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セテムブリーニさんのレビュー一覧

投稿者:セテムブリーニ

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本反哲学入門

2014/10/25 23:09

ニーチェ以後の反哲学

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ニーチェ以後の反哲学についての説明は圧巻。ハイデガーがニーチェの考えを継承していること、また、ソクラテス以前の思想家たちの存在概念に一周回って帰結することは非常に新鮮であった。同化ユダヤ人問題についても納得がいくものであった。ニーチェ以後に始まる反哲学と、それ以前の哲学史を体系的に振り替えることで、哲学史の全体を見渡すには非常に役立つ、かつ、そこにはれっきとした一貫性があることに気づかされる。

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紙の本朗読者

2014/08/24 18:31

父親世代への反抗

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

戦争責任問題を提起する作品。もし、愛する人がナチスのホロコーストに加担していたら?という質問も大事だが、二つの論点を見出した。一つは、他人への干渉が正義となるのかということ。ハンナは読み書きができないことを恥じた故に裁判で絶対的不利になった。その恥を知ったミヒャエルは自分が裁判でそのことについて話そうかどうか迷う。終いには哲学者である父に相談するが、父はそれを条件付きで否定する。本人に許可を得る必要があるのだと言う。結局それはできず、ハンナは無期懲役を言い渡される。恥か真実か。この二つを見事に対立させている。ミヒャエルの視点から、干渉が正義になるのかという倫理的な論点を提示している。二つ目は、ユダヤ人虐殺の執行者はどのような気持ちで実行していたかということである。本作の中で、「感覚の麻痺」という言葉が度々出てきたことに加え、ヒッチハイクでミヒャエルを拾ってくれた運転手のおじいさんの話も参考になった。ここでは、明確な答えは与えられない。作品を通して、鋭い質問を提起するのだが、そのほとんどは考えをめぐらすだけで、答えにはたどり着いていない。ただし、論点の提示は素晴らしい。答えは読者に委ねているのだろうか。

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原点回帰かつパラダイムシフト

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「介入せよ、上流で」というイグナチオ・ラモネの言葉が結論。
人道的介入を論じる上で、視点の転換が必要。
人道的介入というと、軍事介入をイメージしやすいが、その場合、絶対的平和主義と絶対的倫理主義が対立し、ディレンマが生じる。不介入原則と武力不行使原則を合法的に克服する難しさがそこにある。法的条件と道義的条件を同時に満たす必要があるのである。そのため、その土俵で論じるのは非常に難しく、両義的である。
ここで、軍事介入という"下流"から、NGOによる人道救援活動、軍組織による支援活動といった、極限状態に至る以前の介入、すなはち犠牲者のアクセス権や予防的介入という"下流"に視点を移す必要があり、そこにこそ人道的介入の可能性が潜んでいる。
人道的介入をする上で大切なのは、虐げられる人々が何を求め、何が彼らにとって望ましいかである。介入する側の政治的側面や軍事誇示という傲慢な側面に左右されるべきではない。
人道的介入が長期的に目指すべきなのは、「対立する人々の和解」であり、いかなる介入も和解を遠ざけるものであってはならない。来たるべき和解を想定した七が真に「人道的」の名に値するのであり、この観点からすると、ユーゴ空爆は、コソヴォにすむ人々の和解を手助けしたものではなかったので真に「人道的」とは言えない、と著者は主張する。
最後に、私が本書を読んで、一番印象に残った言葉を引用したいと思う。度々引用されるオルビンスキの言葉の一つである。
「人道主義には限界があります。どんな医師もジェノサイドを止めたりはできません。どんな人道活動家も民族浄化を止めたりはできません。それはちょうど、どの人道活動家も戦争を始めることができないのと同様です。さらに、どんな人道活動家も平和をつくることはできません。しかしそれは、政治の責任であって、人道主義に必須の任務のどではないのです。
人道的活動はあらゆる活動の中で最も非政治的な活動ではあります。しかし、そこでおこなわれていることと、その道徳原則とがまじめに受け止められたなら、人道的活動は他の何よりも深い政治的意味合いを持つのです。」
私たちが人道的介入について考察し、論じ、あるいは行動する際、肝に銘じなければいけない言葉だと思う。

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