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凡夫さんのレビュー一覧

投稿者:凡夫

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紙の本海辺のカフカ 下

2004/09/27 19:16

新春樹ワールド

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この作品は、今までの村上春樹の作品とは少し違うように思う。
 四国が舞台になっているせいか、仏教の香りがする。たぶん私だから仏教なので、キリスト教の人にはキリスト教、イスラム教の人にはイスラム教を感じるのかもしれないが、とにかく、宗教の香りがする作品である。
 作品の中で、何人かの死が描かれているが、生の反面としての死ではなく生の延長線上の死であり、また死の延長線上の生であるように描かれている。
 ラストでは、カフカ少年とホシノ青年は悟りを開き日常の生活へと戻っていく。そして、その先はたぶん、今までと変わりのない日々が続き、時を刻んでいくのであろう…たぶん

読み終えたときに「人は一人で生きているのではなく多くの愛によって生かされているのである」という言葉が頭の上にひつじ雲のようにぼんやり浮かんでいた。

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