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ななかまどさんのレビュー一覧

投稿者:ななかまど

9 件中 1 件~ 9 件を表示

介護者が倒れる前にぜひ一読を

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 今回は三人兄弟の次男の嫁なのに、専業主婦をしているため義父の介護を全てまかされている公子の話から始まる。自分は義父の徘徊のため夜も満足になられないのに、夫は仕事に逃げ、娘達も祖父が汚くて恥ずかしいと家から逃げまくり何も手伝わない。公子は身体的にも精神的にも孤立し疲れきり、ついに倒れて入院。
 残された家族は突然ふってわいた介護の大変さに打ちのめされ、夫の兄弟間でおしつけあう。やっと介護保険という解決策?が浮上したかに見えたが、要介護度の判定の問題、判定と派遣される介護者の問題、給付までの期間、給付金と支援内容の関係等々、介護保険も利用の仕方によって問題が山積みなのがよくわかる。
 自分達が楽をするためには義父に我慢をしいなければいけないのか?と悩む公子。問題行動が多いので何人ものヘルパーに断られたあと、ヘルパーの百太郎にめぐりあい…。
 直接的な介護の立場にたったことはないが、それでも読んでいてそうそうと思うことしきり。介護保険もお金だけ黙ってとられるだけではなく、よく知って上手く利用しなければ。本人も家族も倒れる前に。また自分はまだ関係ないと思っている人もぜひ一読を。
 百太郎がホームをとっくにやめていたことと、最後の方になってあまりにも全能の助け手として登場するのだけは気になるが。

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なんとかできないのか?

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ヘルプマンだから仕事人な話かと思ったら、介護福祉士のことだった。(今は)
 恩田百太郎は高校3年なのに卒業もあやうく進路に迷っている毎日。ある日町で徘徊している老人を送り届けた老人ホームで、その老人がベッドに身体拘束されるのを見てしまう。抗議してその紐を解いてしまうが、解いたとたんに起こる現実に自分もまた縛ろうとしたことに気づき愕然とする。縛らなきゃ仕方がない現実。でも縛っちゃ絶対いけないと感じた百太郎は、高校を中退しその老人ホームにおしかけて無理やり働き出す。
 そこで、職員よりもあまりにも多い入所者、流れ作業、身体拘束、痴呆、おもらし、入浴拒否…。「介護の仕事に夢はみるな」という先輩に、それでも、「なんか他の方法はないのか」と悩む百太郎。最後はちょっとほろっときます。現実でできるかどうかは別として。
 解決策は中途半端というか問題を提示しただけだけど、今の現実の問題を提起してこれを何とかできないのかという思いだけは十分伝わってくる。まずは高齢者介護のとっかかりとして。

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紙の本オドの魔法学校

2008/03/30 15:27

謎と魔法に満ちた物語

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

  マキリップの作品で久しぶりに邦訳された2005年「影のオンブリア」からさらに3年。久しぶりなのでついとびついてしまった。読み終わってあらためて思うのは、帯にあった「謎と魔法に満ちた不思議な物語」、この言葉が良く内容をあらわしていたということか。タイトルが「オドの魔法学校」なので、マキリップが「ハリーポッター」のような小説をなぜ今更書くのだろうとつい思ってしまった。予想はいい意味で裏切られた。魔法学校を舞台にはしているが、学校の生徒の活躍物語ではなく、オドという女巨人から魔法学校の庭師に青年の物語であり、魔法学校の教師の物語、王女、黄昏地区にあらわれた興行師(魔法使い)、etcの物語、それらに幻想と魔法がちりばめられている。ついでに謎も山ほどあり、最後にはやっと謎も…。

 いろいろな「もの」との同一化(?)や、言葉ではなく感じる力、目くらまし…は「サイベルの呼び声」以来の今までのマキリップの世界をそのままを味わえると思う。ただ、いったい何人の物語? 本当の主人公は誰?な状態が、今まで(読んだのははるか昔だが)より読みづらくもどかしく感じた。原題は「OD MAGIC」とのこと。読み終わってみれば、そちらの方がずっと内容にあっているような気がする。タイトルとのギャップで、読後感をちょっと損しているようで残念に思う。

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紙の本梅里雪山 十七人の友を探して

2008/03/16 15:10

聖なる山とは

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 海外登山史上最悪といわれる91年の中国の17人の遭難。その遺体を今でも捜し続ける人がいる。それも中国の村に暮らしながら…。たまたま「NEWS ZERO」で、放映された梅里雪山の特集をみてこの山とこの事件を知り、その時中途半端に見たために、名前を手がかりにこの本を知った。
 テレビではまず山にひかれ見始めた。白銀の山はものすごく憧れるが、自分にとって雪山はテレビや写真で見るもの、本で体験するものであった。そのため結構読んだと思うが、主にエベレストなどヒマラヤで中国の山は少なかった。梅里雪山は今回初めて知ったが、ものすごくきれいな山だった。麓村の人々は聖なる山として崇拝し、巡礼し、山とともに暮らしている。だからこそ登山隊は聖なる山に入り込む悪いものであり、登るまでにも村人の抵抗があった。日本と中国の合同の登山隊は登山を強行し計画し遭難した。村の反応は遭難して当然、そのうえ遭難して村に害をもたらす厄介者。
 著者は、遭難から7年後氷河からでてきた遺体を引き取りにいったのがきっかけで、その後、そんな思いの村の中で何度か暮らしながら、遺体を捜索していた。その中で少しずつ村の人の山に対する思いを知り、相手も少しずつ著者を受け入れていく課程が丁寧にかかれている。どちらかというとそちらを主眼に書かれているように思う。今まで読んだ本は、どれも登る側から書かれていて、この本のように登られる側の気持を書かれている本は初めてだった。また、本に掲載されている著者が撮った写真は、文章よりも山の壮麗さと村の暮らしを伝えている。
 登山をしていて、遭難はいつでも起こりうること。本人は自分も覚悟してのぼっているからしょうがないが、こんなにも長い間、遺族や、仲間やの気持ち、遺体の捜索や確認、回りに与える影響の大きさが重かった。また未登頂の山に登ることや、聖なる山への登山の是非、今までの生活と異文化である登山隊が入ることでの村へ与える影響、いろいろ考えさせられる本だった。
 登山が悪いと思わない自分には、まだどうしたらいいかはわからない。だが、山に登る人ならそうじゃなくても一度は読んで欲しい本だ。

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立場をかえてみたものの‥

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 今回は百太郎の友人のケアマネージャーの話。高校中退後老人ホームでヘルパーとして働いていたが、現場を知らずろくな介護知識ももたず、独善的なケアプランを押し付けるケアマネージャーに疑問をもち自分が変えてやると資格をとって転職する。
 引継ぎなしで前任者の担当40人分を任されモニタリングを開始するも初日から問題の山。ヘルパーをドタキャンしながらこないと苦情をいう人、ケアの相談に蛍光灯の替えを直接頼む人‥。やはりここでも介護保険の利用を是としない親(要介護者)とつぶれそうな嫁や娘がいる。様々な苦情や仲裁が舞い込む。
 その人にとって会わなかったケアをことわったら、業者からクレーム。一人一人に時間をかけていたら、仕事がすすまない。しだいに割り切ってまわろうとするが‥。
 要介護者にとって良い介護であっても、ケアプラン上は白紙だと何もしていないように評価されたり、業者を断ったら次順番にいれてもらえなくなる、同じ事務所の人まで利用ができなくなる‥問題は山済み。
 要介護者や、その家族にとってよいケアプランをたてていこうとすることは理想だが、ここまで現実?描かれると、逆にやろうとしたとして本当にできるのかという所でところが説得できていないようにみえる。それでも自分がおちいった時に、ケアマネージャーまかせ(人任せ)にしないためにも読んでおく必要はあると思う。

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紙の本プロデューサーズ

2006/03/26 23:59

映画を見たら、また読もう!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 トニー賞12部門受賞のミュージカルの、できるまでと舞台の写真付きの台本の翻訳!
 昨年の夏に来日公演を見た。これでもかこれでもかというショーに、笑って笑って最後に少しほろっとして‥。ただ残念だったのは、主役の2人がブロードウェーオリジナルキャストのネイサンとマシュー、または同等クラスではなかったこと。2人だったらどうだったろう?と思っていたら、この本をみつけた。舞台写真がふんだんにあって、2人の表情も見られて嬉しい。舞台を思い出せるし、台本も付いているので字幕が早かったころも良くわかる。台本には作者自身の赤がはいっているので、例えば「ここは、ネイサンがアドリブで言ったものがうけたので最初から台本にあったことにした」なんてことがかいてある。また、できるまでには、「後半に主役のネイサンの歌うソロがなくて慌ててつくったとか‥」とか。字幕がなくても舞台がわかっていた人でも見れば新しい発見があるはず。
 難点は厚くて重くて高いこと。あと欲を言えば日本語版の訳者による、日本人のための注もあったらなお嬉しかった。観劇中外人たちが大笑いしていた所を、台本で読んでみても何でおかしいのかさっぱりわからない。たぶん、向こうのジョークに関係していると思うのだが‥。そんなところの元ねたもぜひ知りたかった。
4月8日から、今度はオリジナルキャスト2人が主演の同名の映画が公開される。見るのが今からとっても楽しみだが、舞台と変えたところもあるらしい。映画を見終わったらまた読んで、舞台との差を探してみたい。

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頑張る人ほど虐待に変わるかも

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 早期退職で実家にもどった一人息子の正孝。実家では半年前に脳溢血で寝たきりなった父を、母一人で介護していた。昔から厳格だった父は思うように身体を動かすことのできない今の自分を認められず、どんなに一生懸命介護をしても家族にあたりちらす。夜中でも2時間おきに起こされトイレの世話。ついに母が背骨を傷めて入院してしまう。
 レトルトの食事、夜間のオムツ、介護申請、息子は自分のできる範囲で共倒れにならぬよう必死に介護を続けるが、ことごとく父に拒否され、ついに父に手を出してしまう。立場が逆転し優位に立つ息子と怯える父。息子の虐待はエスカレートし、父は自分の中に閉じこもってしまう。あまりの変わりように正孝の友人が市役所に相談に行くが、虐待の証拠がなくて動けず。ひょんなことから百太郎に話がいき、彼が家にもぐりこんでみると‥
 前回のように身体は丈夫で痴呆も大変だが、頭だけが前と同じで身体の自由がきかないのもまた大変。介護者の方も上手く手を抜いたり息抜きをしたりできる人ならこんなことにはならない。頑張る人ほど危ない。殴ることはもちろん虐待だが、自立のためのリハビリを強いてやらせるのも、虐待と紙一重になってしまうのが怖い。専門家の手を借りることはやはり必要。なかなか来てもらえないかもしれないが。
 ちなみに、この巻の終わりではまだ解決の糸口が見えてきたばかり。続きは4巻に持ち越し。

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目からうろこの闘病記

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この著者を全く知らなかった。なのにこの本を読んだのは身近に肝硬変の者がいて、今の病状がどのくらいで、それに対してどういう治療をするのかを知りたくて本を探していたから。医者の話をきいても肝臓の病気の本を読んでも、どれも同じことしかいっていなかったし。
B型肝炎から肝硬変の末期の瀕死の状態までいった著者が、アメリカで移植を待ちながら九死に一生を得て生還した闘病記で、お話だけでも感動もの。その支援者にもびっくり。
また、こういう本にめずらしく読みやすい。
ただそれ以上に興味をひいたのは、アメリカでの治療の仕方がとても違っていたこと。
例えば、肝硬変の合併症である静脈瘤破裂に内視鏡で処置をするが、日本では処置後最低3日は禁食なのに(日本での著者)、米国では初日から柔らかいものを食べて、翌日からは普通でOKなんだそうだ。身内はこの処置のあと1週間以上も禁食で、食べたい食べたいと言いながら食べさせてもらえなかったことを思うと、目からうろこだった。もちろんどちらのやり方がいいかは、その人の病状、体力によっても違うだろう。でも、そういう治療法もあることがわかると、医者に対しても出せる要求も違ってくる。もし肝硬変のご家族がいる方がいたら、一度読んでみられることをお勧めする。

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高齢者の性取り上げるのはわかるが‥

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 虐待編は続いていたのでもっと突っ込むかと思ったが、ここで終わりなのは残念。ただし、百太郎の「ヘルパーの仕事はできないことを手助けするだけで元気な人を耄碌爺扱いすることではない」というのは一つの糸口なのか。
 今回のメインは高齢者の性。何故か今度はグループホームで働き出した百太郎。身体が健康なわりに元気のない人たちの元気の素とHビデオやらポスターやらを持ち込む。一見元気に華やいだ雰囲気になり成功したかにみえるが、問題が起こり、問題を起こした入所者が突然なれたホームから転所させられ、混乱を起こし、ついには‥。
 この巻については、百太郎の言い分にどうしても納得ができない。解決が明日やそのうちでは間に合わない、というのは理解できるが、それを言える立場かと思いが先にたつ。
 そうであっても、考えずにつっぱしり急いでたきつける問題ではないのではないか。

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