naotoさんのレビュー一覧
投稿者:naoto
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紙の本皇帝のかぎ煙草入れ
2016/05/03 22:53
皇帝のかぎ煙草入れ(創元推理文庫)
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ジョン・ディクスン・カーを初めて読んだのがこれ。これがカー初体験だった幸運をありがたく思っています。有名なフェル博士や、HMは出てきませんが、最後のページで、真相がわかる構成はすばらしい。この作品に出合ったことで、今まで、食わず嫌いだったカーの作品を次々読むようになりました。タイトルの「皇帝のカギ煙草入れ」に関しては、これ以外のタイトルは考えられないし、このタイトルによって、世界がぐるりと変わって見えるような気がします。これ以上説明すると、ネタバレになってしまいそうで、書けないのは、カーのこれ以外のいくつかの作品(たとえば「帽子収集狂事件」)とおなじで、うっかりすると、注意深い方ならタネがわかってしまいます。未読の方は、ぜひ1度手に取ってみてください。この時、決して解説や、評判は読まないこと!
2015/10/27 00:26
黄色い部屋はいかに改装されたか?増補版
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いわゆるパズラー、本格推理小説といわれるものに対する評論集。特に、モダン・ディテクティブ・ストーリーと都筑氏が規定する小説を論じる手さばきはすばらしい。クリスティの「ABC殺人事件」における、ダミーの被害者、あるいは横溝正史「悪魔の手毬唄」のなかなか表面化しない「見立て」に対して、どうして犯人は、このような方法をとったのか、その必然的な理由が必要だ、とする論旨は明快。実作者としてはハードルが高くなる条件を、あえて打ち出して、その方法論を明らかにしていくのは、痛快。増補版で、さらに佐野洋氏との論争や、その他の機会に書かれたエッセイもくわえられて、読みがいのあるエッセイ。
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