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熊野愛子さんのレビュー一覧

投稿者:熊野愛子

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世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」と聖地熊野

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本図書は、熊野信仰の諸国への伝播について、
中世において熊野比丘尼が熊野那智参詣曼荼羅(本書冒頭にカラー口絵掲載)、
熊野観心十界図(同じく口絵掲載)の絵解きという宗教行為による勧進活動に表象されるように、
これら熊野三山に関わる熊野信仰が織りなす宗教文化の諸相を日本中世史の立場からまとめあげられています。

 「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録された熊野、
院政期における上皇の熊野御幸をはじめ、
平安時代以降、人びとが険峻な参詣道をたどる苦行をして熊野をめざした熊野信仰とは何か。
熊野のもつ神秘性、秘められたロマンにさまざまな思いを巡らし、
歴史のなかで育まれた熊野信仰の織りなす希有の宗教文化の諸相を感じとることができました。
甦りの地、聖地熊野を知り、これから熊野に旅する人にもお薦めです。
 
 第一部では、熊野の本願所と聖護院との関わり、
聖護院門跡による修験道本山派成立の経緯について詳述されているほか、
両界曼荼羅の思想、真言密教、民俗的他界観の融合による新たな仏教的他界観にもとづき「熊野那智参詣曼荼羅」が興味深く考察され、
第二部の「院政期の仏像と文化環境-即状院二十五菩薩坐像と来迎の光景-」では、
平等院阿弥陀堂(鳳凰堂)阿弥陀如来像(定朝作)との作風を比較し、阿弥陀聖衆来迎と地形眺望との関わりについて、
そのほか清水寺参詣曼荼羅、院政期に現在の京都岡崎にあった法勝寺、賀茂祭(葵祭)についての論稿など、
いずれも筆者独自の独創的な視点から論じられ、
宗教文化のみならず美術史学、地域文化-人間文化の交流、地域創造の観点からも示唆に富む内容で、とても有意義な一冊でした。

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