不安団塊爺さんのレビュー一覧
投稿者:不安団塊爺
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紙の本「憲法改正」の真実
2016/06/26 21:22
分かり易い対談だ。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
憲法改正をがむしゃらに進めようとする自公政権は、これまでの法制局による蓄積された憲法解釈、司法権における憲法判例(裁判例)を無視あるいは曲解。数を頼んだ平和安全法制整備法、国際平和支援法の強引な制定をした。
著者らは、現状を異常な法秩序への突入であり権力者による憲法破壊であるとし、ナチスを例に民主と立憲はときに対立すると解説し、自民党改憲草案の目指す回帰とは何か。を対談の基本とする。
いわば各論として、個人と人、権利と義務、危機と緊急事態条項、復古主義と新自由主義の同居、9条改正論議と対談を進める。
まとめとして、憲法制定権力は改正権限にまさること。国民は憲法制定権力者としての自覚が必要であること、投票による流血を伴わない革命が可能であると説明・整理する。
とにかく専門的内容が分かり易い言葉と事例とでスンナリと読め、頭に入る対談だ。小生は9条については「国家非武装されど我愛する者のために戦わん。」(野坂昭如氏著書)と同じ考えだ。そうして、自衛の戦力は必要であり、自衛隊は国会によるコントロールが不可欠である。何より憲法の機能は国家権力を縛ることにある、と考える。
選挙の近い現在、大急ぎで取り組んでも消化できる内容である。護憲派であれ改憲派であれ学ぶところは大きいはずだ。投票で「失敗した」と嘆かぬようぜひ一読されることをお薦めする。
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