した。しかし読み始めてみると、これらの心配が杞憂に過ぎないことがすぐにわかった。

普通、本のはしがきでは一般的なことや内容の紹介など当たり障りのないものが中心だが,本書では著者の深い洞察が既にそのはしがきに述べられ、重厚なものになっている。おそらくこの「はじめに」は、はしがきというより序章なのであろう。例えばそのはしがきの副題「迷走する経済論壇」は、それだけでも一つの本が書けそうな面白いテーマである。いくつか抜粋すると、不良債権について『経済全体の供給に対して需要が不足している限り、売れ残り分は新規の不良債権の発生因となるのだから、不良債権の「抜本」処理は困難である。 ……その策に固執することは、需要不足という根本問題への取り組みから目をそらせ、やりすぎれば逆に景気を沈滞させて不良債権が増えさえする。』--p. 10. 構造改革のことでは、『構造改革論は、長期的には市場任せにすれば景気が回復するという、根拠の示されたことのない信念にもとづいていく策である。 ……それはアメリカで定説とされている経済学の教科書にもとづく策であるため、大半のエコノミストがそこから離れることができないでいる。』--p. 12. さらに不況について、『この10年の長期不況は、特定の理論的立場から離れられない経済論壇がもたらしたのである。 ……経済論壇のこうした混迷は、経済を経済のなかでしか見ず,限られた枠のなかで犯人探しをしていることに由来している。』--p. 13. 消費と貯蓄についても、『家計所得の約八割は消費に使われ,貯蓄には二割しか回らないのに、経済理論は貯蓄ばかり論じてきた。』--p. 14. これらはまことに説得力がある。

このような著者の鋭い切り込みは本論に入っても変わらない。例えばよく話題になるインフレ・ターゲットについても、『貨幣をいくら供給したところで、人々はそれを使うことなく退蔵してしまっている。貨幣を持ったり使ったりする動機と物価上昇率が無関係なのだから、インフレにしようと貨幣供給量を増やそうと,人々はモノを買わないし,買わなければ現実に物価は上がらない。この議論の誤りは,貨幣を退蔵する理由をデフレに求めたところにある。人々は不安だからお金を使わないのだ。』--p. 115. これなどはまさにその通りである。さらに、『また、インフレ目標論では、日銀総裁がインフレ目標を宣言すれば,それが政策目標として透明性と説得力を高めるといわれている。けれども、どのような調査にも、政治家や官僚をそこまで信頼しているという国民の評価は存在しない。エコノミストが真理だと勝手に信じていることならば国民は信じるはずだというのは、偏狭な妄想だ。』--p. 115と述べ、机上の空論を提唱するエコノミスト達について容赦ない批判を浴びせている。

私自身今までにも、一部のエコノミスト達の主張には、どこか地に足が付いていないような胡散臭さを感じたことがしばしばあった。たとえばそれはIT産業や福祉事業が雇用問題を解決するであるとか、金融の自由化によって庶民の資産構成が変化して株などに向かうと、企業の資金調達が楽になるので日本経済は再生するとかいったような議論である。しかし現実にはそれら専門家の予想に反して雇用問題は依然として深刻だし,大多数の人々の資産構成も劇的には変わっていない。著者は学者でありながらそういったエコノミスト達とは一線を画し、現実に裏打ちされた説得力のある議論を展開している。

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