キェルケゴさんのレビュー一覧
投稿者:キェルケゴ
2024/12/31 23:58
待望の文庫化
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かつて筑摩書房から出版されていたマルクスコレクションからの文庫化。共産主義のイデオロギーにまみれていない、学者たちの最新訳だと思われる。かつ岩波文庫以外で資本論を文庫で読めるのは実は貴重な機会。もっとこの版が広まってほしいと思う。
2024/07/03 21:52
現代文読解の王道
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教科書に載るような有名な作品を、接続詞などの単語レベルから、段落ごとの内容把握まで、丁寧に読みとく。
今の受験参考書と違い、出題者側の大学教授が、問題の読み解き方を解説してくれるのは、信頼がおけてとても役にたちます。
各作品の作者のプロフィールが詳しく説明されているのも良い。
2024/08/31 20:04
ヨーロッパ哲学思想の総復習
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古代から現代までの西洋哲学、西洋思想を一気に振りかえる内容なので、予備知識としてある程度はヨーロッパの歴史や文化が頭に入っていないと理解しづらい。
佐藤優さんに、高校の教科書レベルをマスターすれば、大学院ぐらいまで通用するとの言があったが、それは少し言い過ぎな気がする。「マスターする」の精度がどれくらいかにもよると思うが。
2024/06/30 23:53
やはり難しい。
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卒論で扱った時はちくま学芸文庫版を読んだが、懐かしくなって、今度は岩波文庫版を読んでいます。やはり難しいですが、ヴェイユが魂から絞り出した言葉の数々が胸に染み入ります。
2025/01/31 19:31
ヨーロッパの知の巨人伝
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主にヨーロッパで生まれた博学者たちを歴史を振り返りながら紹介。
誰でも聞いたことのある圧巻の知の巨人たちが並ぶ。歴史に名を残す業績以外のエピソードが滅法面白い。
哲学者や思想家、文学者は網羅的に言及されているが、科学者の分野の紹介は弱い気がする。ヘルマン・ワイルやマレイ・ゲルマンの名前が見当たらなかったのは残念。
2025/01/31 19:22
パラダイムシフトのおおもと。
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パラダイムシフトという概要を提示し広めた科学哲学の古典の新訳。
小著ではあるが、新たな序文がついて、これまでのパラダイムシフトにまつわる理解や誤解などがまとめられている。
訳文は現代的になり読みやすいが、手垢にまみれてしまった感のあるパラダイムという言葉を今の日本の科学哲学の現状にあわせて、専門家の詳しい解説を付けてほしかったと思う。
2025/01/24 06:07
有名SF作家の新訳。
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有名SF作家の代表的短編集の新訳。
『10月はたそがれの国』とは随分詩的な題名だが、原題はシンプルにThe October Countryというらしい。しかも意味あいとしては一年じゅうが10月ばかりの国というらしい。名訳ではあるが、誤解に注意。またこの訳題は旧訳を踏襲しているとのことだが、それならば旧訳の訳者の名前くらい明記しておいてほしかった。
額縁のなかの女たち 「フェルメールの女性」はなぜ手紙を読んでいるのか
2025/01/24 05:37
フルカラー西洋絵画史(描かれた女性版)
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古代から20世紀まで、西洋絵画に描かれた女性たちを一気に振り返る。
有名画家の有名作品もあるが、マイナーだと思われる作品もちらほら。例えばロートレックの〈ベッドの中、キス〉という作品などは他ではあまり見かけたことはないのではないか。
全点カラーで絵画を収録していて豪華ではあるが、その分新書にしては値段が高いのが難点か。
2025/01/21 04:16
まさに野生の作家
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ある土地に基づいて、一族のサーガを描く作家の元祖フォークナー。土着的感覚を作品に落としこむさまは野生の作家とはいえないだろうか。
ラテンアメリカ文学に影響を与えた作品ということで巻末解説はスペイン語文学研究者の野谷文昭氏となっている。
訳者の加島祥造さんは、晩年老荘思想に魅入られて農業などをやられていたが、アメリカ文学研究者としてフォークナーやトウェインの翻訳完成に力を入れてほしかったと思う。
2024/12/19 04:47
美青年物語の新訳。
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ワイルドの『サロメ』に引き続き、同訳者による『ドリアン・グレイの肖像』の新訳。最新の研究に基づいた豊富な訳注と徹底した解説により、信頼のおける文章になっている。
話の筋は単純で、むしろバルザックの作品に類似しているぐらいだが、ワイルドの唯美的な意識や衒学趣味が全開で、読みづらい印象を与える。おそらく本筋より文章そのものを味わう作品なのかと思う。
2024/11/19 05:18
人気漫画のノベライズ。
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図書館で借りて読んだ本。アニメ化もされた人気漫画のノベライズ版。本編のストーリーに抵触しないかたちで、各キャラクターを掘り下げるような短編エピソードが4編綴られる。
ラノベに重要なイラストだが、表紙だけ原作者で、本文イラストは別絵師さん。原作のイメージを壊さず、かわいい萌え要素増し増しのイラストでとても満足感。
2024/10/22 02:14
写真満載の茶室紹介。
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有名建築家と美術好きなタレントが日本各地の茶室を巡る。
歴史を重ねた代表的な茶室から、比較的最近の珍しい茶室まで、日本全国津津浦浦に紹介される。
二人が茶室を楽しんでいる写真や軽妙な対談ありと、こちらも茶室を存分に味わえた気分にさせてくれる。
2024/10/06 23:44
今さら新訳と言うなかれ。
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訳者の専門のシェイクスピア作品ではない『サロメ』の新訳なので、期待せずに読んだが、原典のフランス語版からの忠実な翻訳であり、瞠目すべきものがあった。
フランス語が母語でないワイルドがこの作品に込めた複雑な意図や音楽的リズム、同性愛のほのめかしなどをくまなく読みとり、訳文と解説にあますことなく活かされていて意味ある新訳だと思えた。
2024/09/30 23:55
ダーウィンの伝記最新刊。
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ダーウィンとその進化論について、これまでの研究をふまえつつ、伝記的に解説していく。ウエッジウッド家の話やダーウィン死後の進化論の発展など目新しい視点もあり、まとめ本としてよくできていると思う。
2024/09/30 23:49
結構本格的。
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サンスクリット入門といいながら、サンスクリット語の文法やインドの思想の解説まで、結構本格的な内容になっている。最後の参考文献には、サンスクリット語を学ぶための教科書まで紹介されており、非常にためになった。