晴れ男さんのレビュー一覧

「痛みを分かち合う社会」を作る

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著者の井手英策氏は財政の専門家であり、消費税の肯定論者としても知られる。旧民進党の政策作りにも携わった。
本書では、日本に根付く勤労と倹約を美徳とする価値観の分析から、働いても貧しいままの人々(自らを「中の下」と思っている人たち)についても言及する。そして、所得格差が国民を「憎悪と分断」に向かわせていると主張。所得の再分配のために、“低所得者も含めた”全国民の公平な税負担を唱える。
税や財政に関心のある方はもとより、これからの政治、経済、社会保障を考える上でも無視できない一冊である。