サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. coyukiさんのレビュー一覧

coyukiさんのレビュー一覧

投稿者:coyuki

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本無銭優雅

2007/02/16 12:02

山田詠美はロックだ!

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 正直、最初は嫌な予感がした。「さしものエイミーも鈍ったか?」
過去のエッセイや「ラビット病」などを思わせる、カップル同士の甘く軽妙な会話が、前半は延々と続く。
巧すぎるほどの豊かな比喩、俗っぽさをおそれず、でも自分ルールでは決して品を落とさない男女の軽やかな生き方。それは確かに、私の愛するエイミーの世界なのであるが、その世界のあまりの堅牢さが、私に『エイミーはもう、落ち着いてしまったのだろうか?』『もう、安定したベテランの道を行くことに決めてしまったのだろうか?』と、早合点な心配をさせてしまったのだった。
 しかし!後半にさしかかるうちに、どんどん話は進展していく。お気楽のんきに暮らしていく二人が、その生活を保持していくことの困難さ、危うさに、エイミーはどんどん迫っていく。文間に挿入される、名作(このラインナップがまた、さすが山田詠美!という鋭いセレクト)の数々も、その不穏な空気をどんどん盛り上げていく。こうなると前半は、築き上げた世界を一旦解体し、さらに再生するための、壮大な複線だったのかと思う。
 リアルな40代の恋愛は、相手だけでなく家族や友人や仕事や生活や、色んなものの影響を受けざるを得ない。その中でもみくちゃにされながら、それでも何か叫びたいことがあるから、人は生きていくのだ。
『人生は甘くない、それでも人生は続く』そのことを、ここまで見事に描き出した作家はいなかったのではないか?人生の理不尽さに、敢然と立ち向かった作者の姿勢に、深く深く敬意を表したい。山田詠美はやっぱりロックだ!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。