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YUKさんのレビュー一覧

投稿者:YUK

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電子書籍天才

2016/12/20 08:49

時代にマッチした現代政治史の一面

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

石原新太郎が一人称で書きおろした田中角栄の一代記。コンパクトにまとめられたダイジェストはコンビニ本と称される、一般向けで読みやすい今の時代の書といえるだろう。私も一気に読み切った。
 一般向けの書に詳細な注釈や異論は不要。一人称で書くことで「これは俺の見解だ」と終始主張している。自ら小説家から政治の世界に転身し、日本に意識改革をもたらすはずだった著者。最後までその信念は変わらなかったが、結局最後まで挑戦者であり続ける人生だった。一方で田中角栄は、日本政界トップにまで登り詰めた。ほかならぬ著者も批判の急先鋒だったのだが、その批判は田中の目には、遠くにちょっと垣間見るくらいの凡庸な一般大衆の声でしかなかった。
 著者は、明治以来続いてきた旧制の日本政治をたぐいまれな才能と勘でまとめあげ、目に見える形で経済改革をなしとげ、今に通じる情報通信の基盤まで築いた田中角栄に賞賛を惜しまない。多数の議員立法という実績は、今だから言えるその時代の正論であり、青臭い理想論を跳ね返すだけの力をもっている。
 あまりに建前としての正論がまかり通り過ぎる現在の日本政治は、その公共性・公平性と妥協や密約を許さない幼稚性のゆえに、足踏みばかり。少なくとも大幅な減速を常に課せられている。別の新聞コラムで著者はシンガポールの先進性を賞賛し、最後にその先進性を支える技術のほとんどが、日本からの輸入によるという事実を紹介している。日本は、技術的には世界のトップに立ちながら、政治的、思想的、国際感覚の未熟さゆえに、国としてはトップに立てないどころか二流になりさがっている。田中角栄の視点を借りつつ、著者の日本の行く末を案ずるあせりが垣間見える。

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