竹熊健太郎さんのレビュー一覧
投稿者:竹熊健太郎
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2004/02/13 10:54
著者コメント
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『マンガ原稿料はなぜ安いのか?』、実はこれ、bk1で連載していた文章(の一部)を単行本化したものであります。まだbk1にもモトの文章が残っていたりしますが(「マンガ千夜一夜」「電妄つれづれ草」)、本書では大幅に増補改訂したうえに違うエッセイも多々収録しておりますので、なにとぞよしなにお願い申し上げます。
本書のタイトルにもなったマンガ原稿料の話、連載時には特に力を入れた自信作であります。誰もが興味を持ちながら誰も語らなかったこのテーマ、活字になるのはたぶん本邦初でありましょう。単行本では新人マンガ家の詳細な【収支内訳】も載せてありますので、これからマンガ家を目指す人にも必見の内容となっております。
これまでもマンガが経済的側面から語られることはありましたが、多くは、マンガはいかに儲かるかということばかりであったように思います。しかし光あるところには影もあるわけで、その部分もキチンと語らなければ実態を見失ってしまうでしょう。
たぶん産業としてのマンガは、ここ三〇年で最大の危機的状況にありますが、マジメに危機を感じている人ならば、私が本書で書いた内容にもそれなりにご納得いただけるのではないかと考えております。
本書を上梓したことで、私はマンガ雑誌から今後お仕事をもらえなくなる可能性もありますが、今でもロクにもらっていないので、別にいいです。なおイラストは『恋の門』が近々映画化(松尾スズキ監督)される羽生生純先生が担当しておられます。こちらもよろしく!
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【目次】
はじめに マンガ・景気のいいハナシ
Part1 マンガ業界のハナシ
マンガ原稿料の秘密
描き下しマンガの可能性
1+1=3 〜「原作論」の確立に向けての提言〜
マンガ幼年期の終わり?
マンガ研究の現在
マンガ 世界 戦略
マンガと文学
映画とマンガの新しい関係
マンガと著作権
トキワ荘、完全消滅
Part2 マンガ本のハナシ
作家のすべては処女作にあり! 『魔少年ビーティー』荒木飛呂彦
♪どんどん増える星の数、末は社長か会長か? 『島耕作』シリーズ、弘兼憲史
消えたマンガ家の幸福なその後 『ドリーム仮面』中本繁
甘美なる終末 『方舟』しりあがり寿
彩雪に舞う…… 『彩雪に舞う…』楠勝平
巨匠・幻の遺作 『南回帰船』作・中上健次/画・たなか亜希夫
竹中労と『黒旗水滸伝』 『黒旗水滸伝』作・竹中労/画・かわぐちかいじ
マジメな芸術家の描いたマジメなマンガ 『漂流教師』パルコキノシタ
無邪気な邪気 『シンデラーラちゃん』水野純子
もうひとつの「メカと美少女」 『ニナ・ライカ』作・川崎ぶら/画・秋重学
天然まんが家 『やぶれかぶれ』本宮ひろ志
もはや<パロディ>ではない! 『神罰』田中圭一
Part3 マンガ作家のハナシ
宮崎駿という奇跡
赤塚不二夫を語る
ママがこわい 〜楳図マンガの「求心力」について〜
新海誠論 あなたは『ほしのこえ』を見たか?
Part4 サルまんのハナシ
『サルまん』はこうして生まれた
【特別付録】幻の第一回サルまん・ボツネーム 画・相原コージ/作・竹熊健太郎
あとがき
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