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るるるさんのレビュー一覧

投稿者:るるる

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紙の本

紙の本夜の黒豹 改版

2021/09/11 13:39

横溝初心者にも往年のファンにも嬉しい改版

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

夜の黒豹は、戦後の復興期の猥雑な東京を舞台に、我らが探偵・金田一耕助が活躍する。
金田一耕助と言うと、映画やドラマの影響で、どうも田舎の陰惨な事件を解決して回っている印象が強いけれども、実際金田一耕助の冒険譚の半数以上が、東京で起こる事件なのである。
この夜の黒豹は、その東京での探偵譚のひとつで、横溝らしい本格物の骨格に、猥雑さの衣が着せられており、テイストとしては探偵小説玄人向けではなく、大衆向けに舵取りがされている。
物語についてのレビューは、誰かがするであろうから、私はこの本自体のレビューをしたいと思う。
(個人の感想なので、あなたの思う事と違いましたら、申し訳ないです)

この夜の黒豹は、元々は旧角川文庫の横溝正史シリーズとして、昭和五十年代に発売された物である。今回、没後40年・生誕120年記念として、その旧版を定本に復刻された。
平成に入ってから発売された横溝正史の本は、不適切な表現が書き換えられている改版が販売されている状況が長く続き、横溝正史本来の文章の流れを損なっていたのが現状だったが、今回の改版では、往年の杉本一文画伯のおどろおどろしい表紙絵が復活しただけではなく、本文も、そして中島河太郎氏の解説までもが、旧版発売当時そのままの状態に戻った事になる。

ヨコセイ初心者は、これで生粋の横溝正史の文章に浸ることができるようになり、また往年のファンに至っては、文字フォントが大きく見やすくなった版で読む事が出来ることになったので、どの年代にも嬉しい改版になったはず。

願わくば、現行の金田一耕助ファイルのシリーズも、旧角川文庫版を定本とした版に戻ることを祈りつつ、令和の世に蘇る探偵小説の巨匠の本を楽しみたいと思う。

余談。
没後40年と生誕120年記念に、夜の黒豹や以下続刊を選んだ、関係者やKADOKAWA諸氏に感謝。
このまま、旧版と同じ点数の横溝正史の本がKADOKAWAから復活されることを願いたい。

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