たかはし@梅丘さんのレビュー一覧
投稿者:たかはし@梅丘
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紙の本東京難民殺人ネット
2001/01/30 19:55
ネットを小説にすること
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愛・蔵太さんのサイト→bk1で購入。
私はミステリ読みではありませんが、以前に読んだ「ニュースキャスター…」、「トキオ・ウイルス」等面白かったので読みました。
巨大都市とそこに渦巻く人、情報、うわさ、悪意などにより紡ぎ出される物語がネット環境で錯綜し幻惑される様が巧みに描かれています。小説の構造は巧みなのですが、チャット部分の言葉使いが丁寧過ぎたり、ネット投稿の文章がWebの文章として見ると、推敲を重ね過ぎたように見える等、ネットとしてのリアリティで首をかしげたところもあった。この当たり小説表現とネットとしてのリアリティとのバランスの問題であり、ジレンマだったとも思います。(いっそ、小説全体の体裁をフレーム付htmlのようにするとか、html化してCD-ROMで出すとかすればよかったかも)
しかし、熱帯魚やオートバイを通した少年と父親の交流の描写など、相変わらず抑制が効き平明ながら深みがあり心に染み入る文章で読ませます。
今からでも、bk1で紹介して(ミステリ棚でなくてかまわないから)読んで欲しい一冊です。
紙の本神様の名前
2001/01/30 19:40
孤独を恐れないために
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多田由美久しぶりの作品集。表題作は初めて見る日本人のキャラクターの作品だが、全編を通じて、登場人物の孤独とその中に垣間見る交流や絶望が相変わらずの抜群の画力で表現されている。昔からのマンガ好き、特に最近のマンガの刹那的・痙攣的な表現に倦んでいる人や飽き足らない人に、今孤独な人に、そして「孤独」を恐れないためにも、多くの人に読んでもらいたい一冊。
なお、巻末広告によると、本作に続けてこの春に中篇集「ディアブロ」の出版が予定されている模様。bk1は予約対象とすること。また、現在入手可の単行本は4作品(本作含bk1調べ)ゆえ、本作を気に入った皆様ご注文下さい。
版元の美術出版社には敬意を表しつつも、雑誌掲載時の初出リストは必ず載せるよう節に要望。(最近、マンガについての情報のフォローアップが非常に困難なのと、作品の傾向が変わっているときに理由を考える材料として重要なのだ)角川、祥伝社、光風社分など絶版分についても再刊していただけると幸甚。
2001/01/30 19:42
Webを紙束にすること
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read me!で常時50位以上にランキングされる人気サイトの単行本化。週一度は覗いてみる私の巡回サイトなので当サイト→bk1経由で購入した。いつも楽しませてもらっていたので誉めたいのだけれど、なによりWebコンテンツの単行本化の困難さを感じた。
Webでは全内容がカラー、横書きで張り巡らされたリンクを伝いつつ作者作成のプログラム(JAVAアプレットなど)インタラクティブに楽しめるのだが、単行本では、紙幅の制限があるためモノクロ、縦書き、リンクも付録CDも(もちろん)なし。つまりWebではただでフルスペックで楽しめたものが、単行本ではバージョンダウンしたものをわざわざ1000円で買うことになる。
また、サブタイトル「うれしはずかし無敵の科学」通りの、スカートの中身とか女性の胸の話とか、妙に柔らかい内容を選ったのも少々残念。作者(コンテンツ)の本領は、寺田寅彦やロゲルギストグループの流れを汲む思考実験とその視覚化、さらにWebやPCと自作プログラムなどを用いたインタラクティブな表現、そして、それを難しく感じさせないセンスのよい文章だと思う。(例えば深夜特急 '99などはWebの醍醐味だし夏目漱石は温泉がお好き?のツールでは相当遊ばせていただいた)それが生かされていないというのは実に残念。この出版社のシリーズを見ると2ちゃんねる研究等テキストベースで十分なものが多いので仕方ないかとも思うが。
しかし、サイトの愛読者の私は、いつもいつも楽しませていただいているお礼に購入した。同サイトをごらんになって面白かったらショバ代として購入を薦めます。(ちなみに、私は面白いサイトがあるよってPC、インターネットが使用できない飲み屋とかで人に見せてます)
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