きららさんのレビュー一覧
投稿者:きらら
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紙の本石垣の名城完全ガイド
2018/10/09 21:15
石垣好きへ
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城といえば石垣。石垣好きにはたまりません。私は一気読みして興奮して眠れなかった。石垣への入門としては十分ですし、さらにもっとその奥を知りたくなる。何も言わなくても、表紙の石垣の違いわかりますよね。
紙の本ひとり旅は楽し
2015/04/12 16:56
見かけよりも、ひとクセある
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何に限らず見かけが簡単そうに見えるものほど奥が深かったりする。
池内さんのエッセイで語られる旅もそうだ。
旅のなかでさまざまな作家や詩人の魅力的な作品も紹介されていて、そういった作品にも寄り道したくなる。
「もどり道」という最後の話がすきだ。
非日常から日常へ。子供の頃、夕暮れ時、うちに帰るときのあの感じにも似て。
文章にある種のクセがあるので、誰にでも勧められる味ではないけれど。私は気に入った。
紙の本燃える男
2015/09/08 17:30
男はいつ燃える!?
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昔から男は、自分のいちばん大切なものを傷つけられ、怒りに燃えて立ち上がる、と決まっている。
これ以上にシンプルで共感を得やすい動機があるだろうか。
そして、そんな男の女性に対する繊細といえるまでの優しさ。
そうこなくっちゃ。いいぜ、そのまま最後までイっちゃってくれ。
そんな話を盛り上げるのは、美味しいワインに料理、ウイットに富んだセリフ。
ああー、こんな男に抱かれたいよ。
紙の本紫電改のマキ 1
2015/09/04 22:51
百聞は一見にしかず
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女子高生がしゃべる紫電改に乗って空戦する・・・なんて聞くと、「バカバカしい」の一言で片づけてしまう人がほとんどかもしれない。
なまじ紫電改とは何か、詳しい人ほどそうなりやすい。
でもはっきり言って、そんなくだらんレビューで片づけてしまうにはもったいない漫画ですよ。
実は私、15年くらい前にひょんなことからプラモデルにハマってしまい、もちろん女でありますからプラモなんて生まれて初めて作ったわけだけれど、やはり不思議とレシプロの戦闘機に惹かれてしまうんですね。
思うに、あの時代の飛行機っていかにも飛行機!!ってカタチをしてるんだね。ただ、零戦、ムスタング、スピットファイア・・・流麗で美しい飛行機が多いなかで、どこか垢抜けないずんぐりしたオッサン体型の紫電改の魅力ってイマイチわからなかった。
だがこの漫画読んですっかり俺様・紫電改の虜になりましたよ。
やっぱアンタって最強~!! 「もっとヤリ(空戦)たいか!?(By紫電改)」
ヤリたいっす・・・プラモ作るっす・・・・そして、「紫電改のマキ」を応援するっす!!
紙の本戦艦武蔵ノート
2015/09/04 22:27
メイキングオブ「戦艦武蔵」
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「戦艦武蔵」は作品として素晴らしいけれども、「戦艦武蔵」誕生までの苦難の足取りをたどるこの本も、同じくらい面白い。作家・吉村昭に興味を持つ人にとっては多分作品以上に身近に「息遣い」を感じられる本として、お勧めする。
丁寧に粘り強く決して諦めず対象に迫っていく姿勢、一歩ずつ注意深く階段を上がるような筆の運びにどきどきしながら、おのずと丁寧にページをめくることとなった。全部読むのがもったいなくて、わざと少しずつ読んでいった。
もちろん、寝る前のひととき、ウイスキーを飲みながら・・・・。
こういう本に出会うと、たまらなくうれしい。
紙の本陸奥爆沈 改版
2015/07/13 17:08
人が建造し、人が沈めた
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呉の大和ミュージアムを訪れたとき、巨大な陸奥の主砲やスクリューが屋外展示してあり、その度外れた大きさに驚愕しながら眺めたことがある。
これは大戦中の軍艦の話だが決して特別な知識などは必要なく、一種の推理小説としても読むことができる。果たして真実は解き明かされるのか。ドキドキしながら読める。
「戦艦武蔵」もそうだったけれど、爆沈の謎を探るうちそこに浮かび上がってくるのは戦争の一面であり、人間の営みの不条理さである。
そう、戦争とは人間のひき起こしたものなのだ。決してエイリアンが持ってきた禍などではない。こういった戦史の底に埋もれた数限りない真実を掘り起こす努力が続けられることを願う。
静かに、自分に問いかけながら読むにふさわしい書。
2015/05/04 19:28
もっとも難しいゲーム
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登山はしないけれど、なぜか山の本は好きだ。
サッカーはしないけれどサッカー観戦が好き、などというのと似ているかもしれない。
「山での死は決して美しくない。でも山に死がなかったら、単なる娯楽になり、人生をかけるに値しない」
うーん、すごい言葉だね。そしてさらに、こんなのはどうだ。
「山登りはとても不思議で難しいゲームだ」
山の弱点を突き、山の裏をかき、自分のすべてをかけて攻略する。
カッコいい、という言葉ではうまく表せないけれども、カッコいい。
それでいて、ときには緊張し、おびえ、迷う、普通の人間なんだからますます魅了される。
彼の奥さんがまたすごい登山家で、もしかしてもっと肝は座っているのかも。
いやはや。すごい夫婦です。
紙の本私の方丈記
2015/04/12 16:23
シンプルで複雑
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三木卓さんの解説がいい。訳もとてもいい。自分自身の人生(満州からの引き揚げ経験者)に深く引き付けて、そこから方丈記の魅力をあますことなく語っていく。
三木さんはとても平易な言葉で書かれているように見えるけれど、内容はものすごく考えさせられ深い。けっこう考え込みながら読んだ。口先だけじゃない、自分を丸ごとぶつけて、初めて物書きになれるんだな。ううむ。
鴨長明はストイックな男だと思われるかもしれないが「読経が面倒なときはサボっちゃえ。誰も咎める人はいない(一人住まいだから)」などと平気で書いている。
こんなふうに自分の想いを書いているのが中世文学の面白いところ。
人生はフクザツにみえる。でもシンプルだとも言える。何度読んでも飽きることはない。
2015/03/25 17:05
デザインなんて知らなくても
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デザインのことなど何も知りませんが、面白いタイトルにひかれて手に取りました。
対談って簡単に読めるし大好きなのですが意外と心底面白いと思うものは少ないのだが、これは面白かった。
「人は何に興味を持っているのでしょうか、わからないから興味を持っているのですよね」
「世界に出ていくってどういうことなのだと・・・・だってここが世界ではないか」
「(デザイナーの仕事は)自分の仕事に引き寄せるのではなく、相手や置かれている環境に寄りそうこと」
たまたまこれらはすべて(主に聞き役である)佐藤さんの言葉ですが、これに絶妙なタイミングでいい感じのフィル・インを入れてくる近藤さんの言葉がまた最高。
私は人間相手の仕事をしていますが実に佐藤さんの言葉が心にしみわたる気がした。上記の佐藤さんの発言はさまざまな仕事に置き換えることができるのではないだろうか。この本で何かを学ぶというよりも、この本読んで自分の頭を軽くシャッフルできるような爽快感に満ちている。
紙の本生存者ゼロ
2016/09/12 00:56
やっぱ陸自
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冒頭のシーン、暴風雪のなか、陸自の屈強な隊員がUH-10Jで石油掘削基地に降下する・・・思わず話に引き込まれるね。
何気に陸自ファンだったりすると、うれしい話。
話は面白く一気に読めるが、登場人物の描き方がいまひとつ・・・魅力がもう一歩・・・なので★は四つ。
こういう話は登場人物がと゜れくらい魅力的かで半分は決まってしまう。
紙の本暗殺者グレイマン
2015/09/12 19:57
何かが足りないのか、それとも
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こんな面白い本があるのを今頃知ってようやく読んだ、久々の一気読み。
息をつかせぬ展開にノせられる。
ただし・・・何かが足りない。
美味しい料理だし盛り付けのセンスもいい、ワインも最高だ。
だのに、何かが足りない。
・・・心に残る台詞がないのだ。ピリっと効いたスパイス。
ハードボイルドや冒険小説はそれがなくては満足できない。男同士の熱い友情と心に突き刺さってくる何気ない一言。それが欲しい。
ひとつには私が歳を重ねたからかもしれない。20代の頃なら満点だったかも。
2015/07/02 22:00
トンデモナクナイ本
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山折哲雄、船戸与一、藤原新也、池澤夏樹、服部文祥・・・えりすぐりの面白い対談相手が目白押し、井田さんという宇宙科学者との話も面白かった。タイトルからするとトンデモナイ本か!? と思わせるけれど、中身はトンデモナクナイ。それぞれの分野から人類の進むべき道を探る。
ただ、あくまでこの本は入口であり通過点であるので4点。これを入口にして、自分なりに思索の森に入っていけばいい。
関野吉晴さんという方を初めて知ったけど、探検したり登山してる人って何か人間の根源に触れる体験をしているのだろうと感じる。そこが根っこというか、太いゆるぎないものを持っている。
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