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斉藤そよさんのレビュー一覧

投稿者:斉藤そよ

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紙の本ひとりのはらに

2003/10/24 03:15

著者コメント

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どんな出逢いも、ちょうどよく、出逢うべくして出逢うもの。
そこにあるのに見えないものは、今はまだ、見る必要のないものごと。

・・・そんなふうに、つねづね思ってきたのだけれど、そのことを、やっと実感できたのは、ある春の日の朝でした。

 「さぁやっと、その時ですよ。」 というふうにして時が来て、出逢うべくして出逢ったものは、足もとに咲く小さな野の花たちでした。

 毎日歩く道ばたに、野の花たちが、こぞって姿をあらわしました。昨年も、そこにおなじに咲いていたと思われるのに、昨年の、わたしの目には、まるで映らなかった花たちでした。

 どんなに小さな野の花も、可憐ではなく、はかなげでもなく、その凛とした居ずまいに、たちまち惹きつけられました。

 出逢うべくして出逢う出逢いは、こんなにも、こころにぴたりと寄り添うもの・・・ということを、その春はじめて身をもって、つくづくしみじみ知りました。

 その年の、春から秋へとうつろうなかで、書きとめてきた想いと言葉が、こうして本になりました。

 地元の写真家・若林浩樹氏のたくさんのフィルムのなかに、わたしが出逢った花たちと、そっくりおなじ表情の野の花たちを、ひとつふたつと見つけるたびにうれしくて、あらたな出逢いに感謝しました。

 「ひとりのはらに」 この本は、たくさんの方のご支援をいただき、やっとの思いで生まれました。かけがえのない本です。

 この本を手にしてくださるどなたかが、もしも 「出逢うべくして出逢った本かもしれない」と、感じて下さることがあるなら、そんなに嬉しいことはないです。

2003年 秋 / 斉藤そよ

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