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とらいさんのレビュー一覧

投稿者:とらい

2 件中 1 件~ 2 件を表示

犀の角のようにただ独り歩め

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4月から新社会人になる身として、勉強法などの本を探しているときにふと目にとまり買ってみた。

これはどの自己啓発本にも言えることだが、実際に書いてあることをやり続けるか否かによって、個々人でその本の評価が変わってくるだろう。なので、自己啓発本というのは「やり続ける気にさせる」内容であることが重要であると思う。
そういう点では、本著は少し説得力に欠ける部分がある気がする。脳科学的見地からの話は少なく、どうも精神論に偏っている傾向にある。
一項目ずつわかりやすくまとめられているのは良いのだが、簡潔に明瞭にまとめられているからこそ内容が薄くなってしまったような。脳科学的裏付けがあるからこそ「そうだ、やってみよう」という気になるのではないか。
しかしそこは脳科学第一人者の茂木健一郎先生、ハッと気付かされるような言葉も多く、それは私が社会人1年目として常に持っておくべき意識だと感じた。

人によって響く箇所は違うと思うが、そんな目が覚めるような1行に出会う可能性があるというだけで、本著を手に取る価値はあるのではないだろうか。

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紙の本終物語 上

2015/02/22 21:15

安楽椅子探偵

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物語シリーズはアニメを全て見、小説で傷物語、暦物語を読んだ者の感想である。

物語シリーズ第15弾、終物語(上)で描かれているのは主に、主人公、阿良々木暦の過去である。なぜ彼は「友達がいると人間強度が下がるから」と自ら孤独を選んだのか。それは彼が高校1年生の時に行われた"ある学級会"が原因だったのである。
また今巻は未だ謎多き忍野メメの姪であるという転校生、忍野扇と阿良々木暦の初対面を描く巻でもある。と言うよりむしろ、今巻は彼女が主人公といってもいい。
物語シリーズの魅力と言えば、登場人物達の軽妙な会話の応酬、萌えるやりとり、怪異に立ち向かう阿良々木暦の活躍などが挙げられると思うが、今巻は幾分気色が違う。
思わず声が漏れてしまうような会話は影をひそめ、阿良々木暦が過去(また現在)を語り、忍野扇がその真相を暴くというスタイルが3章続くのである。全体は推理小説のそれであり、ジャンルは安楽椅子探偵とでもいうのだろうか。

物語シリーズの魅力からは多少逸脱するものの、西尾維新節は炸裂しており、忍野扇が話を聞いただけで真相を次々と暴いていく場面は爽快である。
納得と感心の連続のエンターテイメント作品だった。

ただやはり物語シリーズから期待されるものとは少しズレていたこと、阿良々木暦の過去が中心のため彼のネガティブな面が強調され活躍が少なかったことが個人的に残念で、星4つとした。
今巻が今後の展開の大きな伏線となっていたりしたら、星がまた増えそうである。

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