yeszanmaiさんのレビュー一覧

待った甲斐あり、最終巻

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第七巻と最終八巻が映画公開翌年（2014年）三月予定がずっと音沙汰なし。
忘れたころに「最終第七巻刊行」の報。
え？一冊少ない？と思ったら既刊三冊分強の700ページ越え。

「M資金」「資本の暴走」「善意のシステム化」、胡散臭さ満載だが、
だからこそ苦悩する中年詐欺師が主役として物語にリアリティーを与えている。

映画と大筋同じだが展開はこの最終巻でかなり違っていて、
国連での「あのシーン」に向けて周到に緻密に紡がれていて一気に読み進めます。

その後の石勇樹、真船雄一、ハロルド・マーカスも描かれていて
長らくこの作品に付き合ってきた読者へのプレゼントのよう。

六巻から間が空いたが、本編冒頭にサマリーと限定版付録のプロット集で
物語を振り返ることができる。

映画は興行成績も評価も散々だったが、短い時間で描ききるのは確かに難しい。
オダギリジョーの人格破綻ぶりや驚きのヴィンセント・ギャロ出演など
観どころ満載の映画もどうぞ。

（映画は突っ込むために存在する？）