ひつじさんのレビュー一覧
投稿者:ひつじ
2024/02/10 21:40
著者の男性観とあわない
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私は男性ですが、女性目線を学ぼうと思い買ってみました。参考になる部分もありましたが、私には正直合いませんでした。例えば、こんな感じの記載があります。
【浮気しない8割の男性と、浮気する2割の男性は、どこが違うのか?それは、「自分はモテる」という自信があるかどうかです。】
浮気するか否かは、モテるかどうかでなく、相手を一人の人間として尊重しているかどうかです。全体的に、コミュニケーションを取ろうとしない男性を理解してあげなさい、嫌なところを我慢しなさいという感じで、私には合いませんでした。
ただ、いろいろな意見のひとつとしていえば、読んで悪い本ではないです。
2024/01/14 23:07
サーシャちゃんが主人公に絡む理由
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そうなんじゃないかなあと思っていましたが、そうでした。これは実際に読むべきなのでネタバレはしません。ひとついえることは、サーシャちゃんは普通の中学生男子の情緒では受け止められる女の子ではありません。主人公は、ある意味エロ漫画をたくさん読んでいたからこそ受け止められているのでしょう。そういう現実もある、と。ちょうどこのレビューを書いて検索したら最新話が公開されており、読んだらクラスメイトの女子のセリフで「初恋の相手としては荷が重すぎる」というものがありました。その通りです。
なんにしても、二人とも「初恋」です。これから少しずつ感情が変化していくのだろうと思います。おそらくはこの漫画、サーシャちゃんのキャラクターが先にあり、この子を救うための主人公なんだろうと思いました。だから「サーシャちゃんとクラスメイトのオタククン」なのです。
作者は不健康な生活をしているようですが、何かしら中学生の頃に「こうすればよかった」という女性へのトラウマでもあるのか…と感じるくらいの異様なリアリティーがありました。次巻も買います。
電子書籍宇宙でいちばん熱い風呂 2
2023/11/02 16:40
ウナちゃんがとてもかわいい
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ウナちゃんねるのエピソードがすごく良いです。
今回終わってしまいましたが、1巻でウナちゃんが出ていれば長期連載もあったのでは…(´・ω・`)
微妙に崩れたボディと、あけっぴろげな性格、そして少しお馬鹿なところがとても良かったです。
電子書籍あさこ【電子単行本】 7
2023/10/24 15:41
救い、救われるケアの物語
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よしだもろへ先生の最高傑作(2023年時点)です。
純愛ものでもありますが、それに留まらない深さと広がりを持った、優しい物語です。
以下、全巻読んでのネタバレ感想です。
この物語は、令和元年8月、東京で新聞記者をしている独身、34歳男性の「青島将司」の回想から始まります。
平成8年夏、当時11歳の将司は海辺の町の民宿の一人息子でした。3月生まれで同級生のみんなよりも幼く、勉強も運動も苦手で、いじめられていました。優しい(情動的共感性が高い)子なので、どうしてみんなが自分をいじめるのかもわからずただ泣いていました。
そんなある日、民宿に、若く、美しい女性が泊まります。東京から一人旅で来たという、タバコの似合う「大人」の女性です。将司はその女性を見てドキドキします。
その翌日、将司はいつものように同級生からいじめられて、波止場から海に突き落とされます。溺れかけて沈んでいく将司をたまたま見ていたその女性、「あさこ」は海に飛び込んで将司を救い上げます。そして、将司は「あさこ」に強く惹かれていきます。
将司は、あさこに「なりたいもの」を聞かれてこう答えます。
「この町を出て…あいつらのいないところ行きたい」「僕 おとなになりたい!!」
あさこは、将司にこう言います
「もしキミがあたしを知り尽くして…カラッポの履歴書を生めてくれたら…その時はあたしがキミを大人にしてあげる」。
将司は「あさこ」との記憶を辿るなかで、少しずつ「あさこ」の過去と、当時、他の人たちから「あさこ」がどう見えていたのがを知っていきます。「将司」にとっては憧れのお姉さんなのですが、「怖い」という人もいましたし、「嫌い」という人もいました。そして、「あさこ」が子どもたちの前で「理想の大人」を演じ続けてきたことも知ります。それによって、いじめられて万引きに加担させられていた女子や、トランスジェンダーの女子が救われていました(そして、そのことが「あさこ」にたどり着くことにつながります)。そして、「あさこ」の壮絶な過去を知り、それでも、いやだからこそ「あさこ」に対する強い好意を自覚した「将司」は、今の「あさこ」に会いに行きます。
この作品がとても素晴らしいのは、「あさこ」と「将司」がお互いを救っていたことです。「あさこ」は「将司」を男として肯定し、将司の悩みを解決していくのですが、同時に「あさこ」も将司の純粋さによって救われていくのです。
将司の、あさこに対する強い感情、それは性欲が基本にあり、「あさこ」を守り、助けたい、独占したいという「男」としての感情、それだけでなく「あさこ」の傷を癒やしたいという思い…その将司の思い・行動が、「男性の暴力性」によって散々に傷つけられてきた「あさこ」を癒やしていくのです。あさこが、将司の姉に自分のことを「バイセクシャル」だといったのは、将司に惹かれて自覚したのだと思います。
このまま進めば、二人には別の未来があったと思うのですが…二人は、ある男の、嫉妬からの介入によって強引に引き離されてしまいます。そして、現在まで、「将司」は初恋を引きずり続けることになります。でも、その回り道によって得られたもの、与えられたものもあるのです。
「加害」も連鎖しますし、「ケア」も連鎖します。「あさこ」は、過去を捨て「あさこ」として他人をケアしていくなかで生まれ変わりましたし、あさこに救われた人たちは次は別の人たちを救っていきました。
本作は、レビュー時点では十分な社会的評価を得られていませんが、何らかの賞を受賞して、漫画史に残されるべき傑作です。
電子書籍33歳独身女騎士隊長。第1~6話
2023/10/14 02:09
ページ数が少なすぎ
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内容は面白いですが、15ページしかありません。
立ち読み分を除くと10ページ程度。
高すぎます。
紙の本冬目景画集20twenty SIMPLE EDITION
2023/08/10 11:23
2000年代に出された画集と印刷品質が段違い
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羊のうたや幻影博覧会など幻冬舎で手がけた作品のカラーイラスト集です。
ファンなら買いの一手です。
原画が描かれてから20年以上経過しているのに、カラーが素晴らしく、絵の具のあとまで拾っていて感動します。これは、冬目景先生が原画を大事に保管していたという証でしょう。
原画がもちろん一番素晴らしく、次いで最近の複製原画となりますが…この画集の印刷品質は素晴らしいです。20周年のときに出したものを廉価版で再版しようと考えたのも良くわかります。
30周年の記念原画集が限定で出たら、是非買いたいと思っています。
電子書籍羊のうた(7)
2023/06/06 15:21
一瞬の輝きを切り取った傑作
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この作品は高城千砂という女性をめぐる物語です。
7月初旬に一砂と千砂が出会い、7月下旬から同居、夏休み直後頃の千砂から一砂に対する寝室でのキス、翌日の一砂から千砂に対する吸血。数日間の千砂の入院、そして8月から初秋にかけての一砂と千砂のわずかな期間の2人暮らし、千砂の再びの入院、そして自宅での看取りと翌年2月の千砂の死…2人が幸せに過ごせた時間は、夏から初秋にかけての1ヶ月程度の期間でした。
しかし、このわずかな期間の間に2人の間には他にない濃密な関係性ができました。それが最後の一砂の台詞、そして後追い自殺をするという選択に表れています。
良くフィクションでは「魔性の女」というものが出てきます。しかし、私はいままでそれに説得力を感じることはありませんでした。「どこがいいの?」と。しかし、高城千砂を知ってその感覚は覆されました。この作品をデビューから間もない冬目景先生が描いたということに感嘆します。
作中の最終話のひとつ手前で、一砂の母親代わりをしていた夏子さんが、千砂を「人を引き付けて破滅に導くような危うさを持つ子」と評します。まさしくそうなのです。悪意ではなく、純粋な輝きが人を惹き付けるのです。
冬目景先生の最高傑作だと思います。是非多くの人に読んで欲しいです。
2023/05/06 20:39
「空をまとって」に期待
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裸婦画にとりつかれた高校生のストーリーです。
最後に出てくる理想の女性が素晴らしい。
どことなく「羊のうた」の高城千砂に通じるものを感じました。
電子書籍美願食堂 2巻
2023/05/01 01:05
いまどき「好転反応」という言葉が出てくるとは…
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ヴィーガン専門食堂という発想が面白くて購入しましたが、アトピーが治るという話にはがっかりしました。
電子書籍盤上の向日葵 1
2023/04/02 12:54
絵から漂う色気が凄い…
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感嘆しました。
男性も女性も写実的な絵なのですが、情念の込められた表情で引き込まれます。試し読みではそんな期待しなかったのですが、買って大正解でした。
特に女性が美しくて好みです。
電子書籍羊のうた(2)
2023/02/16 00:58
途中から絵柄が変わる
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1巻は硬質な線で描かれていましたが、8話の後半から線がかすれはじめ、9話ではいまの冬目景作品の絵柄に近くなります。この絵柄の変化こそが、羊のうたの叙情性を表現するために必要だったのでしょう。
この作品は1巻の絵柄では表現しきれないものがあったのだと思います。1巻の絵柄で断念しないでこのまま読み進めて欲しいです。
電子書籍バトル・ロワイアル(15)
2023/02/07 01:55
作品は傑作ですが
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2011年にデジタル化しているので画質が悪い。
こういうのをちゃんとアップデートして欲しいです。
電子書籍ナンボックス 南北短編集
2023/02/05 01:36
わりと面白かった
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毒にも薬にもならないような作品のようにも見えるけれど、読んでる間は作品の世界に引き込まれるような…ひとつ思ったのはネタばらしは巻末にまとめた方がいいということです。なんだか興が削がれました。
電子書籍黒鉄 5
2023/02/03 02:40
小宵様が美しい
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奇妙な人情股旅もの、これにてひとまず閉幕です。
黒鉄・改はコミカルな長編で、だいぶん中身は違います。私はこちらの方が好きでした。
単行本未収録の2編もどこかで収録して欲しいものです。